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2016年UTMB

8月のシャモニーは暑い。

ジュネーヴから乗り合いバスで1時間。
ハイウェイをすっ飛ばしてシャモニーの街に着く。

この年は、大きな期待と不安でいっぱいだった。

その3か月くらい前に、京都にいた。

丹羽薫選手と京都でトレイルランナー向けのセミナーを開いていた。

いまだによく覚えている。

夜、一緒に食事をしている席で

「先生、一緒にUTMBに来てください。」
「え?どこ?」
「絶対に入賞します!」

気づいたら行く約束をしていた。

おそらく、この日、この言葉、この人が人生のターニングポイントだった。

この夜を境に自分のこれからがまったく変わってしまった。

今ではめちゃくちゃ感謝している出来事。

ドラクエが始まった瞬間。

エミレーツ航空の飛行機に乗っている最中も、常に自分は今からどうなるんだろうと考えていた。

右も左もわからないジュネーヴ空港では、今では盟友と言ってもいい、松井(まつーい)がすべてお世話をしてくれた。

乗り合いバスに名前がない。
けど、予約はある。

意味のわからん状況で(海外ではよくあること)、まつーいが
「先生たちはこれに乗ってください。自分は後からなんとかします!」

と言って、いきなり外国人だらけのバスに乗せられどこに行くか(シャモニー)もわからず泣きそうになりながら不安いっぱいで連れて行かれた。

この時に

なんとかなる
なんとかする


を覚えた。


ホテルグスタヴィア

シャモニー駅前に到着。

ここがこれから、拠点となる。


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