サブスクリプションサービスにおける解約率について
先日、オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の月あたりの解約者数が約2,000人だと聞いた。約6万人と日本最大のオンラインサロンのため、解約率はざっくり3%である。この数字は、多いのか?少ないのか?
米国でサブスクリプション事業者向けの請求管理プラットフォームを開発する「Recurly」が1,200社を調査したところでは、エンタメ系サブスクの解約率は3.3%〜11.5%で、中央値が5.9%とのこと。
ということは、6万人の会員を抱える巨大オンラインサロンの解約率(3%)はとても低い数字であることがわかる。
◯解約率を左右するもの
それは「飽き」だろう。僕もオンラインサロンや動画配信やプログラミングや教育系など数々のサブスクに加入した経験があるが、解約の理由はいつも同じ「飽き」だ。ログインしなくなってしまうのだ。教育系ならまだ知らず、娯楽系の動画配信サービスでさえ、他の娯楽サービスとの時間の奪い合いの中で負けてしまいログインしなくなる。(優先順位が下がる)
◯西野さんの努力
この解約率を大きく左右してまう「飽き」に対して、西野さんがしていることは、毎日2000~3000文字のレベルのしっかりした投稿をしていること。そして、その内容は時事ネタや芸能ネタなどの雑談ネタではなく、しっかりと練られた彼の考え方やビジネス戦略などの話題であり、会員にとってその情報を咀嚼し吸収することで価値を生み出すものとなっている。そんな投稿を毎日継続しているのだから、当然テレビに出ている暇はない。彼の言葉でいうと「ビジネスとしては、まったく割りに合わない」とのこと。このオンラインサロンの会員を満足させ続ける労力が半端ないということだろう。
◯厳しい現実
サブスクの解約者は基本戻ってこない。私の実体験からすると稀に返り咲きはあるが、かなり確率は低い。ということは、サロンのOB/OGを抜きにして新規会員を募集していかなければならない。西野さんのオンラインサロンで言えば、2000人/月以上入らなければ純減ということになる。「すでに6万人もいるんだから、そんなに拡大しなくてもいいでしょ!?」という意見もあるかもしれないけれど、問題は「規模がしぼむ」というネガティブなイメージだ。このイメージにより、2つの問題が発生する。
1.新規会員が入らない
2.既存会員の解約がさらに進んでしまう
そういう意味では、サブスクモデルのビジネスは止まったら死ぬ、まるで「回遊魚」のようなビジネスだ。