見出し画像

落としものは何ですか

子どもたちの通う小学校は、朝はうちから歩いて25分、帰りは約40〜50分。

行きも帰りも同じ通学路なのに、なぜこうも違うのか?答えはカンタン。遊びながら帰ってくるから。

「ただいま」と「おかえりなさい」のやりとりの後に、こんな会話が続く。特に学校からの持ち帰り荷物が多い金曜日は要注意デー。

「何も落としてこなかったよね?」

「大丈夫。ぜんぶちゃんと持って帰ってきたと思う」

自信ありげに返ってくる彼らの言葉を、実はあまり信用していない。 

兄弟が落としてきたものリスト(全て回収済み。太字は複数回落としたもの)
•体操着の下(ズボン)
体操着一式(入れている袋ごと)
•濡れた水着
上履きの片っぽ
上履き(入れている袋ごと)
•筆箱に入るサイズの定規

長男(現在6年生)が1〜3年生のころに落としてきた率95%
次男(現在3年生)が5%。

彼らの帰路における行動を聞き取ってみたところ、かなりの確率で「手に持っている袋を振り回している」ことが判明。相手がいるいないに関わらず、手提げ袋は"武器"扱い。

そして時には一緒に帰っている友達たちと「誰がいちばん速く振り回せるか?」とか「誰がいちばん遠くに袋を飛ばせるか」大会が突然通学路にて開催されるという。

袋、振り回したら中身か落ちるでしょうに…。中身が落ちたら分かるよね?遠くに飛ばしたらそれをすぐ拾えばいいんじゃないの?

あとはランドセルのすきまに袋を無理やりねじ込んで、歩いている最中に落ちちゃった事に気づかないパターンもある。これもけっこう多い。


発見場所、いろいろ
体操着のズボンは、電柱にくくりつけられていた。「見つけやすいように、踏まれないように」と心配してくれた方のやさしさを感じた。感謝です。

濡れた水着は、道路の真ん中に鎮座ましましていた。第一発見者の長男は「あった!あった!イェーイ!」と喜んだけれど、私は自分のパンツが公道に落ちていたような気持ちになり猛ダッシュで拾った。

上履きの入った袋は、校門の目の前の茂みの中にあった。「この辺で振り回した」の証言から、鑑識の人みたいに草をかき分けて探したら、あった。

道路にフルネームが記名された15㎝定規がぽつんと落ちているって、なかなかシュール。


落とし主ひとりに探させればいいじゃない?という考えもあるかと思う。ごもっとも。それに懲りて、今度から気をつけて、落とさないよう注意する行動に結びつけばいい。

「探しておいで」のひと言で送り出せたらいいと思う。でも、やっぱり、もし道中に何かあったら、どんなに探してもぜんぜん見つからなかったらと、結局は私も一緒に捜索するために腰を上げる。
1、2年生のころの小ささ、日々学校から送られてくる不審者情報メールの多さ、探しに行く時間帯である夕方の暗さに不安をかき立てられて。そしてこれは兄弟に内緒だけれど、半分くらいは、どんな風に、どこに落ちてるのかを発見する楽しみもあった。どういうわけだか、今のところ見つからなかったものが無い。

発見時は人目もはばからず喜びあう。少し前まで「なんで落とすのよ、もう二度とこんなことしないでよね」とぷりぷり不機嫌なのに。

「お母さん、ほんとにほんとにありがとう!!!もうぜったい落とさないように注意するからね!」
と言われながら、見つかったものをしっかり大事そうに抱えた子どもと手をつないで家に帰る。

落としものは一昨年あたりからぐっと少なくなって(理由:長男が落とさなくなったから)去年はゼロだった。学年が上がって振り回さなくなったのか、振り回し方がうまくなったのかはまだ確かめてはいない。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?