椎名林檎様について恐縮ながら語り侍るに候〜映画「さくらん」のレビューも兼ねて〜

こんにちは、小川バッハです。ただいま時刻は22時48分。どこぞの遊女が「宵はこれからでありんす」と言いそうな時間に大好きな椎名林檎嬢について語るので、少し文体がおかしかったり、論理性に欠けたりするかもしれませんが、悪しからず。

さて、上で「遊女が、、」などと申しましたのは、いわゆる伏線というやつです。先ほど蜷川実花監督、土屋アンナ主演の映画「さくらん」を拝見いたしました。ご存知ない方のために、映画の内容を少し説明いたしますと、時は江戸の遊郭(今でいう風俗街みたいな)の吉原(日本一の遊郭)にある玉菊屋というお店の花魁のお話です。花魁というのは今でいうソープ嬢みたいな?(すみません、如何せんまだ17歳なもので、エッチぃサービスを受けたことがないもので、、)土屋アンナ演じる”きよは”後に日暮となる彼女が、玉菊屋へはいって禿から花魁に上り詰めるまでの物語です。遊女も段階というか肩書きがあるみたいで、例えるなら禿がアルバイトで、花魁が社長みたいな感じですかね。蜷川監督の作品とあっていつも通り描写も蜷川ワールド全開でありんした(花魁風)。

ただ話したいのは映画の内容、構図や展開ではなくて、音楽なんですよ。そう、この映画の音楽を担当しているのが、我らが林檎嬢なんです。楽曲は全て林檎様と斎藤ネコさんと浮雲さんで作られていたかな。「迷彩」や「ポルターガイスト」、「茎」など、カルキザーメンのアルバム大好き勢からしたらたまらないラインナップなんです。

 RADWIMPSが好きな友達が、「天気の子」や「君の名は」をみて興奮していた気持ちを遅ばせながら理解していたわけなんですが、映画を見ながら流れてくる姐様の音楽を聴きながら私はずっと考えていました。林檎さんの曲って本当に独特。
評価としての楽しいとか悲しいとか、陰鬱と言う言葉さえ安っぽく感じられてしまうほどに高尚で、それでいて繊細。入ってくる時はすっと心に入ってくる。内側で触れているような、違和感。そして、この音楽が好きなことを誇れる、理解しているのは自分だけだ、とでも言うような欲張りの心を掻き立てる。
それで、その曲のオリジナリティってどこから来るのかを考えたとき、要素というか、特定するのに使われる関数が多すぎるなって思ったんですね。でもあえて一言で言うのなら、椎名林檎さんの曲には、一貫した世界(ストーリー)があると考えるんです。

ストーリーとかいう、これまた陳腐に思える言葉を持って来ましたが、しかし、私はこのストーリーという言葉にとても思い価値を感じています。
 例えば、僕は女性の良し悪しって外見でもなければ内面でもない、ストーリーだと思うんです。そうですねぇ、プロデューサーっているじゃないですか。彼らのしている仕事というのは、宝石を磨くこと。才能を持った子たちの作品なりその人なりをみんながわかる形で届けることですよね。それこそ椎名林檎さんの曲も、初期の頃は元々の歌詞は結構違うものでリリースにあたって変えていったらしいですし。話を戻すと、いかに自己プロデュースをできるかってのがストーリーだと思うんですよ。

自己プロデュースの仕方にもいろいろあります。皆が目を引くことが担保されているブランドもののバッグやら何やらによって自分を高く見せることもできますし、どうみられようどう思われようを意識すれば、ある程度どんなこともできてしまうわけですよね。
でも、時代的に、このポストモダンと言われる混沌の時代において、もうそんな見栄の張り合いに参加指定こそすれ、どこかでみんなわかっていると思うんです。そして虚無感に苛まれると思うんですね。プリクラの写真を見合って盛れてるとか全然違うじゃんとか言い合っているのもその象徴の一つでは?

そこでストーリーってのが出てくるんですよ。ストーリーってのはどうみられたいみられたくないという他人の価値観のしがらみから解脱したところにある、自分はどうだったか、どうであるか、そしてどうありたいかというものだと考えるんです。ただ、自分なんてないというのが現代科学の前提で、他人を完全に意識しないというのはできないので、そこは慎重なご理解を求めるのですが、簡潔にいうと孤独を愛する心ってやつですかね。それを持っている人が私はここにいる!という主張とともに出した表情なり、服装なり、メイク、仕草、匂い、言葉遣いなんてのは、これは何事にも変えがたい価値がある。
 その意味で林檎様は、崇高なるストーリーを提示している唯一無二の女性として魅力があるのではないでしょうか。やっぱり、林檎様の20代の頃のLIVEとか当時のメイクなんかをみても、「可愛いと思われたら負けだ」とのちに語る姐様の決意の片鱗が見て取れるのではないでしょうか

いけません。昨日の夜書き始めたのですが、なんやかんやで今は翌日の夕方。なかなか長くなってしまいました。本当は林檎様の声の話も書きたかったのですが今回はこの辺で。ではご機嫌よう。

P,S,土屋アンナさんの花魁姿は本当に綺麗でした。ハスキーな女性もこれまたストーリーを感じます。

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