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パッケージデザインのポジショニング考

今日はパッケージデザインの
「ポジショニング」と言うことについて考えてみます。

ポジショニングの名著「ニューポジショニングの法則」

“ポジショニング”はブランド構築に欠かせない考え方です。

“ポジショニング”という言葉で僕が思いだすのは
古い本になりますが
ジャック・トラウト著の「ニューポジショニングの法則」です。

よくハイブランドなんかが
顧客層の高齢化を防ぐために
手頃な“コスメ”なんかを販売して
若年層にブランド周知を図る、
ブランドのポジションをコントロールする
マーケティング手法は有名です。

株式会社ドライブでは
2週間に一度、デザイン勉強会を行っていますが
先日の勉強会では弊社のディレクターAさんが
「ポジショニングデザイン」について
講義を行ってくれました。

ポジショニングに関する講義資料

パッケージのデザインを考える時に
闇雲に“カッコよさ”を考えるのでは無く
商品の「ポジショニング」を考えてデザインする必要性があるという
講義内容でした。

例えば、シャンプーの場合、
デパートで販売されるブランドもあれば
ドラッグストアで販売されるブランドなど
同じ商品ながら様々なポジションのブランドがあります。

そして、販売される場所が違うからと言って
全く違うターゲットが購入するわけでは無く
同じ人の“マインド”が変わるケースが多々あります。

例えば、ある主婦が
自分用のシャンプーはデパートで購入し、
息子用のシャンプーはドラッグストアで購入する
などの場合です。

もちろん、販売されるチャネルが違うからと言って
極端にデザインをチープにするのは
今の時代にそぐわないですが
消費者は心の中で“高級感”と“普段使い”を切り分けていると思います。

僕は個人的にシャンプーと言えばAesopのブランディングが好きですが
あのデザインをドラッグストアに持ち込んでも
恐らく埋もれてしまうかもしれません。

なぜなら、ドラッグストアの環境は
1ブランドだけが独立して販売されているのでは無く、
青やらピンクやら花柄やらの
様々なお隣さんに挟まれながら商品が展示されます。

しかし、Aesopは単一ブランドで
コンセプトの統一されたオシャレな内装の中で
販売されています。

パッケージデザイナーの立場からすると
Aesopのようなクールでシンプルなデザインを
してしまいたくなる気持ちはものすごく共感できます。

しかし、パッケージデザインは
上記のようにどのような環境で商品が陳列されるかと言うことを
冷静に考える必要があります。

人にたとえると、
就活の服装と合コンの服装が違うようなもの、
古い言い方ですと“TPO”ですかね。

人も商品も会社も
単独で存在するのではありません。

常に周辺環境との調和の中で
存在しているものです。

デザイナーはどうしても
パソコンと自分の想像の中で
仕事をしてしまいがちですが
「書を捨てて町に出よう、、、、」
ではないですが
商品が置かれている場所を十分に観察し、
買う人の“立場”や“目線”に立ってデザインすることが
デザイナーには重要ですね。

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