本人の状況によって有効な制度を選ぶ

親が自分の資産や財産を、子どもの将来の生活のために残してあげたい、というのはあたりまえの感情です。


特に障害のある子どもの場合、本人が得られる収入は健常者より少ない場合がほとんどなので、なるべくたくさんの資産を残してあげたいという思いは強いことでしょう。


では、資産を確保したとして、それを子どもに渡すにはどうしたらよいのでしょうか?


もしかしたら、真っ先に、遺言のことを思い浮かべた方が多いかもしれませんね。


しかし、たとえば遺言を正しい方式で書いて、有効に遺産が子どものものになったとして、障害のある子どもはどうやってそのお金を使うのでしょうか。


自分でキャッシュカードを使えるなら、銀行預金をおろして現金を手にすることはできます。


しかし、残念ながら現金を持っている障害者は、詐欺をしようという悪い人間からみると格好のターゲットです。


わけのわからないうちに健康食品などの契約を結んでしまった。


しばしば聞く事件です。


認知症の高齢者に対する詐欺と同じようなことが、障害者に対しても相当数起きてしまっています。


また、他人に騙されなくても、自分で後先考えず使ってしまう、計画的なお金の管理ができない人も少なからずいます。


もしかしたら、悪い友人に誘われてギャンブルや風俗につぎ込んでしまうかも。


考えていくと、嫌な想像が頭の中に駆け巡ります。


自分では、お金を扱えないという場合はどうでしょうか。


このケースの方が、親はより危機感を持っていることが多いようです。


(障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」渡部伸著)

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