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Valentine Breakfast Tea(バレンタイン ブレックファスト ティー)―愛の囁きにはバラ科の花を。

 今日2月14日は、バレンタインデーだ。日本ではチョコレートの印象が強いため、あまり紅茶に意識が向く人はいないかもしれない。しかし紅茶ブランドTWGには、バレンタインの名前が付いた紅茶が存在する。当日ではあるが、選択肢の1つになればと思うのでValentine Breakfast Teaを紹介する。

 袋を開けると、いちごのような香りが広がる。今までに取り上げた中では、Strawberry Tea(ストロベリー ティー)が近そうだ。茶葉の入った袋の中を覗くと、ドライフルーツだけでなく、丸めた砂糖を銀箔や銀粉で覆ったアラザンが入っており、イルミネーションを彷彿とさせる華やかな印象だ。
 飲んでみると、紅茶のすっきりした味わいの中にも、やはりいちごの風味が強く感じられる。違うブランドだが、日本のルピシアが発売しているロゼ ロワイヤルに似ていると言えそうだ。飲み方としては、ストレートがおすすめだ。牛乳は試していないが、ミルクティーにすると苺の爽やかさを損なう可能性がある。また、レモンもすっきり感が強まり過ぎて紅茶が本来持つ均衡が崩れてしまうと想像する。

 マリアージュを考える場合も、フレッシュな苺のような爽やかさを念頭に置いて組み立てるのが良さそうだ。ただ、フルーティーな紅茶だけに食事系との組み合わせは難しいと思うので注意が必要だ。Strawberry Tea(ストロベリー ティー)のときと同様に、苺とブラッターチーズのサラダといったフルーツ要素のあるサラダであれば、悪くはないかもしれない。
 スイーツの場合は、やはり苺を使ったものとの組み合わせがおすすめだ。苺のタルトやショートケーキは、絶対に外さないペアリングだろう。日本は今、苺が旬なので多くのスイーツがあると推測する。好みの苺スイーツと楽しんで欲しい。
 また、紅茶の風味に対しても寛容に対応できるクッキーやマドレーヌといった、シンプルな味わいの菓子も良いだろう。個人的に合わせた中では、カヌレがぴったりだった。しっかりしたバターや洋酒の風味と、Valentine Breakfast Teaが持つさっぱりしたいちごがぴったりだ。

 余談になるが、シンガポールのTWGでは、Valentine Breakfast Teaといちごを使ったマカロンが期間限定で販売されている。合わせてみたところ、言うまでもなくベストマッチだった。日本でも発売になっているのか分からないが、もし入手できるのなら、ぜひ試してみて欲しいペアリングだ。

 Valentine Breakfast Teaは茶葉の量り売りまたは缶入りで売られており、ティーバッグはない。扱い辛いとは思うが、苺好きなら気に入るとは思う。また、冒頭にも書いたようにバレンタインと名のつく商品なので、チョコレート以外でプレゼントを選びたい、と考えている人にもおすすめの茶葉だ。

 最後になぜ、バレンタインの名前が付いた紅茶が苺フレーバーなのか、少し考えてみたい。単純に美味しいというのもあるとは思うが、恐らく苺がバラ科に属するのが理由だろう。日本ではチョコレートを渡す日となっているものの、当地では主に男性が交際相手に薔薇の花を贈る習慣があるからだ。ちなみに、2月14日はどこの花屋からも薔薇の花がなくなる。
 日本で、バレンタインに花をプレゼントする習慣はない。しかし、花を忍ばせた紅茶なら渡しやすいかもしれない。


Valentine Breakfast Teaの量り売りが入った袋。

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