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節税するなら「支出を伴わない節税」を

この世の中には2種類の節税しかない。

「支出を伴う節税」と「支出を伴わない節税」だ。


税理士という仕事をしていると、「税金を払う」という行為をあまりに毛嫌いするあまり、結果としてキャッシュフローを悪化させてしまう経営者様と少なからず出会います。

税金を払いたくないがために、

・決算期間近に飲み食いを繰り返す
・見栄の為だけの高級車を買う
・不要な消耗品を買い漁る

ということを繰り返している経営者様はいらっしゃいませんか?

こういうことをしていては、あなたの会社はいつまでたってもおカネが残っていかない。


「いや、それはわかっているんだけど、税金を払うために私たちは働いているのではないんだよ」

という経営者様のお気持ちもわかります。

では、こうするのはいかがでしょうか?

「節税をするなら支出を伴わない節税にしましょう」


「支出を伴う節税」と「支出を伴わない節税」

そもそものお話ですが、法人税や所得税は「儲け」に対して課税されます。

儲けになった部分に対して、その何%かを税金として納税する仕組みです。

そのため、「税金を下げる=儲けを下げる」ということになります。

これをイメージ図にするとこんな感じです。

スライド1

詳しく確認されたい方はこちらの記事をお読みください。

では、「支出を伴う節税」と「支出を伴わない節税」どちらが優れているかと言えば当然「支出を伴わない節税」です。

この違いについて説明していきましょう。


支出を伴う節税

こちらは、わかりやすいと思いますが単純に何かを消費して経費として計上することで利益を下げて、結果的に税金を下げる手法です。

・決算期間近に飲み食いを繰り返す
・見栄の為だけの高級車を買う
・不要な消耗品を買い漁る

このような節税は(必要経費として認められる範囲で)無限にありますが、この方法によると下記の記事にも書いているとおり、最終的な手残りとしてのお金は減ってしまうのでお勧めしません。

あなたが、あなたの事業を大きくしていきたいのであれば。

※ただし、投資促進税制所得拡大促進税制など、国が求めているモノやヒトへの投資の割合に応じて減税してくれる制度は、積極的に活用すべきと考えます。


支出を伴わない節税

本当に支出を伴わない節税としてご紹介しようとすると、

・含み損のある資産の売却による損失の実現
・不要な固定資産の除却による除却損の計上
・回収不能債権の貸倒処理の検討
・棚卸資産評価で低価法を採用することによる評価損の計上
・(法定繰入率による)貸倒引当金の計上

とかいろいろ書いてあるサイトもありますが、まぁまずレアすぎて、また金額的にも小さな効果しか生まれないので正直使えません

支出を伴わない経費の代表例として「減価償却費」という経費を上げる人もいますが、あれは最初に資産を購入するときに支出を伴っているので支出を伴わない節税としては不合格です。

「支出を本当に伴わない節税」は実は、かなり少なくとてもマニアックなものしかないのが現実です。


そこで、私が推奨するのは「(実質的に)支出を伴わない節税」です。

具体的にはどのようなものかと言うと「将来返ってくるもの、または将来払うものに投資」して節税を図るというものです。

どのような節税があるかと言えば下記のラインナップでしょうか。

①経営セーフティ共済
②短期前払費用

これらくらいはローリスクで、資金が実質的に社外流失しないものとして良く使えると思います。

①経営セーフティ共済

独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営する共済で、もともとは取引先の倒産に備える共済ですが、中小企業や個人事業主の節税方法として、とてもよく活用されます。

掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択でき、掛金が全額経費となります。

さらに前払いの制度などを使うと年間最大480万円の経費として認められます。

なぜ実質的に支出を伴わないかと言うと、40カ月継続していれば解約しても元本が保証され返金されるためです。

万が一40カ月よりも前に資金が必要になった場合には、積み立てている金額の範囲内で借入を行うこともできるので安心です。


②短期前払費用

こちらは税法上のテクニックですが、事業者が1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合、その支払時点で経費の額に算入することが認められます

よく使うのが家賃です。

決算時に、向こう一年間の家賃をまとめて前払いすると、全額が今期の経費になるというテクニックです。

例えば家賃の月額が20万円だとすると、決算時に一年分の家賃240万円を前払いすることで、今期の経費として240万円を計上できます。

この短期前払費用作戦は、等価(一定金額のもの)、等質(一定の役務であるもの)でないといけないので使える費用は限られますし、また、当面は前払いをつづける必要があったり注意が必要です。

こちらもなぜ実質的に支出を供わないかと言えば、将来払わなくてはならないものを今先払いするにすぎないからです。

さらにホントに支出をさせたくないなら借入を行えばいいことです。


将来返ってくるものに投資(経営セーフティ共済)、または将来払わなくてはならないものを今投資(短期前払費用)することで、実質的におカネを外部に流出させることなく、節税はしながらも会社におカネは残していくことが可能となります。

※実際の活用については顧問税理士にお問い合わせください。
※またここでは民間の保険会社様の節税保険等については触れていないことご了承ください。


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