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 浅沼会社辞めるってよ…

5月の中盤から少しずつ、取引先に挨拶をして回っている。社長退任の挨拶と今までのお礼方々。身の回りの仲間にはもっと前から話していた。
来週、オフィシャルな「社長交代」の挨拶ハガキが取引先には送られるが、面と向かって話す間柄の人には自分の言葉で伝えている。(まだ挨拶できてない所は後日)


「えっ、辞められる?どういうことですか?」
「社長いなくなるというは、会社が無くなると意味ですか?」
「イナロジって浅沼さんが作った会社じゃなかったでしたっけ?」
「薄々、そんな予感してました…」
「やめるって、ちょっと意味わかんないです、何があったんですか?」
「定年?もうそんな歳なんでしたっけ?」
「なんで、ですか?」
「えっーーー」


いろんなリアクション。

僕は意識的にできる限り、軽やかに
「まぁ卒業です、」と答える。
時節柄、「別に悪いことして辞めさせられるわけじゃないですよ!」と注釈も加えるw


確かに自分は「イナロジスティクス」という会社を創ったメンバーの一人。
最初の5年は取締役。それからの15年は代表取締役社長。大した能力も器量もないのに、
よく続けられた、とも思うし、社員やスタッフ、関係者、パートナー会社、グループ会社の皆さんに支えられたからだとつくづく思える。

親会社のグループは母体が比較的母体がしっかりしていて、社長といっても資金的な心配はあまりせずに経営出来た。親会社、稲葉製作所とイナバインターナショナルのおかげである。
オーナーではない、雇われ社長の15年。15年前といえば、リーマンショックの煽りを受け日本経済が停滞した。2008年、2009年、多くの会社同様にイナバの業績も最も低迷した時期。グループ売り上げの谷底の時に社長になった。15年、
あれからだいぶ景色も変わった。世の中も会社も。

オフィス家具販売、オフィス空間づくりのマーケットは法人主体なので、景気不景気に大きく揺さぶられる。またメーカーもサプライヤーも多いため競争の激しい世界。先行するキラ星のような他社メーカーもたくさんある。

一方、物置やエクステリアの業界は、最終のお客様は個人が多い。わりと地味なマーケット。「100人乗っても大丈夫!イナバ物置」というキラーフレーズのインパクトは大きく、知名度が高いことでやりやすい所も大きい。組み立てのしやすさなどから施工する人のファンも多い。

オフィス家具も物置も
イナバの製品は、僕が言うのなんだが、「モノとしての品質」が優れている。

その製品群を運んだり、保管したり、お届けしたり、組み上げたり、そうした分野でグループの機能体イナバロジは存在した。

いろいろ勉強させてもらった。
たくさんの人と出会った。
流通の現象から写し出される社会と時代を感じ続けた。

志半ば、悔いも、念も残らないわけではないけど、「個人」としてその思いを噛み締めながら新しい何かに向かおうと。
終わらせないと始まらないものがある。

-----------.
何が始まるのか、全くわからないけれど
何かの予感だけがある。
一旦、混沌の中に自分を放り込んでモガく(笑)モガキながら予感に身体を委ねてみる。


来週は家族の用事で南国に一週間。
なので、会社に出社する日も残り僅か。
同居する不安と恍惚。


そういえば、去年の夏に撮影した
イナバ物置のCM。コロナがあったから
随分久しぶりで。
秋から一年放映されました。

ガレージ物置の上に僕は乗ってませんが、
最後に下に登場する車は、僕の私用車です。
撮影は群馬県富岡市にある稲葉製作所冨岡工場、イナバロジ富岡事業所倉庫内で行いました。めっちゃ暑かった思い出。


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