タイの金融(SAT)
1. タイ国内銀行
銀行は主に民間銀行・国営銀行・王室系銀行とある。タイの銀行最大手は潮州系財閥が創設したバンコク銀行(BBL)、タイ初の商業銀行として王室が設立した最古の王室系銀行のサイアム・コマーシャル銀行(SCB)、国営銀行のクルンタイ銀行(KTB)、ラムサム財閥が立ち上げたカシコン(KBANK)はタイの4大銀行である。2019年、タイの商業銀行資産規模6位のタナチャート銀行と7位のTMB銀行が合併計画を示し、2020年から21年にかけて業務統合する。
2. 外資系銀行の参入
2013年に三菱東京UFJ銀行がタイ大手商業銀行のアユタヤ銀行の株式を取得をし子会社化した。近年は外資系大手金融機関がタイに参入する傾向が強く、マレーシア系CIMBグループや三菱UFJフィナンシャル・グループは地場銀行の株式取得により参入を果たした。進出している外資系銀行は「一拠点主義」の規制に従わなければならないため、支店を展開している外資系銀行は現地銀行への出資ができない。
3. 今後の見通し
ネットバンキングが導入され、今後は支店の拡大と同時にデジタルでの対応が求められる。生命保険は好調な業績が続いているが、損害保険はその数の多さにより厳しい状況が続く。タイでは経済活動がコロナウイルス感染拡大前の水準に戻るには少なくとも2年はかかると見込まれており、必要に応じて追加の金融政策が用いられる。
※1 SETでは同業種が異なるセクターに上場することも稀ではない。今回はセクター別の基準を準拠し解説し、非上場企業は除外する。
※2 企業情報の読み方
企業情報を示す枠内は、上から順に上場コード、社名、主要事業、売上及び純利益を示す。売上規模 200億Baht以上 (およそ600億円) 企業は緑色、 50億Baht以上 (およそ150億円) 企業は青色、 50億Baht以下 (およそ150億円) 企業は赤色で表示している。
ASEAN JAPAN Consulting Co., Ltd. タイ・ASEAN地域におけるビジネスコンサルティングを行う。主な事業内容は市場調査、現地企業の事業調査、海外進出支援、経済情報提供サービス。タイやASEAN地域への進出を検討される日本企業に向け、事業及び投資のチャンスやリスク、可能性についてデータや企業情報を提供する。東京とバンコクに拠点を置く。会社サイト:https://www.asean-j.net/
タイ証券取引所(SET) タイ証券取引所(SET=Stock of Exchange of Thailand)はタイの首都バンコクに1974年に設立されたタイ王国唯一の証券取引所である。大企業や多くの公開会社が上場するメインのSET市場と、中小企業などの新興企業向けのMAI市場の2つに分かれている。SET指数はタイ証券取引所の全銘柄を対象とする時価総額平均指数である。
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