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【40】お片付け

『ちゃん』は爪切りを怖がった。

体の一部を切るなんて怖すぎるでしょ!って感じで、本気で怖がって、逃げ回って、切れなかった。

(今度こそ…ケイの時、「爪切んなさい!」て言わなきゃ)

どうでもいいような…
どうでもよくないこと。

それより、この、取っ散らかった部屋を片付けなきゃ。

と、せっせと片付けをしていた私のところに『ちゃん』が転がってきて

「ママ☆お家の中の片付けよりさ…
頭というか…ママの中の片付けもしたらいいよ」
と笑った。

なんなんー。
失礼な。と思ったら

「いろんなママがいるんだよ。
メインは、このママなんだけどね。」

ふぅ~ん。

「ママに、意地悪を言うママもいる。そういうママをさ
もう、いつものママに【統合】しちゃえば?」

最近、(統合)て言葉よく聞くなぁ

ケイ。6年生。そんな言葉知ってたんだ…なんて思っていたら

「ね。優しいいつものママだけに…」

とワクワクした顔で『ちゃん』は私を見た。

「どうやって?」と聞くと

「いつものママが、意地悪を言うママを見つけ出したとき…
『もう、私の中に一つになりなさい』って抱きしめればいいんだ」

と言って、紙と鉛筆を持ってきて

大きな〇と、小さな〇を書いた。

「大きな〇が、いつものママ。
小さな〇が、ママに意地悪を言うママ。」と言った。

「油ってさ。スープに浮かんでる油って見たことあるでしょ?
たくさん、まぁるく浮かんでるその油を…
お箸でそーっと近づけると、ぷよんって1つになって大きくなるの。
あれみたいな感じに、1つにできるんだ」と。

「そうやって、1つになると大きくなる。
優しいママだけ大きくして、片付けていったら?」と。

「そうだね」
と私はにっこり『ちゃん』を見た。

エネルギーが見えている『ちゃん』には、どんな風に私が見えているのだろう…

きっと、私の中の黒い部分も見えてるだろうのに…

こんなに、根気よく、あきれずに、
ケイも、『ちゃん』も…

私が軽やかになるのを見守りながら、アドバイスしてくれる。

あぁ早く!
私もそういう自分軸を持ちたい!!

そう思った私は、ちゃんに言った。

「ね。『ちゃん』。
もっとこう…一気にできないのかな?」

「ん?」

と不思議そうな顔を『ちゃん』がした。

「一気に。ぐーーーんって周波数をあげて。バッて。
もう、重たいエネルギーが、ママからバラバラバラって外れて。
自由に『ちゃん』の星に行けるような。
軽やかなママになんないかな」

『ちゃん』がいつもみたいに、ケラケラ笑って
「無理だよ~」って言うだろうなと私は思っていた。

でも、『ちゃん』はまじめな顔になり

「ママ…。そんなことしたらねぇ…。」
と、考え込んで。


「関節が…」


とつぶやいて…

私の顔に。
わざと怖い顔をした自分の顔を、思い切り近づけて言った。


「全ての関節が、反対側に折れ曲がる痛みがするよ?」


強烈な一言。

「怖すぎるー!!」と言う私に

「エネルギーだけ考えてたら駄目だよ。
肉体のことも考えてあげなきゃ」

エネルギーの世界で生きている
宇宙から来た男の子にそう言われた。

「とにかく。調和が一番大事なんだ。
調和をとりながら、軽やかになっていかなきゃね」

「宇宙だって、それに気を付けて、調和を乱さないように
ゆっくり、ゆっくり、光を広げていってるんだから」

と、大事なことをさらりと教えてくれた。



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