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アミ小さな宇宙人 第9章 宇宙基本法


 疲れから眠さに襲われたペドロは眠ってしまい、新鮮な気持ちで目覚めた。
どのくらい眠っていたかアミに尋ねると、「15秒ほど」だという。

アミがいうには眠るというよりは「充電」に近いもので、15秒ほどで八時間の睡眠と同じくらいの効果があるらしい。
じゃ、眠らないの?と聞くペドロ。

「眠り」には疲れをとったり充電するのとは別の「夢を通して何かを受信するという目的」がある。宇宙人は地球人のように沢山放電しないので、ほんの少し眠るだけで十分なのだという。

オフィルの500年生きている人と会話をしてみると、彼はこう言った。
「君達地球人と僕らは親戚のようなものだって知っているかい?我々の先祖はずっと昔地球から来たんだ。その文明は愛がとても不足していた為に自滅してしまったんだよ」
「500年も生きてて退屈を感じたりしないの?」とペドロは聞いた。
オフィルの人達は、人生や夢中になれる何かに熱烈に恋をして生きている。
だから退屈なんてしてる暇はない。
労働は機械に任せ、楽しく学んだり勉強したり、何かに働きかけたり、人を助けたり、好きな人を好きなだけ愛し、好きな事をして生きる生に夢中になっている。

夢中になれる事を思う存分やり、人の為になる働きを少しして誰かを助けたり、喜ばれたりする事(機械を整備したり、何か技術を教えたり。。ちなみに「仕事」とは本来のこの様な意味)

これは愛に生きているということ。

愛とは、恋愛に限ったものでなく、『夢中になること』を指して要るように思う。
もちろん恋愛の愛も夢中になるという意味でこれに含まれる。

オフィルの人も完璧ではない。
もし過失を犯したら、自分の後悔や痛みによってそれを改める。
だから罰則や投獄もない。
文明世界であるオフィルは、
愛し愛される、愛しい人の幸せを願うと言う様な「家族愛」が基本の法則となって組織されている。つまり愛する人を悲しませたり痛めつけたり傷つけたいと思う人はいないので、だからこそ平和が保たれている。
これが宇宙の基本法(則)なのだ。

しかしその愛を感じ体得するのは容易ではない事も確か。

愛を妨げるのはエゴ、うぬぼれ、支配欲。

少し脱線になるが、シンガーソングライターの藤井風さんの『罪の香り』という曲が、正にこの愛を妨げるエゴについて歌っているのではないかと思っている。

こんな事歌う人がいるのがびっくりです。
彼の書く曲の世界は愛を歌ったものと、自分を戒めるもののニ大構成になっていて、
どの曲からも上っ面じゃない真摯な愛や神聖さを感じます。

この『罪の香り』という曲はまるで長年連れ添った男と女のやりとり(笑)のように装って?自分自身の中にある怠惰さやエゴとの対話を歌っているように感じます。

声も聞かさないで出ていって
一体何が欲しいわけ

何も触らないでほっといて
何も求めちゃいないのに

怠惰がうるさいのよ
いつも落ちる方が楽なの
だけどハートがわかってるの
後で死ぬほど 泣かなきゃいけないこと

理性がショボいのよ
気付かぬふりで甘やかしてるの
だけどそろそろ耐えがたいの 
別の恐怖と今は戦ってるの

おっと 罪の香り
抜き足差し足忍び足
おっと 罪の香り
逆らい難い 嫌な匂い

おっと罪の香り
気づいた時にはまだ早い
ちょっと もうヤメたり
全部消えて無くなる前に
                        藤井風 『罪の香り』


自分の立つ位置が変わると見える景色があります。
藤井風さんのアルバムは聴くその時の自分の意識の水準や成熟度合いによって、受け取れるメッセージが増えていくので、
まるでこの本の中に出てくる“センソ・メトロ“(愛の力やエネルギー、振動を測ることのできる器械、感覚計)みたいだな、と思うのです。

彼は自分の持てるだけの技術(翼)で愛を届けようとしている、まさに、
胸の脳(愛)が頭の脳(技術や能力、知恵)を動かしている人だな、と。

優れたピアノ弾きとしての技術や、ソングライターとしての才能、歌の才能、お茶目な人となりや高身長かつ素敵なルックス、その活動にいたるまで。。!!すごく注目しています。

話がそれました。推しへの愛が炸裂してしまいました。

本の健忘録に戻ります。愛を妨げてしまうエゴについてです。

エゴを減少させ愛が育っていけるようにする為の”進歩”は容易ではないが、その為の精神訓練を行い進歩度を上げていく。

精神訓練についてはまだこの9章の段階では言及されていません。

この章で語られているのはもう一つ、「所有しない」と言う考え。

色々な物を”使う”事をメインとし、所有しない。

車や農工、製造の為の機械、コンピューター、道具など、、、
こういった者は、所有せず、使う時だけその場所に行き好きなだけ使う。


所有するとしたら個人的な思い出の物、自分が作った愛着のある物。
それ以外のものは持たない。

常にきちんと動くように整備してあり(いつもちゃんと動くようにメンテナンスしてくれる人がいる)、所有するよりもずっと効率的。


所有しないので、この世界には“お金“という概念もない。

所有については、沢山思うところがあるけれど(「結婚」も契約なので所有と考えられるし、資本主義、商業主義も根っこはこの所有欲から来ている等)、今回はアミの読書メモなので、言及されている部分だけ残す事にします。

そう言えば「お金の要らない国」って本があったな、読書メモ作ろう。


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