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【創作大賞感想文】大阪城は五センチ


とにかく読んで欲しいし、以下に続く私の文章を読むより作品を読んだ方がいい。ぜったい。

全12話、ボリュームに怖気付くことはない。

きっとあなたは止まらないから。
止められないだろうから。

「とんでもないもの、書き始めたな」

第1話を読み終わり、そう思った。

女風じょふう」、女性向け風俗。
貯金一千万。
家を買う。
恋。

あらすじをここに書いておくべきだろうか。

私、書けない。

「あやさんの書いたの、読みたいなぁー」ってヱリさんはにこにこしながら言うだろう。

このお話は、全部自分で読んだほうがいいって。

noteをやってるなら、読んだほうがいいと思うし、全力で勧めたい。

そして衝撃を受けて欲しい。

この作品にも、ヱリさんにも。

「あやさん、どうでした?」って言うだろうか。
ビール飲みながら、笑顔で。


手と心が震える。
どこから入ったらいい?ヱリさんの創った世界。


ユヅルの想いに泣いてしまう。

多部ちゃんとごはん食べたい。

関西弁が沁みる。

マカロニさんの絵が見たい。

宇治と過ごした時間。

マレーバク出てきた。

消えていかないものが欲しい。


この先スターバックスに行ったら、やりたいことが出来た。

ドーナツをオーダーする。

熱いコーヒーを飲みながら、11話のふたりを思い巡らせたい。
私が大好きな場面。

コインランドリーの前を通ると、洗濯機の中で泳いでいる河童がいないか確認したくなる。※1

サランラップを使うと、裸の女達が焼かれる儀式を思い出す。※2

どれだけ多種多様なものをぶち込んで混ぜ合わせても、物語はまったくブレない。
ごちゃつきもせず、澄んでいる。

今回も同じく。

すごく濃厚な世界だ。
みっちりと詰まっている。
息もできないくらい濃密に。
でも、人が生きている。恋をしている。

しなやかに伸び縮みする糸で結びついて、どんなに絡み合っても結び目が出来なくて、読み終わった瞬間にしゃんと一本になる。

魔法か?マジックなのか?

不思議でならない。

彼女が書くものを読むと、高揚感だけでなく、不思議な気持ちになる。

こういう力を、かみさまはヱリさんに託したのだろう。

そして思った以上にヱリさんが使いこなしちゃっていて、かみさまも今ごろ、

「やべー奴に渡しちまった」

と焦ってると思うのだ。

でも安心してください、かみさま。

私、ずっとヱリさんの書く物語を読みますから。


…………………………

※1


※2

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