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2022夏

先日22年間の人生で初めて人間に一目惚れをしまして、わたしは一目惚れや恋愛と言うワードからは縁遠く避けてきたものであったので、こんな少女漫画のような展開にそれはもう戸惑ったが、異性に対して好意を持つこと自体滅多にないもので

「一世一代のチャンスなのでは、??」とも思った。


幼少期の頃から恋愛感情というものがあまりわからなくて好意を寄せてもらうことは人並みにはあったけれど、その好意が堪らなく気持ち悪くなってしまって自分の視界から消したくて、大変申し訳ないけれど告白される前に避けて避けて避けまくって、相手の好きという感情を強制フェードアウトさせていたりした。
最低なことをしていたと自覚はしている。
今までお付き合いしたのは高校の頃の1人だけ。
クラスの他の男の子とは少し違く見えて好きだったと思う。

その彼とは価値観が合わなくて敢え無く破局。

元カレは少しの期間だったけど私と付き合えたことをさぞ誇れと思う、超レアだぞと。
(随分と偉そうな文面だけど、私の日記なのでご愛嬌ということで。^_^ )


閑話休題

彼とは久しぶりに一人旅をしていたときに出会った。
彼への第一印象は

「うわ〜、めっちゃ陽キャ、コミュ力の塊 眩しぃ…」

悪気もなく漠然と思った。
でも、本当にその言葉の通りの人だったから。

私はどちらかというと、そういう人を眺めてる側の根暗
陰キャオタク気質人間であるため、同じ学校にいたら
まず関わらない人種であっただろうから、学生時代に
出会わなくてよかったと思う。

そんな女が一人で旅をしていたので声をかけられるなんて思わず、喫驚した。
初めは会釈だけして通り過ぎてしまおうと思ったけど、それでもめげずに話しかけてきたので折角話しかけてくれてるのに、聞かないのは申し訳ないと思いイヤホンを外し、話を聞いてみることにした。
他愛もないことを話していると、近くに住んでたことがあったりだとか、同い年の大学生であることが発覚したりと、初対面なのに親近感が湧いた。
その日は旅先から帰る日で、観光もしたかったためその旨を伝えてその場で連絡先を交換したあと別れた。

後日、彼がこちらに来る予定がありご飯に行くことになった。

わたしは帰りのバス中でドキドキしていた。
たった数分話しただけなのに、直感的にこの人なんかいいなと思ってから、これは好きだと自覚。
これが俗に言う「 一目惚れ 」であることはすぐ解った。
その日になるまで毎日連絡は取り合っていた、今思えばその時間が一番楽しかった。
朝起きたあとや、仕事が終わって彼から返信がきていたら嬉しかったし、彼がまめで意外と真面目な人であることに気がつくまで時間を要さなかった。

時間の流れは止められないもので、あっという間に
その日がやって来た。

会うのがこれで2回目

適当に待ち合わせをして居酒屋へ向かう。

彼は車道側を歩いてくれるスマートな人で、その新たな発見は私の中に追加される。
その道中、彼はそういえば教えてくれたアニメ見たよ〜なんて何気なく言う様な人で、なんなら原作まで全部読んだ!なんて言ってくる人で。その報告が純粋に嬉しかった。

居酒屋では人生観とか恋愛観や結婚観だとか家族の話、血液型の性格診断が結構あたるだとか、休日の話だとか小学生の頃に流行ったプロフィール帳の様な話から深い話までたくさん話をした。

彼は丁寧に過去の恋愛遍歴を教えてくれた。
過去に何人とお付き合いをしたとか、どんな人だったとかそう言う話をお互いした。

どうやらわたしたちの価値観は結構合ってるんじゃないのか?と、思ったのも束の間

彼は「今は彼女いらないかな〜、充実してるし」なんて言い始めた。

その時の私はというと、圧倒的困惑で脳内が?!で
埋め尽くされていた。

「え?彼女いらない??私の聞き間違いじゃなければ今こいつ彼女いらないって言ったぞ???彼女いらないのになんでご飯に行こうなんて誘ったんだ??ワンナイト狙い?それともただ単に話がしたかっただけ?( ◠‿◠ )」
と言う思考回路に辿り着く。言うまでもない。

恋愛初心者の私が絞り出した答えは
「そっか〜」であった。
今のわたしはそれ以外の最適解を知らない。
別にそれを否定したい訳でも今すぐどうこうなりたい訳でもなかった。

少ししてからお店を後にして
以前にお互いが住んでいたところを巡ってみたりした。
こんなに近くにいたのに、違う場所で出会うなんて
つくづく世間は狭いなと痛感。

その帰り道、彼とコンビニでお酒を買って飲んだ。
その日は酒モチベが高い日で全然酔っ払わなかった。
「あんまり変わらないね〜」なんて話をしていたら、

キスされた。

「あれ、さっき彼女いらないとか言ってなかった?
    やっぱりワンナイト狙いか、と。」
お酒が入っていた割にはすごく冷静に思考を巡らせる。

彼は順番なんて関係ないと言っていたけれど、わたしは好きだったからキスは受け入れられるけど、それ以上はいくら好きだとはいえ、関係が明確ではない内は許容出来なかった。

すると彼は「なんかドキッとしたんだよなあ」と、
ボソッと呟いてきた。聞き逃さなかった。

「おいぃいい!聞こえてますからね!!!わたしも君と同じ気持ちで帰りのバスを過ごしましたから!!」と
負けじと心の中で応戦。

声をかけて連絡先を交換したのは初めてだと言った彼の言葉の真偽はさっぱりわからないけど、わたし以外にはしないでほしいと深く願ってしまった。

挙句の果てには

「歩いて地元に帰ろうと思ってるんだよね」

とか言い始める。

我ながらめちゃくちゃキモい顔でニヤニヤ笑ってたと思う。

なんだその話!!
地元道外なのに!面白すぎんだろ!!!
強烈な面白爆弾隠し持ってんじゃねえよ!
言ったからには絶対にやれよ!!!


と率直に思った。口が悪くて申し訳ないけど。笑

でも、ここ最近の日常の中で久しぶりに自分のこと以外で心底わくわくした。刺激だった。


この文章が彼に届くことは間違いなくないだろう。
初めて会ったときから彼は爪が綺麗だと褒めてくれたことが今でも印象的で。
その時の私は、ジョジョの奇妙な冒険にハマっていて
吉良吉影かと思ったのはここだけの話。笑

短い期間ではあったけど本当に誰よりも好きだったんだ、この温かい気持ちが紛れもなく愛である
気付かせてくれた彼には感謝しきれない、ありがとう。

付き合ってすらいない、ましてや二回しか会ったことのない相手にこれから先の人生でここまで好きになれるのは彼以外にはありえないんじゃないかと錯覚してしまうようなそんな感情がわたしには残った。
彼が残した副産物は結構大きなものであったことは確かである。

彼はどう言う思いだったんだろうか?

果たしてこれを失恋と呼べるのかさえ、
今の私にはわからない。

だけど、この名前の付けようがない感情に
すぐ終止符を打つことができるほど、
わたしは都合良くできた人間ではないのだ。

次またいつこの感情に出会えるのかはわからない。

また彼といつか会えることがあれば
お互いが成長した姿で会えたら
なんて思ってしまうような素敵人間だった。


私はまだ成長できる。
もし、その選択に後悔したとしても
最後には豊かな人生を送ったと思えるように、
たくさんの経験と共に前に進むしかない。


さて、残りの夏をどう乗り切ろうか。

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