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【#16】映画大好きポンポさん

「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。

第16回は2021年6月4日に公開された平尾隆之監督作品「映画大好きポンポさん」について書いていく。

映画を撮るか 死ぬか どっちかしかない

大物映画プロデューサーの孫でもあるポンポさんのもとで、製作アシスタントを務める映画オタクの青年ジーン。
ある日、ジーンは監督に指名され新人女優をヒロインに迎えて波乱万丈の映画制作が始まる。

作品の舞台は日本映画ではなくハリウッド映画なのでスケールも大きい。
作中ではニャリウッドとなっているけどねw
絵は綺麗系であり、動きも細かいところまで描かれているのでアニメーションという点でも素晴らしく、大自然の風景が綺麗だなと感じた。
主となるキャラの大半は幼く見えるような見た目ではあったが、逆にそれが目立っているのもあり良かった。
ストーリーは映画を作るという事だが、ポンポさんが脚本したものが、実は女優さんを見てピンと来た「当て書き」という点も面白い。

ポンポさんが来ったぞー!
ここの言動からもポンポさんが子供っぽい性格なのが分かる。
ポンポさんの爺さんはすごい人ではあるが、ポンポさん自身もちゃんと芯があるから、贔屓目なしにいいキャラしていた。
作品の中にキャラがハマりすぎて、序盤からなにか実家のような安心感があった。
私的には媚びない作品、B級映画ぽさにこだわりもあったりするところが良かった。

初めて監督指名されたジーンは彼の作る作品で初ヒロインに抜擢されたナタリーはお互い初めてという事で成長を楽しめる2人であった。
ジーンの見どころは私的には撮ったあとの地味な作業である「編集」のシーンが盛り上がりに変わった所だと思う。
72時間ぐらいある映像を2時間にまとめるって想像しただけでも頭が痛くなりそうだ。
厨二心をくすぐるような見せ方ではあるが、それもあり退屈することはなかった。
ナタリーの撮影シーンはもう少し多めでもいいのかもしれないが、監督のお隣で編集を見守るシーンを見せられてしまうと撮影シーン少な目でもいいなと思えた。

この映画を見て、映画作りはチーム、団体戦だと改めて思った。
アドリブシーンにしても一人では決してできないアイディアが出たり、ピンチの時に助けてくれたりと作品にはいろんな人の想いが乗せられているのだと感じた。
またこの作品はスポンサーとの関係も描いていて、そこにもジーンの学生時代の知り合いのキャラに焦点を当てていたりしたところは良かった。

映画好きや映画作りに興味がある方は楽しめるであろう作品であった。
若さも失われて来ている私にはちょいと輝いて見えたのでもっと若い時に見たかった。


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