タイの鉄鋼・スチール(SAT)
タイ証券取引所に上場する4番目のセクターの工業分野は、2014年度末時点で6つに分類されている。自動車「Auto」19社、産業部品・機械「Industrial Materials & Machinery」8社、製紙「Paper」1社、石油化学「Petrochemicals」14社、包装「Packaging」16社、鉄鋼「Steel」27社の全85社。
鉄鋼・スチール産業
鉄鋼やスチールは自動車や産業機械の製造を支える重要な材料。
2018年のタイの鉄鋼輸出実績は韓国や中国を上回っていたが、
2020年は経済発動が停滞したため、
鉄鋼需要が1,500〜1,600万トンと2019年より100万トン減少すると見込まれている。
事業運営
○ タイ政府が実施してきたこと ○
(1) 鉄鋼業の生産能力を構築するために外資とローカル資本を動員
(2)参入制限を少しずつ解除
(3)川下工程から国内市場規模の拡大を進める
(4)鋼板事業社1社のみに独占的な事業運営権を与えた
タイ熱延製造最大手Sahaviriya Steel Industries
有力財閥Sahaviriyaグループの出資するタイ熱延製造最大手Sahaviriya Steel Industries(SSI)のみが操業を行っている。
2015年10月時点で、Sahaviriya Steel Industriesがイギリスに持つ高炉一貫製鉄所の完全停止を決めた。同社は2011年にTata Steel GRoup傘下Corus Group plc USからティーズサイド・キャスト・プロダクツ(TCP)を買収していた。
産業の今後の見通し
世界市場で鋼材供給能力が需要を大幅に上回った結果、鋼材価格が下落し赤字が継続していたのが要因だ。
現在、鉄鋼業界は世界経済と鋼材需要の回復がないと成長が見込まれず、非常に厳しい業界になっている。
※1 SETでは同業種が異なるセクターに上場することも稀ではない。今回はセクター別の基準を準拠し解説し、非上場企業は除外する。
※2 企業情報の読み方 企業情報を示す枠内は、上から順に上場コード、社名、主要事業、売上及び純利益を示す。売上規模 200億Baht以上 (およそ600億円) 企業は緑色、 50億Baht以上 (およそ150億円) 企業は青色、 50億Baht以下 (およそ150億円) 企業は赤色で表示している。
ASEAN JAPAN Consulting Co., Ltd.
タイ・ASEAN地域におけるビジネスコンサルティングを行う。主な事業内容は市場調査、現地企業の事業調査、海外進出支援、経済情報提供サービス。タイやASEAN地域への進出を検討される日本企業に向け、事業及び投資のチャンスやリスク、可能性についてデータや企業情報を提供する。東京とバンコクに拠点を置く。会社サイト:https://www.asean-j.net/
タイ証券取引所(SET) タイ証券取引所(SET=Stock of Exchange of Thailand)はタイの首都バンコクに1974年に設立されたタイ王国唯一の証券取引所である。大企業や多くの公開会社が上場するメインのSET市場と、中小企業などの新興企業向けのMAI市場の2つに分かれている。SET指数はタイ証券取引所の全銘柄を対象とする時価総額平均指数である。SETでの1日の平均売買高は16億米ドルを超え、ASEAN証券取引所内でも上位。過去3年間でSETの売買高は徐々に上昇しており、かつIPO市場も活発である。
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