1日目
2回目のインド旅 ⇦前回
夜の10時すぎにデリーに着いた。宿はニューデリー駅に近いメインバザールの外れに取っていた。そこまではメトロで行こうと決めていた。前回空港で泣きそうだったあの頃の自分とは違うのだ。
ニューデリー駅は悪名高く、たくさんの旅人が詐欺に遭っているという。メインバザールに行くならば一個前の駅で降りてトゥクトゥクに乗るべきだが、前回駅を利用したから大丈夫だろうとタカをくくっていた。
メインバザールとは反対方向にでた。チケットがなくても構内には入れるので駅の中を渡って反対側に行こうとしたが、駅の入り口でおっちゃんに「もう駅が閉まっちゃったから入れないよ」と言われてしまった。夜でも電車は発着するはずだが、おっちゃんは制服みたいなものを着ていたので信用してしまった。
さて、困った。どうやって反対側に行けばいいのだろう。すぐに「反対側に行きたいのか?この時間は閉まってるもんなー。20ルピーで連れて行ってやるよ」とトゥクトゥクに声をかけられた。本当に閉まっているのかと思って、お願いした。
車が橋に差し掛かったとき、橋の手前にいる男に止められた。「この先でデモが起こっている。ここを通るには許可証が必要だ。持っているか?」と。一気に暗雲が立ち込めた。こんなのは嘘だとすぐにわかったが、もしかしたらドライバーも嘘をついているかもしれない。いや、駅の入り口にいたおっちゃんもグルだったかもしれない。
どうしようかと黙っていると、男にどつかれた。すごい顔で何かを叫んでいる。すぐにここを離れるべきだった。ドライバーに他の道で行けるかと聞くと、もちろん、というような感じで車を走らせた。
車はメインバザールに向かう雰囲気はなく、暗い道を走っていた。しばらくすると、ツーリストオフィスと書かれた店の前に止まった。ドライバーはここで許可証を取ると言う。
全員グルだったのだ。店に入ったら終わりだが、まだ抗うことはできた。自分を奮い立たせるために大声で「ばーか!うそつき!」と日本語で叫び、100ルピー札を投げつけてその場から去った。
Googleマップを見ると、幸いなことに線路を超えてホテル側にいた。そんなに遠くもなかったので、あとは歩いて行けばよかった。
道に街灯はなく、真っ暗だった。車は一台も通らなかった。道の端を歩こうと思ったが、所々に人が寝ていた。野良犬もいっぱいいた。噛まれたら狂犬病で死ぬと思って、息を殺して歩いた。一度犬に吠えられたが、寝ていたインド人に助けてもらった。人生で一番怖かった。
道を間違えながら、1時間ほど歩いてホテルにたどり着いた。身も心も疲れ切っていたが、初日からサボるまいとシャワーと洗濯(手洗い)は頑張った。寝る前に充電しようとコンセントに挿したら、ブレーカーが落ちた。もうどうでもいいやと思って、そのまま寝た。
↑地下鉄代が書いてないくらい、適当なようです。
続き⇨ 2日目
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