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タイの食品(SAT)

タイ証券取引所に上場している最初のセクターである農業分野は、農業「AGRI」12社と食品「FOOD」37社の2つに分類される。

食品産業

タイの食品グループとタイ国内の食文化の関連性は非常に高く、
食品だとコメ、野菜、即席麺、コメ麺、水産加工品だとエビ、魚介類、練り物、冷凍食品まで様々な食品が取り扱われる。
食品、外食チェーン・飲料、製糖の企業がタイ証券取引所に上場している。

CPグループほか

最大の食品財閥であるCPグループの旗艦企業であるCPフーズ(CPF)は最大の売り上げ規模を誇っており、その内訳は飼料、畜産、養鶏、食品など多岐にわたる。
CPFは現在世界40カ国以上と取引を展開しており、傘下にコンビニ大手CPオール(CPALL)や通信大手トゥルー(true)などを収めている。

タイユニオンフローズン(TUF)社は水産加工やツナ缶で最大手である他、積極的なM&Aを通じヨーロッパやアメリカの企業を傘下に入れた。
精米やタイ米のパトゥムライスミル(PRG)やコメ麺のプレジデントライス・プロダクト(PR)はコメ関連の有力な上場企業である。

近年、製糖事業を牽引するコンケンシュガー(KSL)は、バイオ燃料等食品向けではない転用を実施し、生産拡大を見込んでいる。
外食チェーンやホテル経営を行う大手企業のマイナー・インターナショナル(MINT)は高い事業成長率を持続している。

日本食ビュッフェと緑茶を展開するオイシ・グループ(OISHI)と同業種イチタン(ICHI)、タイスキレストランを展開するMKレストラン(M)、タイ料理レストランS&P(SNP)、野菜・果物飲料大手企業のティプコフーズ(TIPCO)、マリー・サムプラン(MALEE)、コーラ飲料「est」を自社展開するスームサック(SSC)はTCCグループの傘下に入り上場している。

アジアの主要食品加工拠点としてのタイ

アジアの食品加工拠点として、タイから加工食品が日本、アメリカ、EU、近隣アジア諸国、中近東諸国に輸出される。
タイ企業は多く日系企業と合弁し食品加工を行っている。
タイは、食品の品質管理の安全性を確保し高い付加価値を創出するため、より幅広いビジネスチャンネルで食品を開発する必要がある。

今後の展望

今後タイは有望な食糧生産国になる可能性が高い。
タイ米、養鶏、養豚、魚介類、天然ゴム、砂糖などの分野の成長が見込まれる。
タイ国内では、より質の高い食料品の生産と日本の食品ブランドのタイへのノウハウや技術移転、バイオエネルギーを用いた発電事業の発展が必要だ。タイ現地での日本の農産物の販売も開始されており、品質改良、農産物開発、無農薬野菜生産プロジェクトが進められている。

中間層の増大による顧客単価の上昇で外食チェーン分野の上場企業に成長が期待される。
今後はタイ国内市場だけではなくASEAN諸国や海外市場への参入傾向に強みがかかっていくと予測される。

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※1 SETでは同業種が異なるセクターに上場することも稀ではない。今回はセクター別の基準を準拠し解説し、非上場企業は除外する。     
※2 企業情報の読み方 
企業情報を示す枠内は、上から順に上場コード、社名、主要事業、売上及び純利益を示す。売上規模 200億Baht以上 (およそ600億円) 企業は緑色、 50億Baht以上 (およそ150億円) 企業は青色、 50億Baht以下 (およそ150億円) 企業は赤色で表示している。

ASEAN JAPAN Consulting Co., Ltd.                   タイ・ASEAN地域におけるビジネスコンサルティングを行う。主な事業内容は市場調査、現地企業の事業調査、海外進出支援、経済情報提供サービス。タイやASEAN地域への進出を検討される日本企業に向け、事業及び投資のチャンスやリスク、可能性についてデータや企業情報を提供する。東京とバンコクに拠点を置く。
会社サイト:https://www.asean-j.net/


タイ証券取引所(SET)                                 タイ証券取引所(SET=Stock of Exchange of Thailand)はタイの首都バンコクに1974年に設立されたタイ王国唯一の証券取引所である。大企業や多くの公開会社が上場するメインのSET市場と、中小企業などの新興企業向けのMAI市場の2つに分かれている。

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