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【ASE-Lab.メンバーの声】 #6 〜岐阜大学 濵田莉来さん 編〜

海外や全国各地から宇宙好きメンバーが集うASE-Lab.。
都内に拠点を置かない団体の活動にメンバーは実際どのように参加しているのでしょうか。。
そんな疑問を持った皆さん!運営メンバーの舟坂が調査してきました
 
メンバーインタビュー企画第六弾!今回は、なんと中々受からないことで有名なJAXAインターンに行かれた、濵田莉来(はまだりく)さんにお話を聞く機会をいただきました!団体内ではゼミの参加者としての参加だけでなく、宇宙システム入門ゼミの企画もされてきました。宇宙が好きすぎて、アルバイト中も子供に宇宙について話したくなってしまうという濵田さん。岐阜大学の授業やJAXAインターンでの経験、団体内での活動について赤裸々に語ってもらいました!


自己紹介


舟坂:初めに簡単な自己紹介の方お願い致します
 
濵田:大学二年生の濵田莉来と申します。岐阜大学の工学部、電気電子・情報工学科、応用物理コースに通っています。理学と工学の中間みたいな内容を勉強していて、電気電子コースなので電気回路などの工学寄りの内容と、量子力学とか力学のような理学寄りの内容の両方を扱ってます。
サークルは元々ダンスをやってたんですけど、一年生の時にコロナ禍で全然行けなくてやめちゃって。なので、今大学のサークルには入っていません。学生団体はASE-Lab.以外入っていないので、学外ではASE-Lab. でゼミをしたり、自分の時間で宇宙について思い耽ったりしてます。宇宙が大好きなので、宇宙の写真を見ながら良いなぁーって思ったり、妄想して勝手に宇宙の世界に入り込んだりとかするのが好きですね。
 
舟坂:わかります。息抜きの時間にぼーっと宇宙の写真を見ているだけで、普段の悩みとかが宇宙規模からしたらそんな大したことないんだなーなんて思えてきたりして、現実逃避になりますよね。
 
濵田:なりますよね。あとはヒーリングじゃないですけど、自然に帰ったような気持ちになります。最近だとプラネタリウムを購入したりもしました。それで夜空を見ながら寝るというのが最近すごく好きです。
 

最近購入したという家用プラネタリウム
プラネタリウムで見える星空。濵田さんはこれを毎晩見れるそうです!素敵ですね


舟坂:凄いですね。いいなぁ毎晩観れるのは。では、星座とかにも興味あるんですか?それとも天体とかの方が好きですか?
 
濵田:天体も好きなんですけど、小学生の塾のアルバイトで星について子供に説明する機会があって。星と親しくなるためには星座からかなと思って、自分も星座詳しくなって子供達に説明しようかなって思ったりもします。
 

濵田さんがアルバイトで子供達のために作成した星座の掲示物


舟坂:小学校とかだと確かに星とか天体の位置について学ぶときに星座から入りますもんね。それを自分で最初にきっちりやって、アルバイトのための心構えもすごいですね。
 
濵田:いやなんかそこは少し自己中なのもあって、アルバイト中も宇宙のこと考えてたいんですよ(笑)
 
舟坂:ここまでの話だけで、どれだけ宇宙を好きかが凄い伝わってきました。

岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科ってどんなところ?


舟坂:濱田さんの学科では、工学系の勉強も理学系の勉強も両方できるということでしたが、凄い羨ましいなと思いまして。宇宙業界では工学も理学もある程度理解している人達が必要ですもんね。
 
濵田:そうですね。実は元々理学部に入りたかったんです。それで一浪して、それでも届かなかったんです。工学部の中でも理学寄りの学部を探そうとして、後期日程があるここを選んだんですよ。なんで理学かって言ったら、理論が好きなのももちろんあったんですけど、どうしても工学が嫌だったんですよ。ちょっと変なこと言うんですけど、人のために生きたくなかったんですね。自分の研究とか自分の成果を人のために使うというよりかは、自分のために使いたくて。それで理学部が良かったんですけど、結果的に工学部に入ったことによって、工学のいいところとか、特有の面白さにも気づけたので。工学の技術や知識が例え人のためになったとしても、そこに辿り着くまでの過程で理学同様に追い求めるものがあるんだなと。結果理学部じゃなくてこのよくわからない工学部に入って良かったなと今は思ってますね。
 
舟坂:凄くいい話ですね。「人のために生きたくない」という感情に近いのかはわかりませんが、自分も経済的利益ばかりに目がいってしまうと、どうしても学問の面白さが見えなくなってしまうので、そう言う意味でお金のために研究はしたくないなって思ってました。でも今のお話聞いてると、工学の学問としての魅力は理学と同じくらいあるみたいですし、応用することの楽しさもそれに加えて工学にはあるんですね。
 
濵田:いやぁ本当に同感です。工学の方が経済的な側面を意識してるなと思ってたんですよ。
 
舟坂:でも、工学の良さもたくさん見えたと。具体的にどういった良さに気づけたんですか?
 
濵田:数学を勉強するということは数学を理解することだと思ってたんです。でも、その数学を応用して結果が得られるところまでみていくと、応用の仕方にも深さがあるなと。プログラミングとか数値解析とかもそうなんですけど、数学は自分が思ってたより深くて遠いなと思って。根源を知ることだけじゃなく、先端に行くのも結構な深みがあるなぁと
 
舟坂:自分のところでは数学科がやるような数学の証明が多くて。でもプログラミングとの繋がりとか、数学の性質がどのように実社会で使われてるのかまでみれたらもっと面白いんだろうなとは今話聞いてて思いました。
 

ぼんやりとした将来像、果たしてそれはいいことなのか?


舟坂:今後はどういう内容を勉強していく予定なんですか?
 
濵田:そうですね、学科内の研究室には物理系と数学系のものがあって、物理系のところに行きたくて。その中でも一つ観測天文学の研究室(1)があって、そこで研究したいなと思ってます。信号の解析とか、そういう勉強を三年生でやっていきたいです。あと自分は好奇心が旺盛なので、宇宙に関わる知識はなんでも取り入れたいなと思っていて。他の学科のロケットに関する科目とかも勉強したいなと。

(1)濵田さんが特にお世話になったという須藤広志先生と佐野栄俊先生の研究室ホームページ (2009-2022 Hidetoshi Sano, Home, Last updated 2022-11-10, https://www1.gifu-u.ac.jp/~hsano/index.html
)
須藤広志先生の関連ページ:http://www.eng.gifu-u.ac.jp/ouyoubutsuri/staff/sudou.html


舟坂:凄いですね、入学してから自ら工学系の科目にも手を伸ばすようになるまでになったのですね。自分はとてもこだわりが強くて、この道に絶対行く!って道を狭めちゃうんですけど、見たことなかったところに足を踏み入れてそこで学べることって多いし、それこそ宇宙の道に行くんだったら、理学の視野だけじゃダメだなって凄い学んで。なので今の話は凄く勉強になりました。
 
濵田:なんだろう、軸がブレブレなんですよね。「宇宙が好き」という軸しかないので。将来の夢が定かじゃないというか、だから自分の道がこれって決まってる人は凄く羨ましいなって思います。
 
舟坂:でもどうなんでしょう。私今までインタビューしてきてどのインタビューでも割とみんなこの話してて。宇宙が好きっていうのはぼんやりあるけど、まだわからないみたいな。そういう子がほとんどでしたよ。やっぱりみんな「自分の将来像はぼんやりしてるけど周りの子達ははっきり見えてるみたいでいいなぁ」って、そう思い込んでて。でも私が色んな人の話聞いて学んだのは、将来像がぼんやりしてるからこそ、学生の皆さんは色んなことに手を出してみたり好奇心旺盛に学んだり出来てるんだと思います。莉来さんもそうおっしゃってたじゃないですか。理学の勉強だけして宇宙論の研究をやる!って決めてたらもしかしたら工学の魅力にも気づけなかったかもしれませんよ?
 
濵田:確かに、みんな将来像が定まってるように一見すると見えますよね。
 
舟坂:知識もすごいありそうだし怖いなぁって思っちゃいますよね。
 
濵田:あぁーわかります
 
舟坂:でもみんな心の中ではそう思ってて周りの方がすごいちゃんとできてる!みたいな。でもみんな悩んでることだと思うし、普通のことです!
 

ALMA望遠鏡で自分が研究したい天体を自由に選んで観測!?濱田さんが行きたい研究室の魅力とは


 
舟坂:研究室の話がさっき出てきたんですけど、そこの研究室にもし行ったら、どういう研究を行いたいんですか?
 
濵田:今は結構迷走中で、わかんないのですが、昔本当に何も知らなかった小さい頃はALMA望遠鏡(2)で研究したい!と思ってました。その後大学に入って、その研究室にたまたま用事があって学生さんの研究をみていたときに、ALMA望遠鏡を使った観測の要望を記入する用紙、具体的にいうと「〇〇を観測したいです」って伝えるための記入用紙があって。ここって自由に対象を決めて観測もできるんだって思って、ちょっとワクワクして。

(2)ALMA望遠鏡 ホームページ(2005-2017 National Astronomical Observatory of Japan, ALMA, アルマ望遠鏡-国立天文台, https://alma-telescope.jp/?doing_wp_cron=1668051449.0339510440826416015625)


舟坂:実際に対象を学生が決めて!?
 
濵田:そうですそうです。結構遠くのものとかが見えるんですよ。なので、太陽系外のものを見てみたいなって思います。一方で火星や月とか、近いものの研究もしたいなぁって思うんですよねぇ。軸が本当にブレブレなんですよねぇ。
 
舟坂:いやぁ、良いと思います!!やっぱり大学三年生まで色々見てみて、二つのことを同時にできなくても時期をずらして挑戦するとか。そうすれば、一方をやってみて合わないなって思ったらもう一方をその先の未来でやるっていうことも出来ますし。決まってなくていいですよ。道を一つに絞るともう一方の道の可能性がなくなっちゃう。
 
濵田:そうですねぇ、確かに。可能性がなくなっちゃいますよね
 
舟坂:その研究室でせっかくなら遠くのものも見てみたいですよね
 
濵田:そうですね、実は大学にも一個電波望遠鏡があるんですよ。
 
舟坂:えっ
 
濵田:その研究室の先生が作られたそうで
 
舟坂:え〜〜
 
濵田:その望遠鏡でも観測してみたいなぁって。その望遠鏡を作られた大学の先生、実は私がJAXAインターンに行ったときにお世話になった先生から受信機の作り方を教わったらしくて。インターン先の人と大学の先生との間で繋がりがあったというミラクルもありまして。
 
舟坂:すごい!じゃぁもうインターン行っただけでは終わらなくて、そこの先生ともまた色々関係を持てれたらもっと色々学べることありますね。

宇宙を好きになったきっかけ


舟坂:元々何きっかけで宇宙を好きになったんですか?
 
濵田:小学校2年生の頃に皆既日食があったんです。それをわざわざ名古屋市科学館まで行って観測して、自由研究を親と一緒にやったことが凄く劇的なきっかけでした。色んな本も買ってもらって、初めて宇宙を学んだのがその頃でした。小学校五年生の時の自由研究で野辺山の国立天文台に行ったこととか、中学校一年生の時に宇宙博に行ったこととか。。。親にいろんな場所に連れていって貰ったのがきっかけとしては大きいです。二分の一成人式で将来の夢を発表する機会があったんですけど、その時に既に「ダークマターを探したいです」とか言ってたんです。


小学校五年生の時に濵田さんが行った自由研究


 
舟坂:なんだか昔の自分と一緒のこと言ってます。。。
 
濵田:同じでしたか(笑)そんな感じで親に、あそこ行きたい!って言うと色んなところに連れて行ってくれました。
 
舟坂:いやぁ自由研究いいですね!自分も小さい頃、親がたくさん図鑑買ってくれたり、宇宙系のプログラムに参加させてくれて、それも全然普通のことのようにしてくれたから今があるなと思って。そのありがたさわかります。
 
濵田:本当にそうです。JAXAインターンが終わった時に、なんで今自分ってここに来れてるんだろうって考えたら本当に親の存在が大きくて。流石にうるっときましたね。ありがとうという気持ちで。
 

ASE-Lab. に入ったきっかけ


舟坂:団体にはいつ入会されたんですか?
 
濵田:大学一年と二年の間の春休みでしたね。一年が終わった頃に、流石に何もしなさすぎると思って。何かしたいと思って、なんでもいいからと思いながら必死に何かを探しだして、そこで見つけたのがSCOPE(3)という団体のtwitterでした。そこが発信してる情報から色々探したんですよ。その中で、リモートでも参加できるASE-Lab.を見つけました。宇宙系の活動を行うという部分以外は曖昧な活動内容だったのである意味活動の自由度があると思い、そこも良いなと感じました。
 

(3)Space Color Project 団体twitter URL(https://twitter.com/SCOPE_2021_PR?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
)
団体ホームページ: https://linktr.ee/scope_spacecolorproject
団体instagram: https://www.instagram.com/space.color.project/

ASE-Lab.での活動について


舟坂:実際にASE-Lab.に入ってこれまで行ってきた活動について少し教えていただきたいんですけど。
 
濵田:私が企画者としてやっていたのが、宇宙システム入門ゼミというので。宇宙の輸送システムとか人工衛星の仕組みの入門的な部分についてのゼミでした。知らないことづくしで勉強になりましたね。自分が主催したので、毎回ゼミにちゃんと参加できました。これは結構自分の中では成果だなと思ってます。
 
舟坂:それははじめの頃からやっていらっしゃいましたか?
 
濵田:そうですね、5月くらいから始めて活動がまちまちだったので結構長引いちゃって、それでちょっと中止になりそうではあるんですけど
 
舟坂:学業や宇宙系の活動が皆忙しくて、続けるのが途中で難しくなってしまうことはよくあって全然しょうがないことなんですけど、それでも今回までずっと主催されて毎回出席から準備、勉強までされてきて得たことはとても大きかったのではないでしょうか
 
濵田:そうですね、資料の作り方とかも勉強になったりして。そういう根本的な部分から、説明の仕方まで、勉強になりました。数式を追ったゼミは初めてだったので、こういう風に説明するとわかりやすいんだなって、勉強になりましたね。
 

濵田さんがゼミのために作成した資料の一部


舟坂:内容的としては。具体的には割と数学とか一般教養的な側面もあるって感じでしたか
 
濵田:最初の方は割と宇宙の中の教養みたいなところが多かったです
 
舟坂:宇宙環境についてとか輸送がどうされてるかとかですかね
 
濵田:そうですね、人工衛星の部品がどういう風にできてるのとか、ロケットの先頭にフェアリングがあるよとかそういう基本的な情報を知らなかったので、世界の解像度というと大袈裟ですけど、宇宙の情報を見た時の解像度がちょっと上がるくらいにはロケットとか人工衛星について知れたなと思ってます。
 
舟坂:え〜宇宙自体に対する見方とか、それこそどういう部品が技術に使われてるかっていうのもまたこの先本当に現場で見ることになった時に見方変わりますよね。
 
濵田:あとは、今宇宙法ゼミに入ってるんですけどまだ参加ができてなくて、でもこれも宇宙っていう割と理系寄りの分野の中の文系的な側面なので面白いなと思って
 
舟坂:そうですよね。私たちのゼミは理系の範囲に縛られず、多面的に宇宙を見るというコンセプトに基づいて別のビジネスとか法律とかのゼミも自由に建てられて、分野に囚われずに参加できるのはいいですよね
 
濵田:本当にすごくためになりますね。多面的に宇宙を見れてる感じがします
 
舟坂:そうですよね。それこそ技術者としても宇宙空間をどう利用していけばいいのかっていうのは法に触れないようにとかそういうことって現場に入ってからじゃあ学ぶのが遅くて、でもみんな勉強する機会がないっていうのは残念なので。だからこそASE-lab.に入って先に学ぶのは結構アドバンテージになりますよね。
 
濵田:そうですね。あとこれから月、火星とかに生活のプラットフォームが移動していくので、法は地球上だけじゃ足りないんだよってことに改めて気付かされました。インターンで忙しかったのでまだ参加ができてなくて。これから参加していくのが楽しみです。
 

宇宙システム入門ゼミの様子

講義に実験づくしの毎日。。。有名な研究者にも会えちゃう?JAXAインターンの実態とは


 
舟坂JAXAインターン(4)に最近行かれたと思うんですけど、どんな感じだったかお話いただけますか?

(4)JAXAインターンシップ (Japan Aerospace Exploration Agency, インターンシップ, URL: https://www.jaxa.jp/about/employ/internship_j.html


濵田:大学一年生の時から応募したいなとずっと思ってて、ASE-Lab.入った時もそうだったんですけど春休みにここで本当にやろうと思って、やりたいという憧れからちゃんと自分で行動に移すということを始めたのがその時期でした。JAXAのインターンの応募は5月末とかまでだったんですよね。それで学校が始まってから、学務係とか色んな先生にお話を聞きに行って、大学二年生でもいいんじゃない?って話になり、応募しましたね。大学二年生が応募できるプログラムも限られているので、10個中3個に運任せで応募しました。通ればラッキーみたいな。そんな気持ちで待ってたら電話が来て、受かりましたと言われて
 
舟坂:本当凄いです!一年生の頃から本気で応募しようと思った時に、話を聞いてくれる大学の先生が側にいてくれたのは素敵なことですね
 
濵田:そうですね。それがさっきから言ってる宇宙の研究室の先生で、結構ラフな感じで話を聞いてくれました
 
舟坂:応募する時にはどういったことを書いたか覚えてますか?
 
濵田:基本的情報と、どうして応募したかというところに、今まで話したことと同じようなこと書いて、宇宙は好きだけどその先の道が見えてないので、インターンを通して自分の将来の夢について考えたいと書いたら受かりましたね。
 
舟坂:お〜やっぱりJAXAの人からみても宇宙が好きという気持ちが大前提で、本気で自分が何に興味があるのか探りたい人に来てもらいたいとJAXA側が思っている証拠ですね
 
濵田:熱意を買われたのかなと勝手に思ってます
 
舟坂:JAXAのインターンで参加したプログラムは具体的にどのようなものだったのでしょうか?
 
濵田宇宙マイクロ波背景放射の偏光観測用望遠鏡の開発研究体験です
 
舟坂:プログラム中では具体的にどのようなことをされたのですか?
 
濵田:宇宙マイクロ波背景放射の偏光観測用望遠鏡は、2028年に打ち上げられるLiteBIRDという衛星のことで、その望遠鏡部分を作っている関本裕太郎先生のところにお邪魔して、JAXAのISAS(5)(宇宙科学研究所)で実施させていただきました。午前中は、日本語の全くない英語の本で、電磁気と宇宙論の輪講(ゼミ)をしました。
 

(6)宇宙科学研究所 ホームページ (Copyright Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究所 Institute of Space and Astronautical Science, ホーム, URL: https://www.isas.jaxa.jp/)


舟坂:本格的ですね。。
 
濵田:そうなんですよ、めちゃ大変でした。。全10日間で、その日毎で別々の先生がいらっしゃって、講義を行なってくれました。内容としては、熱設計やもっと詳しい電磁気の話だったり、光学系の先生からのお話だったりとかでした。あとは、今博士課程で研究をおこなっている女性の方やJAXAの組織的な方の人がいらっしゃって、JAXAがどうなっているのかについて話せるところまで説明していただいたりもしました。そんなことを10日間続けました。それが午前中の話で、午後がずっと実験だったんですよ。最終日に実験成果報告をするというスケジュールでした。
 

インターン中英語の資料を読みながら勉強に励む濵田さん。ホワイトボードにはデルタ関数やガウスの法則などの式が並んでいることから、電磁気や数学の内容の講義を行っていたことが分かる。


舟坂:話を聞いていると本格的で楽しそうですが、午前中のプログラムだけでもとても大変なのに、午後も実験で、最後の成果発表に向けて10日間続けて勉強しないといけないのは、本当に大変そうですね。
 
濵田:そうですね。。。ただ、私たちの実験を担当していた先生は結構緩めで、他の人の話を聞きに行ったり、途中抜けして、色々な場所を見に行ったりすることができたので、その時間も貴重な経験でした。
 
舟坂:いいですね!施設の中も色々見ることができたんですか?
 
濵田:はい!広い図書館があって、全部宇宙の本で埋め尽くされていました。もう意味がわからないくらい宇宙の本があって、宇宙の資料もありました、NASAの資料とか!
 
舟坂:え〜〜!
 
濵田:インターンとして来ているので、中に入って見ることができて、全部お宝発掘みたいな感じで楽しかったです。
 
舟坂:えー楽しそう。。
 
濵田:あとは、講演会にも行きました。私が行った講演は本間先生のブラックホール撮影がテーマで、ブラックホールに映るリングはカメラの癖で、ブラックホールはリング状では無いのではないかとおっしゃる先生の講演会でした。そこで、興味のあるISASの先生方が集まって、厳かな雰囲気の中、暗い部屋で話を聞くわけですよ
 
舟坂:一般向けでもないと
 
濵田:そうなんですよ
 
舟坂:わーすごい!
 
濵田:講演会はzoomで繋がっていたのですが、講演が終わった後の質問時間で、zoomで喋った方がいて、本間先生だったんですよ!

舟坂:本場の研究者同士の討論、しかも本間先生の討論なんて芸能人のやり取りを聞いているようですね!
 
濵田:学生何人かで見ていたのですが、本間先生きた!ってみんなでなりました。ワクワクしましたね。あとは、お昼にエントランスで、ISASの所長がISASの歴史について語って、みんなで気楽に話す時間もあったりして、全体として宇宙というものでみんなが繋がっているのを感じました

舟坂:電磁気学や宇宙論など知識面での勉強もできて、英語で読むことによって海外の学会に出る際に必要な能力も得て、テーマに沿った研究もできて、施設も自由気ままに見ることができて、実際の講演会も聞けて。。。盛りだくさんですね。。
 
濵田:もうなんか新しいことばっかりで、毎日疲れていましたね。。
 
舟坂:10日間では足りない内容ですよね
 
濵田:そうなんです、足りなかったです。。
 
舟坂:もう少し時間が欲しいってなりますね、、
 
濵田:私は名古屋に住んでいるため、施設(相模原キャンパス)内の宿泊施設に泊まったので、土日も施設内に入れたんですよ。そこで勉強したりして、もう生活の一部になった気がして、いい経験でした。泊まる必要がない関東圏の人たちも、泊まりたい!と口を揃えてみんな言っていましたね。いい刺激的な環境でした。


JAXA 相模原キャンパス


 
舟坂:寝る直前まで、宇宙漬けでいられるわけですもんね!
 
舟坂:JAXAのインターンを通して、自分の中での変化や、印象に残っていることはありますか?
 
濵田:自分の勉強不足を痛感して、どれだけ勉強しても基礎的な勉強は本当に大事であることに気づきました。また、どの人にも他の人にはない良いところが沢山あることにも気づきました。例えば資料を作るのが早い人がいたり、どの話でも真面目にメモをとる人がいたり、人それぞれ良い点がすごくあることに気づいて、自分と周りの人を比較してダメだと考えるのではなくて、良いところに着目して活かしていくことも大事だなと思いました。
 
舟坂:周りの人のそれぞれの良いところが見えたことで、自分は何ができるか考える良い機会になったんですね。自分として、1番できたことや伸ばしたいと思った部分はありますか?
 
濵田謙虚な姿勢を忘れずに、言われたことを真面目に取り組むことです。凄く基本的なことですが、真っ直ぐに生きたいと思いました。自分の好きなことについて話すことに抵抗があったりしましたが、インターンにいくと、みんな自分の好きなことについてすぐ話していたので、これで良いと初心に戻ることができて、自分の中で大きな転機になりましたね。
 
舟坂:その話を聞いて、真っ直ぐで良いんだなって私も思いました。
 
濵田:インターンでは、本当に誰も他の人と比較したりしなかったんです。好きなものを好き度合いで比べたりすることもありますが、私は宇宙が好き、あなたも宇宙が好きという感じで、みんなが繋がっているのは、凄い心地のいい8月を過ごしたなと思いました。
 
舟坂:本当の意味で学問を楽しむということは、そういうことなのかもしれないですね。大人になるにつれて、人目を気にして比較したり、良い成績を取ることを目標にしたり、自信がなくて勉強している時もイライラしたりして、やる前に落ち込んだりするんですよね。でも、そういうことに囚われずに、学問に対して素直な人ほど、真面目に宇宙と向き合っているんだなっていうのは感じますね。
 
濵田:大学2、3年生向けのプログラムは少なくて、学部4年生や院生向けのプログラムが多かったので、興味があったら応募するべきだと思います!
 

ASE-Lab.には多種多様な活動経験のある人がいっぱい!濵田さんが団体で出会った人達


 
舟坂:あとは、憧れの人や刺激を受けた人とかがもしいれば、教えていただきたいです
 
濵田:ゼミとか参加して喋る人たちからももちろん刺激を少なからず受けてるんですけれども、やっぱりSDF(7)のメンバーとかCanSatに出場してるグループの人とかもいるじゃないですか。そういう積極的な活動を行ってる人が多いから、やっぱりそういう人を見ていると見習いたいなっていう風には思ってて。まだ受け身の姿勢をとってる段階なので、もうちょっと自分から発信するってことをやってみたいなと思うんですけど、難しいんですよね。。。
 

(7)宇宙開発フォーラム実行委員会(SPACE Development Forum) 団体ホームページ:https://www.sdfec.org/
団体 twitter: https://twitter.com/sdf_pr
団体 instagram: https://www.instagram.com/uchu_development_forum/?hl=ja


舟坂:え!?でももう十分色々と活動されてると思うんですけど?インターンに行かれたり、1年生の頃から研究室の先生とコンタクト取ったり、この団体入ってゼミの企画を行ったりしてる時点でもう色々なことやってますし。自分のペースを掴んで、自分がベストな状態で活動に打ち込める方法を理解して頑張れてるのが凄いです。
 
濵田:今回のインタビューで自分なりのやり方でもいいのかなって思えた気がします。
 
舟坂:私からすると、本当にたくさん素晴らしい活動をされてて憧れてます。
 
濵田:いやぁ本当にまだまだです。凄い量の仕事をこなしてる人を見ると羨ましいなぁって。あれだけ動いて疲れないのかなって
 
舟坂:多分そういう人も疲れてなさそうに見えて、その分心の内では凄いしんどいと思ってるとは思いますけど、しんどいのも楽しむくらいのマインドに頑張って持って行ってるんだと思います。凄いですよね。

濵田さんの将来の目標


舟坂:最後なんですけど、濵田さん自身の将来の目標について少し教えていただいてもいいですか?
 
濵田:結構好奇心が旺盛で将来の軸はブレブレなんですけど、一応小さい時からJAXAに就職したいなと思ってたので、憧れとか夢って叶うんだよということを小さい頃の自分に伝えてあげたくて。小さい頃の私のために夢を叶えてあげたいなと今は思ってます。でも、火星探査や惑星探査、深宇宙とか、JAXAがやってることよりもどちらかというとNASAがやってる研究に近いこともやりたいと思う時があるので。JAXAの就職を一旦目指して、その先でもっと別の道に逸れるのも全然ありだなと思ってます。
 
舟坂:そうなんですね!JAXAとNASAって別に拠点が違うだけじゃなくて、やってることも違いますよね
 
濵田:そうですよね。あとは、JAXAのインターンで聞いた話なんですけど、結構JAXAは宇宙系の研究のプラットフォームになっていて、他の企業からJAXAに来る人もいるし、JAXAから他の企業に行く人もいる。ベンチャーからの出入りも凄い活発に行われてます。なのでJAXAにいれば割と将来の道に対する融通が効くみたいなんですよ。将来の軸がブレブレな自分はやっぱり不安なので、そのことを聞いて今はJAXAを一旦の目標としています。
 
舟坂:確かに、人生別にそれで決まるわけじゃないので。JAXAで自分のプラットフォームを築いて、そこからもう一段階先を見つめるのもまたとても良い将来像ですね。挑戦的な夢を追うために、まずは安定したグラウンドを構築するという考えも大事ですね。
 
濵田:そうですね、それが一番楽しいかなと思って
 
舟坂:莉来さんのような人がリアルな経験やインターンで培った経験を元にゼミを開くと、大学の講義で得るものとはまた違った学びを参加者の皆さんが得られますね!今後のご活躍が楽しみです!

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団体ホームページ


取材・文:早稲田大学 先進理工学部 物理学科2年 舟坂柚香 
(広報部メンバー)

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