保険業界の非対面営業は浸透するのか?
生命保険会社(日本社)の営業が、いろいろ条件はあるものの非対面での営業に踏み切ったそうです。Twitterでの反応はさまざまですが、そもそもイメージが悪いので、非対面に対してはどちらかと言えば、ポジティブな反応のようです。
「生保レディの色仕掛けがもう通用しなくなる」
「生保レディなどそもそも必要ないし、無くした方が顧客の利益に叶うことがすぐにわかるだろう。」
「約20年間全くIT化されてこなかった保険セールスがかわるのか」
「下手したら営業職の人の大量解雇とかあるのかな?」
◯保険業界のIT化
この業界がまったくIT化が進んでいなかったのかというと、そうでもない気がします。電子申込みやハンコレス、タブレットを使った募集文書などできる範囲で進化してきていると思います。もともと、資金力のある会社ばかりなので、本気になればIT化は進むでしょう。一番の障害は、営業マンの高齢化ではないかと思います。ITリテラシーが低く、昔ながらのOLDスタイルを貫き通す人は少なからずいます。そんな営業マンは得てして、社内で幅を利かせているため、IT化の進行をなんとか阻止または遅らせようとします。
◯生保レディーの色仕掛け
生保レディーが色仕掛けをするのか、はたまた顧客側が「色」を要求するのかどちらもありそうですが、悩んでいた女性営業マンには、その面では好材料かもしれないですね。
◯営業職の大量解雇はあるのか?
非対面で完全に人を介さず販売できるのであれば、営業マンは解雇されると思います。ただし、全く人を介さずに生命保険が販売できるのかが疑問です。
◯非対面と言えば、ライフネット生命
ライフネット生命は、上場したものの赤字経営が続いた。そのため、15年にKDDIと資本提携。携帯電話の販売店を通じて結局対面販売を始めた。17年8月からは「がん保険」の販売を始めた。これは創業者のひとり岩瀬氏の「転向」と皮肉られた。というのも、岩瀬氏は副社長時代の12年に出した著書『がん保険のカラクリ』(文藝春秋)のなかで、既存の保険会社が扱うがん保険が補償する内容について痛烈に批判していたからだ。ところが、収益を上げるために、がん保険を扱うことにした。18年3月期の売上高に当たる経常収益は前期比8.9%増の110億円の見込み。就業不能保険とセットのがん保険の販売が好調だ。それでも当期純損益は3億円の赤字の見込みで、開業以来、赤字経営から抜け出せないでいる。
◯まとめ
上記の通り、完全に非対面で生命保険が販売できるかは疑問がのこる。生命保険という商品の特性上、完全非対面では難しいのではないかと思う。しかし、オンライン商談を活用した営業は可能であり、そのメリットもあると思っている。
1.お金がかからない
交通費、場所代が不要
2.時間の効率がいい
移動時間が不要であり、1商談の時間も短くなる(長いと間が持たないし、お客があきる)
3.商談のログがとれる
保険会社的にも不正な営業を検知できる。(金融庁も喜ぶ)
4.教育に使える
上記の通りログがとれるので、ジョイント(同伴)しなくても後から映像をみながら、フィードバックができる
ざっと考えただけでも、上記のようなメリットがある。
お年寄りには、オンラインの商談は難しいと言われます。でも、生命保加入のターゲットはもっと若い世代です。ある調査によると15才から49才の9割以上がスマホを持っているそうです。
いかにオンライン上で、この難しい生命保険という商品を販売するか?対面の良さを非対面でどこまで出せるかが勝負なような気がします。
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