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お寿司にありがとう

先週日曜日、家族で回転寿司に行った。

「春休み、どこにも行けなかったからね。おいしいお寿司を好きなだけ食べようか」
夫のひと言に喜ぶ兄弟。


家族で回転寿司に行きだしたのは4、5年前。
その頃の兄弟はお寿司より「びっくらぽん」に夢中だった。

びっくらぽんとは……「くら寿司」の各テーブルに設置されているゲーム。寿司皿5枚につき1回のくじに挑戦できる。空の皿5枚をテーブルの皿回収ポケットに入れるとゲームが自動的に発動し、注文パネル画面上に「当たり」が出れば、カプセルに入った景品がもらえる。

ゲームの景品がその時期によって変わり、アニメキャラクターやヒーローとのコラボ景品があったりもする。

5皿ごとに1回挑戦出来るので、くじを引きたいがために
「もうオレ無理、お父さん頼む、あと3皿」
「お母さん、もう2皿お願い、そしたらあと1回びっくらぽん出来るから」と、兄弟にせかされ、頼まれ、夫とふたりで胃袋の限界までがんばった記憶多々。

せっかくお寿司を楽しみにきているのに苦しいほど食べるのはなぁと思う事もないけれど……。
こういう遊び要素があるからか、子連れファミリー率がかなり高く、周りに必要以上に気兼ねなくお寿司をエンジョイ出来るとも言える。
無口な大将の握るお寿司をカウンターでいただくなんて、現時点での我が家にとっては一輪車で綱渡りするくらいの難易度だ。


◇◇◇◇◇◇
回転寿司の楽しみは、各自の好みがまるわかりで、今こういうものが好きなのか(好みの変化なのだな)とひそかに発見できること。

長男:マグロと肉系(カルビとかハンバーグ)。こってりを連投し過ぎてつらくなることも。お寿司とお寿司の間にスイーツを挟む。

次男:魚介すべてをまんべんなく。いちばんはマグロ。限定コラボメニューに惹かれがち。最近かんぴょう巻きの美味しさに目覚める。

夫:こってり、濃厚どんとこい。肉厚の△△や〇〇の▢▢乗せ、のようにメニュー名が長めのものを好む。味の想像がつきづらいタイプに挑戦。

私:赤身とイカ、タコ、エビ、青魚。漬けや〆てあるものが好き。

男性陣の前に並ぶお皿を見ると、私ってフツー、平凡だなと思う。
お寿司に限ったことではないのだが、なかなか新しめの味にチャレンジできず、彼らがおいしそうに頬ぼる姿を見ては、それで十分満足。


うちの場合、お寿司オンリーで、茶わん蒸しや麺ものなどのサイドメニューに手を出すことはほぼ無い。人気のある茶わん蒸しも食べてみたいのだけど、その場にいくとどうしてもお寿司優先になってしまう。

唯一、サイドメニューを頼んだことがあった。
昨年『鬼滅の刃』とのコラボメニューの期間中に、鬼滅ファンの次男リクエストで注文したのが「炭治郎のぶっかけうどん」

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このうどんが届いた時点で、男性陣はおなかがいっぱいで、次男がひと口楽しんだあとは私がいただいた。おいしかったです!



◇◇◇◇◇◇
先週末の私達のテーブルのまわりは、乳幼児のいるご家族が多くて、びっくらぽんの発動音が鳴り、赤ちゃんの泣き声が聞こえ、飽きて席で立ち上がってしまうちびっ子らの姿が、仕切られた壁の隙間から垣間見れた。

ちびっ子達の声がするたびに、夫と笑みを交わす。

「ごちそうさまでしたー。ああおいしかった。また来ようね」
春休み中からずっと来たがっていた次男は、まあるく出たおなかで言った。

「ふぅー、詰襟じゃないって楽ちんだなーー」
慣れない学生服で一週間を過ごした長男の言葉に、みんなで笑った。


回転寿司の後は、公園かデパートの屋上でアイスクリームを食べる。
そして腹ごなしに歩いて帰る。あれはおいしかった、うんすごくおいしそうだったよ、今度ぜったい食べようとその日の感想を言いあいながら。
これが我が家の定番コース。

もうびっくらぽんなんてやらない、という日がいつかは来る。いや、来て。
今だってやるだけやって、景品は私のバッグの中に入ったままなのだから。
「お父さんお母さんもっと食べてよぉ」はいつの間にか言わなくなった。

あたたかな日曜日、こんな風に過ごせることをしあわせに感じながら、おいしいお寿司にありがとう。



ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

※見出し画像はみんなのフォトギャラリーより「やまざきももこ」さんの作品「おすしたち」をお借りしました。ありがとうございました。


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