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[台湾のひと][食べる台湾]なぜ、すぐまた行きたくなるのかの推察のようなもの

台南。文字を見るだけで、もう行きたくなる街。どこを切り取っても写真映えするし、当てずっぽうに歩いても必ず覗いてみたくお店があるし、おいしいものもたくさんある。でもたぶんそれだけでは、こんなにも飛んでいきたくなる、というか飛んで行ってしまう気持ちにはならない。台南にはまた会いたくなる、笑顔を見たくなる「ひと」がいるのだ。

「石精臼牛肉湯」は、ガイドブックやウェブサイトにも必ず載っている有名店。お椀に薄くスライスした生(!)の牛肉を入れ、熱々のスープを注いだ「牛肉湯」が名物。早朝じゃないと売り切れてしまうとか、「生肉」という若干の不安とかもあったりして、尻込みしていたのだけれど、台湾のグルメな友人「めぐみちゃん」が、家族で台南に来ると必ず行くよ、というので、それなら間違いないな、と一緒に行くことに。

前述の通り作られた牛肉湯は、私の不安はなんだったのか、ちゃんと火が通っているけど柔らかく、台湾ぽいあっさりとしたスープにとてもよく合う。十分美味しかったのだけれど、店のおじちゃん(というか私からするとお兄さん)は、「今日はこの時間(夜7時ごろ)だから。うちのはこんなもんじゃない。いい肉を取っとくから明日も来い」と言うではないか。どうやらめぐみちゃんをいたく気に入って、いいのを食べさせたくなったらしい。これより美味しいなら、食べない手、いや口はない。

見事な包丁さばきのお兄さん

翌日、指定された時間に尋ねると、お兄さんはニヤリと笑いながら冷蔵庫の中にしまっておいた肉(部位は忘れたけど内臓じゃない赤身)を取り出し、ちゃちゃっと捌いて牛肉湯にしてくれた。もちろん、文句ないおいしさ。
めぐみちゃんに「おいしい!」と言わせてご満悦なお兄さんと記念写真を撮って、みんな笑顔の夜だった。

ショウガを入れると風味が変わってまたいい


それから3ヶ月後、今度は一人で行ってみた。お兄さんはなんと私を覚えていた!さっそく牛肉湯を作ってもらい堪能していると、お兄さんがスマホを私に手渡した。誰?と思いつつも耳をあてた向こうはめぐみちゃんだった。そりゃそうか。なるほどお兄さんの脳内では私は「めぐみちゃんと一緒に来た人」で記憶されていて、めぐみちゃんと一緒に来た人が一人で来た→めぐみちゃんは一緒じゃないんだな→電話する理由ができた→電話しよう!、という回路がつながったのだと思う。いつの間に連絡先を交換したのかわからないけれど、ニコニコ顔でめぐみちゃんとなにやら話している姿を見ると、憎めなくてむしろかわいらしく思えてしまう。やられるなー。だから私ままた、台南に行ってしまうのだ。



[台湾2軒目]

石精臼牛肉湯(シイジンジウニュウロウタン)
[住所]台南市中西區民族路二段246號(No.246,Section2,minzu road,west central district, tainan city,台湾700)
[電話番号]+886 6 223 2266
[営業時間]月:0:30~8:00、火:17:00~21:00、水〜日: 0:30~8:00・17:00~21:00

*営業時間や店休日、住所などは変更になっている場合があるので、必ず各自で確認ください





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