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過去のじぶんを読みあさる

妙に重い感じがして目が覚める 部屋はいつの間にか暗くて ここが自分の部屋なのか、誰かの部屋なのか分からないような そんな不思議な感覚に襲われた

「もういいよ」と思いながらあたたかなコーヒーを飲む カフェインは控えた方がよいと医者に言われたが「もういいよ」と思う 数分後には胃がキリキリしてきて やっぱり「もういいよ」と感じている

窓辺から差し込む光を睨みながら 仕事の事を考えている 明日になればいつもの僕で「もういいよ」と思いながら「まだ駄目だ」と引っ張る自分についていきながら息を吸ったり吐いたりしている

日記は3日も続かないし 上司とはうまが合わないし 人は僕の事を「甘い」とかいうのだろう いつも同じイメージが締め付けて時折夜中に飛び起きる 体は重くて痛い 

エドワード・ゴーリーの本を開いては閉じて 息を整える 朝に読むには切ないけれど 夜中に読んだら眠れなくなる いろいろな事を思い出してしまうからだ ポストに何か入る「カタン」という音にも怯えるような弱虫のくせに「強い人間」になりたいという曖昧なイメージを持ち続けている

「大丈夫だよ、あとやっとくから」上司は仕事ができるし やさしい

だけど僕にとっては残酷だ 「君は仕事ができない」「もっと頑張らないと」とパワハラじみた事を言われた方が苦しむ理由ができる 恵まれた環境が苦しいなんて病的だ 

黒い縁の時計はカチカチカチカチうるさい