私の貧血のお話⑤
④の続きになります。
「小球性貧血」というのが、入院時の診断名だった。
noteのお友達ゆうゆうさんが書かれた記事がとても分かりやすいので、ぜひこちらを読んでいただきたい。
貧血があると、動悸や息切れ、めまい、立ちくらみなどの自覚症状があると思う。
私にもこれらはあった。(加齢や更年期だからと思っていた)
・動悸がする。(ドキドキドキドキ程度でおさまっていく、ドキッと一回だけ)
・階段を上れば、激しめの運動をすれば、息が切れる。
(はぁはぁはぁ……でおさまっていく)
・生理が終わったばかりの数日間は、身体がふわっとなったり、くらっとする。
生理であれだけ何日間も大量に出血していたのだから、直後は貧血になっているであろうと思い、極力身体を労わるようにしていた。(なるべく予定を入れない)
ヘム鉄のサプリメントも毎日摂っていたし、朝昼晩と食事を欠かさず、食事量も、けして少なくはなかったと思う。
育ち盛りの子どもと、空手や筋トレなど毎日何かしらの運動をしている夫。
素人ながら栄養バランスのことを考えて、家族の食事を作っていたはずなのだけど……
レバニラも食べていたし、焼き鳥のレバーも食べていたのになぁ。
ほうれん草や小松菜は毎日摂っていたし。
マグロの赤身も。
日付けが変わった検査室で、造影剤を入れCTを撮影。
レントゲンも撮った。
何か、他の血液の病気ということは考えられませんか?
という質問に、先生が答えてくれた。
「ゼロとは言えません。
でも血液検査結果だと、異常値なのがヘモグロビンで、あとは正常です。
他の血液の病気だとしたら、ヘモグロビン以外にも数値に変化が見られます。
なので現時点では、おそらく、鉄欠乏性貧血※ではないか?と僕は思っています」
深夜1時過ぎ。
ナースステーションにだけにポワッと明かりが灯る病棟に、車椅子で連れて行ってもらう。
6人部屋の、出入り口近くのベッドだ。
廊下に出ればすぐトイレがある。
トイレが近いのは助かる。
「入院の詳しいことは明日、もう今日ですね、昼間になったらお話しますね。
今日はこれを飲んで寝てくださいね」
ヒソヒソ声で話す看護師さんから、鉄剤を一錠、渡された。
お水、買わなきゃ。
長い廊下を歩くと自販機がある談話コーナー的な空間が見え、ペットボトルのお水を買った。
ゴトン
静まり返った夜の病棟に音が響いて、そおっと忍び足で病室に戻る。
薬を飲んで天井を見上げた。
入院。
入院してしまった。
目をつぶっても、………眠れない。
「……起きていらっしゃいますか?」
カーテン越しに、救急に着いたときからずっと診てくれている先生の声がした。
「先ほどのCTの結果が出て……気になっていらっしゃるかなと思って……」
はい、起きてます、どうぞ。
「こんな遅くにすみません。早く結果をお知りになりたいかと……
消化器系には異常が見られませんでした。
子宮の方は、婦人科の当直医が居たので、CTみてもらったのですが、おっしゃったとおり子宮筋腫があるし、これが怪しいのではないかと言っていました。
これは今、僕らが見てのことです。
正式には放射線科の読影が出てからの診断になりますが……」
ありがとうございます。
今聞けて、よかったです。
理解していくのが精いっぱいなのですが、分かりやすくお話ししてくださるので、今までのことが分かっていると思っています。
これから検査して出血してる箇所を特定することと、貧血を治すという事ですよね?
「そうです、そうです、そうなります。
今日、日曜なので、婦人科の外来を明日月曜に受診しましょう。
あと、輸血は、今日します。
あと、便潜血の検査もしておきましょうか。
CTでは大丈夫そうだけど……内視鏡は…まず便潜血でいいな。
あ、いや、もう今日は寝てください。すみません、いっぺんに。
おやすみなさい」
先生が去ったあとは、ずっと天井を見上げていた。
スマホで調べようか。
何を?
今の説明で分かったじゃないか。
深夜2時過ぎ。
寝られそうもない。
同室の患者さんの寝息、微かないびき。
寝返りの音。
遠くで鳴ってるナースコール。
部屋の外にあるトイレの水の流れる音。
心臓の鼓動を確かめるように恐る恐る手をあてて、ゆっくり目をつぶった。
……………………
お読みいただきありがとうございます。
文中でリンクをさせていただいた、ゆうゆうさんの書かれている「血液の話」は、シリーズものです。
大切なことが分かりやすく説明してあるので、ぜひ読んでいただけたらと思います。
追記:「私の貧血のお話⑤」文中で「異常値なのはヘモグロビン、あとは正常」と書きましたが、MCV(平均赤血球容積)も基準値から外れていました。先生はそのことも説明してくれたと思います。大きさが……っておっしゃっていたので。
私の場合、MCVの数値が基準値以下なので「小球性貧血(正式には「小球性低色素性貧血」)と言われました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?