わたしにはネコがいない 極寒の水浴び

寒さが身体に染み込んでくる

窓の外にふと目線がいくと

誰もいない冷えきった公園の水たまりで

カラスが水浴びをしていた

真冬の雨の中で

曇天の空の下で

遊具の足場に溜まった泥水で

たった1羽で見張りもなく

公園の真ん中で水浴びをし

その後、ほとんど葉が落ちた木の上で羽繕いをしていた

自然界ではきっと泥水でも洗うことで清潔に保っているのだろう

きっと彼はまだ歳若く、羽の油分もあり身体は冷えにくいのかもしれない

それでも鳥であり、この寒空の元を生きている

寿命はそう長くなく、そして今もこれからも過酷といえばそういえるなかで

自分の身繕いをたんたんとするその姿になぜかとても心を打たれた

明るい色に塗られけれど錆て泥んこの遊具のなかで

彼は生きていて、必要なことを本当にミニマムにやっているのだ

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