「コミュニティ」というサービス設計
コミュニティとは
コミュニティという言葉の定義を先にしておく。
デジタル上におけるコミュニティとは「触媒に対して人が意識を向け合っている状態」のこと。
触媒とは:特定の人物、特定の場所、特定の無固形物、話題など
コミュニティを考える順序
1.構築するコミュニティの「触媒」を考える
2.コミュニティが「1:n」なのか「n:n」なのかを考える
3.そのコミュニティは「コミュニケーション」を起こすのかを考える
4.そのコミュニティに属するユーザー層にマッチしているかを考える
特に3のコミュニケーションの有無はコミュニティ設計において非常に重要な分岐点。n:nコミュニティを目指す場合コミュニケーションを必要とするケースが多いが、最も難しいコミュニティ設計であるということ。
ミニマムに立ち上げることが出来るコミュニティ形式は「1:n」かつ「コミュニケーションを要さない」もの。芸能人のTwitterがこれに分類される。
Twitterを例に分解
Twitterは「ほぼ全てのコミュニティ形態」を構築しているという点。
例えば芸能人Twitterは「1:n」の構造がベースにありながらも、場合によっては「n:n」の構造も持っている。どういうことかと言うと、「①芸能人⇔ファン」ここは完全に「1:n」だが、「②ファン⇔ファン」は「n:n」である。(ファン同士が交流している場合は、だが)
①は「芸能人」を触媒として人は群がっている
②は「芸能人」を触媒として群がり、「芸能人の話題」を触媒としてコミュニケーションを行う
少し脆弱な他の例もある。
特定のアニメのハッシュタグ。Fateが好きな人はTwitter上に腐るほど存在するが、決して群れてないように見える。ただ、ハッシュタグがそこを横串でコミュニティ形成している。場所に対して群がっているかどうか、はさほど重要ではない。
LINEを例に分解
これも明確な「n:n」グループである。
「n:n」コミュニティの重要な点は「nがみんな基本的には平等である」ということ。
なので、LINEグループも「スクールカースト最上位」が入ってくると「n:n」ではなく「1:n」に変容する。コミュニティってそういうもん。
ちなみに冒頭にコミュニティは「触媒に対して人が意識を向け合っている」という定義をしたが、LINEに当てはめると面白い。
LINEグループは「場所として無理やりコミュニティ」を作っている状態。
なので、「会話が起きていないときはコミュニティではない」と考えている。
誰かが投稿した瞬間に参加者の意識が投稿に向くので、そのときにオンデマンドにコミュニティ化する。よって、「グループそのものはコミュニティではない」という考えになる。
コミュニティの生死
1:nなのかn:nなのかでコミュニティの成功の判断がまったく異なる。
(◯:◯は投稿者:視聴者と言い換えてもらっても問題ない)
1:nは「1の多さ」「1の質」「1の活性度」が全てを握る。
仮にTwitterが「芸能人つぶやきコミュニティ」だった場合、「どれだけ多くの芸能人を集めることが出来るか」「どれだけ質の高い芸能人を集めることが出来るか」「どれだけその集めた芸能人が活発にツイートしてくるか」がコミュニティの生死を握っている。
n:nは「1stポストに対するレス率」が全てを握る。
一言で言うと「投稿したら絶対誰かがレスしてくれる」という状況を生み出すことができればコミュニティは一気に加速するし、投稿してもレスがつかないコミュニティは一瞬で過疎が進み、一瞬で死ぬ。(個人的にはSlackの#randomとかは近いかも知れない)
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