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短期間でやせたいと思ってる人へ KARTE5

いまや誰でも簡単にダイエット薬を手に入れられる時代となった。
薬は保険適用され決して高いものではなくなった。
ヤセ薬を使うことによって比較的ラクに体重を減らすことができる。
自分もすぐに病院に行き3ヶ月で17kg体重を落とした。
急激に痩せることができたが、努力だとか我慢はしなかった。

それでも生まれて初めてダイエットに成功した。

2023年12月1日から薬を使用し始めた。
数日使用してみたが期待したほど特に何も感じなかった。
朝起きて、薬1錠と水150mlを飲む。
飲んだあと最低でも1時間あけて食事をする。
緑色3mg、赤色7mg、青色14mgの3種類ある。
はじめは3mgスタートということで、
緑色のパッケージの薬を使用することとなった。

いつもよりは薬のせいで空腹感がなかったのかもしれない。
少し食事を摂るとまあまあ満足したが、
12月の後半になると、食欲はいつも通りに戻った。

先生に糖質制限の指導をしてもらったが、
白米は我慢できても甘いものだけは我慢できなかった。
チョコレートやら生菓子は毎日食べていた。

薬を使用しはじめた初めの1ヶ月で4kg痩せた。
この薬は辛い空腹を弱めるという薬だ。
食事をしてもあまり食べられない働きがある。
緑色の薬は一番弱い薬なので、あまり効き目を感じなかった。

単純に白米と麺類を食べるのをやめたので、
その分の体重が減り始めていたと思う。
肉をもりもり食べたが101kgあった体重がすぐに97kgになった。

せっかく期待して病院にいったのに、
いまいち薬の効果を感じられていなかった。
実際のところ少しがっかりしていた。もっともっと激ヤセしたかった。
世界中でヤセ薬が大流行していたからもっと期待していた。


月イチ病院に行くことになっているので12月後半にもう一度行った。
次は赤色のパッケージに入っている7mgの薬を先生にお願いした。
強いものに変えてもらった。

薬の値段が倍になってすぐに効果があらわれた。
食欲があからさまに減った。
いっぱい食べるぞと思っていても食べられない。

こういうことだよ。こういうこと。期待に胸を膨らませた。


病院では薬の説明だけでなく食事の説明もあった。
とにかくを摂取しないようにと念を押された。
先生がいうとは糖質のことだった。

毒を散布する人々

毒を散布する人

テレビでもネットでも毎日食べ物の話をしている。
白飯が食べ放題の定食屋だとか、こんなに大盛りなのに安いだとか、
たくさん食べ物を提供することが正しくて、
たくさん消費することが正しいと伝えている。

まるで自分の欲望が試されているかのように、
過剰な食事を摂ることが何度も正当化される。
入ってくる情報に抗い続けなければ、
そのまま当たり前の情報に置き換わってしまう。

社会が求める都合の良い行動の為に情報は発信されている。
それを個人の正しさに置き換える働きをしていたことに気がついた。
自分の選択がいつのまにか他人の有利な選択に入れ替わり、
私達は誰かの言いなりになっていた。

「あれをしろ」、「これをしろ」という命令の中に個人が置かれる。
提供される情報に抗う術を知らなければ、
社会が作り出した都合の良い情報が自分の幸せになり、
皆に自分を合わせていかなければ不幸になると思わされている。

「糖質は毒なので摂らないでください」
「食事は肉だけでいいです」
病院の先生は自作のパンフレットを使い説明してくれた。

いままでテレビでみてきた食生活とはいったいなんだったんだろうか。
バランスよくいろいろなものを食べろと信じ込まされてきた。

「みなさん本当はお米やパンは食べなくていいです」
「みなさん本当は野菜やフルーツを食べなくていいです」

こんなこと絶対に放送できないだろう。
マスメディアはだいたい食品系のスポンサーで成り立っている。

お寿司食べて、ラーメンたべて、パン食べて、ピザ食べてと、
いろいろなものを食べることは良いことだと思われている。
これが人生の楽しみだと洗脳されている。

あれを食べたことがある、これを食べたことがない、
あれはうまいこれはうまい。美味しいものを食べることが人生の喜びで、
お酒と合わせて美味しいものを食べることが最高のイベントだと洗脳されている。

食事を楽しむことは健康になることまで含まれていない。
健康を無視して美味しいものを楽しむし必要以上に酒を飲む。

眼の前にある美味しい食事やお菓子を食べるのか、
それとも我慢して健康的になるのか。
薬さえあれば食欲は簡単に我慢できる。
簡単に空腹を我慢できるという革命が起きている。

美食とかグルメマンガとはいったいなんだったのか。
これを食べたことがあるかい?これを食べないと、食を語れないよ?
ほんとうにめんどくさかった。
食い物ほどめんどくさいことはないと思っていた。

食べ物のニュースをみると、だいたい米とおかずや丼ものだ。
弁当にはなぜか必ず白米が入ってて、
それに合わせたしょっぱいおかずが入っている。
本来ならば全部おかずだけでいいし、白米がなければ塩分を低くできる。
白米は血糖値をあげるから、基礎代謝の低い大人にはいらない。
弁当に白米が入ってなければ、塩分の少ないおかずだけでいい。
白米に合わせて塩分を強くしてある。
いつになったらおかずだけの弁当が主流になるのだろうか。

多くの大人が糖尿病予備軍だ。
テレビで芸能人が白飯食べてるのを見るだけで心配になってくる。
おじさん芸人が白飯をガツガツ食べてるだけで心配になってくる。
血糖値が爆発して動けなくなるだろうとそこまでわかる。

何もかも食べ物に関する情報はウソだった。
テレビもニュースも全部ウソだった。
この世の中すべてがウソつきだ。
どいつもこいつもウソばかり。ウソつきに騙され続けた。

食事で悩んでいたり、何食べようかと悩んでいたり、
健康のために、あれ食べた方がいいのか、これ食べた方がいいのか、
いろいろなことを思案したりすべてが無駄だった。

たまにはお寿司食べないと不幸じゃないのか、
外食していいもの食べないと、自分の人生は不幸なんじゃないのか、
良いステーキを食べた自分の人生はいけているんじゃないか。
美味しい天ぷらを食べたから気分がいい、機嫌がいい、
うまいものを食べると機嫌が良くなる。
腹が減ると機嫌が悪い。
全部ウソ。全部ウソの感情。
機嫌が良くなるのも不機嫌になるのも
自分の勝手な解釈と選択。

今までウソ情報だらけやーん。
ホントは食事制限の薬飲んで、肉だけ食べていれば健康やーん。

真実はやばい。やばすぎる。
革命的な薬が出てきたせいで、世の中の無駄が削ぎ落ちる。
空腹を薬で押さえつけるだけで体重が減って健康的になっていく。

世の中が作り出したグルメってなんだっけ?
美味しいが幸せとかいう過去の幻はなんだったんだ?

今までは個人の胃袋が社会の価値観によって支配されていた。
いっぱい消費してくれれば、多くの人が経済的に助かる。
用意された多くの種類の食べ物があった方が個人の消費が増えていた。

血管ドロドロ

たくさんの米が消費された方が嬉しい人が多いとする。
食べ物に携わる多くの方々は助かる。
個人の健康の優先順位は他人の利益によって簡単に支配される。
最低限の食事をみんなでされると消費は減り困る。

経済圏を守るための消費が、社会の正しさであり、
社会の幸せだったがすんごーいダイエット薬が出てきて一変してしまった。
多くの人々は社会の正しさを補うために過度に食べていた。
体重の増加で苦しんでいる人々は世界で数十億人に及んでいる。
「眼の前の報酬」と「将来の報酬」どちらを選ぶか。
誰もが簡単に好ましい習慣に変更できる時代に変わった。

「将来の大きな成果のためには、目の前の欲求を自制したり、感情をコントロールできるかどうかが重要だ」

マシュマロ実験



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