タイの石油化学(SAT)
タイ証券取引所に上場する4番目のセクターの工業分野は、2014年度末時点で6つに分類されている。石油化学産業は、自動車「Auto」19社、産業部品・機械「Industrial Materials & Machinery」8社、製紙「Paper」1社、石油化学「Petrochemicals」14社、包装「Packaging」16社、鉄鋼「Steel」27社の全85社で構成されている。
石油化学産業
昔は石油化学製品類は海外からの輸入に頼っていたものの、1970年代末にタイ湾沖で天然ガスが発見されたことをきっかけに、タイ石油化学産業は急速な拡大を見せた。
石油化学系企業
主な大手企業はPTTグループ傘下のPTTグローバルケミカル(PTTGC)、石油精製や石油化学の事業を展開し、2020年にタイ東部工業団地にオレフィンプラントを新設し約9億8,500万ドルを総投資した。同社は台湾系企業にも出資を行うと発表した。
他にもサイアムセメント子会社のタイプラスチック&ケミカル(TPC)などがある。
※1 SETでは同業種が異なるセクターに上場することも稀ではない。今回はセクター別の基準を準拠し解説し、非上場企業は除外する。
※2 企業情報の読み方: 企業情報を示す枠内は、上から順に上場コード、社名、主要事業、売上及び純利益を示す。売上規模 200億Baht以上 (およそ600億円) 企業は緑色、 50億Baht以上 (およそ150億円) 企業は青色、 50億Baht以下 (およそ150億円) 企業は赤色で表示している
石油化学ベンチャー企業
ベンチャーの石油化学企業の成長も著しい。インド系財閥インドラマ・ベンチャー(IVL)はペットボトルの原材料のポリエチレンテレフタラート(PET)や汎用性プラスチックの原料にあたる高純度テレフタル酸(PTA)、衣料品向けのポリエステル繊維を生産し、その生産はタイ以外にもアメリカやヨーロッパなど様々な拠点を持つ。インドラマ・ベンチャーはM&A戦略を積極的に行い、世界各国の石油化学品関連企業の買収を行っている。その結果、現在では世界有数のPET生産企業の一社となった。
タイの石油化学系企業と日本大手企業の連携
住友化学や住友商事などといった日本の大手企業とタイ石油化学系企業が連携し、事業を展開している。
タイ証券取引所(SET) : タイ証券取引所(SET=Stock of Exchange of Thailand)はタイの首都バンコクに1974年に設立されたタイ王国唯一の証券取引所である。大企業や多くの公開会社が上場するメインのSET市場と、中小企業などの新興企業向けのMAI市場の2つに分かれている。SET指数はタイ証券取引所の全銘柄を対象とする時価総額平均指数である。SETでの1日の平均売買高は16億米ドルを超え、ASEAN証券取引所内でも上位。過去3年間でSETの売買高は徐々に上昇しており、かつIPO市場も活発である。
ASEAN JAPAN Consulting Co., Ltd. : タイ・ASEAN地域におけるビジネスコンサルティングを行う。主な事業内容は市場調査、現地企業の事業調査、海外進出支援、経済情報提供サービス。タイやASEAN地域への進出を検討される日本企業に向け、事業及び投資のチャンスやリスク、可能性についてデータや企業情報を提供する。東京とバンコクに拠点を置く。 会社サイト:https://www.asean-j.net/
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