ASHURA

音楽が好きです。 公開している小説は、1話目があるサイトで佳作に選ばれたもので、それの…

ASHURA

音楽が好きです。 公開している小説は、1話目があるサイトで佳作に選ばれたもので、それの続きをつらつらと書いています。 曲を聴いてきて浮かんだ物語を小説にしたり、音楽ネタを描いたりできればと思っています。

最近の記事

ESCAPADE -3-

週の半ばの仕事帰り。 駅までの道を歩いていると、突然右耳のイヤフォンが外れる。 宏太「綾さん。」 右を振り向くと、彼がニッと笑っていた。 宏太「何回か呼びかけたんだけど、気付いてくれないから。」 そう笑いながらイヤフォンを渡してくれる。 宏太「お疲れさまです。」 綾「お疲れさま。宏太くんも仕事帰り?」 宏太「うん。それで駅向かってたら、綾さんがいたからちょっと走っちゃいました。」 そう言って今度ははにかみながら笑う。 宏太「ついに、今週末ですね?」 綾「

    • ESCAPADE -2-

      後日、由紀から呼び出しがあった。 由紀は先日の食事会、もとい合コンを開催してくれた友達その人。 私のために開催してくれた合コンを、当の本人である私がドタキャンをしたものだから、当然お怒りの様子。 由紀「ちゃーんと理由、教えてくれるよね?」 お怒りと言っても長い付き合いなので、本気で怒っているわけではない。由紀は何かと抜けている私をいつも心配してくれて、その度に背中を押してくれたり手を貸してくれる頼れる旧友だ。 由紀「綾がドタキャンってただ事じゃないと思ってるんだけど

      • ESCAPADE -1-

        彼氏がいなくて、早幾年。 若い頃は理想もあったし、妄想も沢山したけど、もう夢見るだけではいられない。 周りは次から次へと、結婚、妊娠、出産…。 綾「私、おいてかれちゃったなぁ。」 残業終わり。 駅のベンチで電車を待ちながら、ため息が溢れる。 ??「電車、ないんですか?」 綾「………へ?」 突然隣から声をかけられ、素っ頓狂な声が出てしまった。 ??「あ、独り言でしたか?すみません、僕話しかけられたのかと思っちゃって…。 」 私より年下に見えるその男の子は、少

      ESCAPADE -3-