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【ASE-Lab.メンバーの声】 #4 〜信州大学 瀬戸晴登君 編〜

海外や全国各地から宇宙好きメンバーが集うASE-Lab.。
都内に拠点を置かない団体の活動にメンバーは実際どのように参加しているのでしょうか。。
そんな疑問を持った皆さん!運営メンバーの舟坂が調査してきました

メンバーインタビュー企画第四弾!今回は長野県のメンバーから声が届いていますよ!!
信州大学で機械工学を学ぶ瀬戸晴登(せと はると)君に取材を行いました。
ASE-Lab.内では宇宙工学入門ゼミの企画担当を行った実績があり、現在は衛星設計コンテスト最終審査進出に向け団体内メンバーと挑戦中とのこと!暇さえあればロボットサークルでの活動に勤しみ、自宅のコンセントで作業を行いたいと思い立った際には電気工事士の資格まで取ってしまうほどモノづくりが大好きな瀬戸君の素顔に迫りました。



1. 自己紹介


舟坂:まず初めに、自己紹介からお願いしてもいいですか?

瀬戸:信州大学工学部機械システム工学科2年、瀬戸晴人です。
今は製図や材料の加工、あとは設計や材料学など、機械の設計に関わることをメインに学んでいますね。個人的には機械以外のものにも詳しくなりたいなと思っていて、ロボットサークルにも入っています。あとは、自分で回路とか制御のプログラミングを勉強している最中です。最近で言うと、家のコンセントとかもいじりたいなと思っていて。

舟坂:すごい

瀬戸:あれって電気工事士という資格が必要で、前期に第二種を資格を受験してきました。ロボットサークルの活動としては、学生ロボコンの優勝を目指した活動、あとは自分たちの技術開発や、その他大会への出場も行っています。
サークルはロボットサークルとASE-Lab. 以外にも信州大学のロケットサークル、登山系のサークルにも入っています。趣味がモノづくりなのでロボットサークルでの活動を特に楽しんでいます。

舟坂:ありがとうございます。結構機械系とかロボットとかにかなり興味があって、趣味とかもモノづくりとかなんですね!

瀬戸:そうですね、あとは登山部とかにも入っているので登山やサイクリングなどアウトドア系のことも趣味にしていきたいなと思っていますね。

登山の様子


<コラム:信州大学ロボット研究会 (ALPS)>
瀬戸君が入っている信州大学ロボット研究会は、毎年NHKが主催するNHK大学ロボコンと京都製作所が主催するキャチロボバトルコンテストへの出場を目指しているサークル。正式な集まりは週2回程度だそうですが、瀬戸君は空いている日があると部室へ行き作業を行っているとのこと。学科の講義ではあまり行わない電気回路や制御に関する知識は、このサークルの先輩から教わったりもするそうで、工学の勉強をする上で非常に良い環境が整っているようです。
HP: https://shinshu-roboken.weebly.com/

ロボット研究会での作業の様子
作業の様子2


2. 宇宙に興味を持ったきっかけ・ASE-Lab. に入ったきっかけ


舟坂:ASE-Lab. に入ったきっかけは何でしたか?宇宙にはどういうきっかけで興味持たれたのですか?

瀬戸:僕自身モノづくりの中でも宇宙探索、宇宙開発系のロボットを作りたいなと思っていて、宇宙には元々凄い興味があったんですね。今年の春休みにビックサイトで国際宇宙産業展があったんですけど、それに参加した際に、講演の最後にASE-Lab.の紹介として阿部舞哉君(注1)が顔を赤くして出てきたんですけど

注1:阿部 舞哉(あべ まや)ASE-Lab. 団体代表 
阿部君に関する記事:https://steenz.jp/n/n132cd6abc18f

舟坂:あ〜(笑)

瀬戸君:僕はそれをよく覚えています(笑) それで団体のことを初めて知りました。

舟坂:いつから宇宙のロケットとか探査機を作りたいと思い始めたんですか?

瀬戸君:いつだろう。小学生くらいの時から思っていて。でも大きい展示会に行ったのは、この産業展が初めてでした。

<コラム:国際宇宙産業展>
日刊工業新聞社が主催する国際宇宙産業展は、宇宙開発や月面開発にまつわる製品やサービスの産業展示会である。日本最大級の規模を誇り、毎年国内の有名企業やベンチャー企業だけでなく、海外企業や宇宙系団体による出展も数多く集結している。新規事業へと繋がる商談が連日行われ、最新のロボット技術や宇宙ビジネスに直に触れることが出来る。HP: https://biz.nikkan.co.jp/eve/isiex/

2022国際宇宙産業展


3. 宇宙工学入門ゼミでの活動


舟坂:瀬戸君は今年の4月に入会されたそうですが、これまで行ってきた団体内での活動を教えていただきたいです。

瀬戸:はい。4月からは宇宙工学入門ゼミを企画担当としてやらせていただいていました。このゼミ自体は7月の中旬くらいに終わった感じです。教科書は「初めての宇宙工学」を使って、それを毎週一章ずつ決まった日の時間に進めていくという形でした。進め方としては各章の担当者を決めて、その人が章のスライドを作って発表という感じでしたね。僕自身このゼミが初めてで、一回目の発表だったんですけど、高いレベルの人が多そうだなぁなんて思ってしまって胃が痛くなりながら発表したのを覚えてますね。

舟坂:いや〜〜分かります。緊張しますよね。

瀬戸:そうですねーでも慣れてくると楽しいですよね。

宇宙工学入門ゼミの様子

舟坂:私は物理学科に所属していて理学の勉強しかあまりしたことがないので、工学ゼミでの勉強がどのようなものか気になります。数学とかから始めましたか?それとも設計とかからでしょうか? 

瀬戸:そこまで深く追及する感じじゃなくて、宇宙工学の分野というのはどういったものがあるのかを軽く勉強した感じでした。まず工学をやる上では宇宙の環境を学んで、そこからそれに対応した工学をやっていかなければなりません。なので、歴史とか宇宙空間の環境とかから始めました。あとは簡単なロケットの打ち上げ方や衛星がどういう風に回っているのか、ISSの仕組みなどについて軽く学んでいく会になっていました。

舟坂:なるほど、確かに環境を把握してからじゃないと設計はできませんよね。やっぱり工学でも理学寄りの知識もしっかりと勉強しなければならないですよね。

瀬戸:そうですね、僕ももっと理学や宇宙法などを勉強して、宇宙に対する視野を広げていきたいなと思いますね。

宇宙工学入門ゼミの主なスケジュール
宇宙工学入門ゼミのスタイル


4. 衛星設計コンテストへの挑戦


瀬戸:あと、衛星設計コンテストに出ようみたいなプロジェクトがあって、それにも参加させてもらっています。

舟坂:結構直近の話ですよね。それはゼミ内の話ですか?

瀬戸;そうですね、月の縦孔探査を学ぶ集まりを立てて、そこからその集まりで衛星設計コンテストに出場しようという話に発展して。

舟坂:あ〜〜すごい!ゼミに集まった人たちの興味分野に合ったコンテストを見つけてやってみない?みたいに話してみんなで出場できるのはいいですね

瀬戸:そうですね、それぞれの分野に精通している人が多かったので、新しい発見があってすごい楽しかったです。理学系の人と工学系の人がいたので、理学系の人にはどういう場所を探査したらいいかの選定をやってもらって、工学系の人はどういう機械を作ったら探査できるかを考えましたね。

代表の平井君(注2)を筆頭にみんなで頑張っていて、色々と調査してプロジェクトを発展させた感じです。僕は知らないことだらけだったのですが、周りの人から進め方や知識的な面も含めて色んなことを学べたのが良かったなという風に思っていますね。論文的なものを一枚予選に出さないといけなかったのですが、書く内容を分担して進めました。ちなみにその時発表したのが、火星の極地での地面を掘って氷を探査するロボットなんですけど、土などの排出部分をどうするかを、僕も含めた数人が担当して考えました。

注2:平井 大源(ひらい たいこう)団体メンバー、衛星設計プロジェクトチーム代表。SDFやUTAT(東京大学 ロケット&CanSat 製作団体)でも活動を行っている。

舟坂:なるほど、設計だけじゃなくて後処理のこととかまでちゃんと書かないと、評価されなさそうですね。

瀬戸:そうですね、実現性が重視されているような感じがしました。

チーム内で考えた押し出し排出機構の設計(CAD)

舟坂:コンテストやプロジェクトへ出場経験のあるメンバーが多いサークルなので、知識だけじゃなくて進め方や何日までに何をやってどう分担するかとかも教えてもらえますね。

瀬戸:そうですね、そういう人からただ話を聞くだけでも価値がありますものね。

<コラム:衛星設計コンテスト>
高校生〜大学院生を主に対象とした設計コンテスト。人工衛星の設計構想だけでなく、宇宙ミッションアイデアの独創性、チームの発表能力なども評価される。求められる知識は大学生レベル以上と非常に本格的な教育プログラムであり、研究開発機関や衛星メーカーの技術者、大学の教授など業界のプロフェッショナルの方々が審査を行う。HP: http://www.satcon.jp/


5. 尊敬するメンバーについて


舟坂:色んなメンバーがいらっしゃるという話をされていたんですけど、特に刺激を受けた人はいますか?

瀬戸:阿部君とか加藤君(注3)が凄いなと。ARLISS(注4)や能代宇宙イベント(注5)のCanSatの大会に彼らは出場しているのですが、一年生の何もわからない状態から色んな人に教えを受けたり自分で調べたりしながら、ゼロから世界大会に出場できる状況に持っていくっていう実行力が凄いなと思っていて、僕自身も宇宙ロボットみたいなものを作りたいなとは思ってるんですけど、中々実現するための課題が多くて難しいんですよ。そこを上手く乗り越えてやっているのが凄いなと思ってます。

注3:加藤 数麻(かとう かずま)団体運営メンバー
加藤君に関する記事:https://note.com/ase_lab_/n/nb899b1739d39

注4:ARLISS (A Rocket Launch for International Student Satellites)は日本とアメリカの大学チームが出場する、CanSat打ち上げ実証実験の大会である。アメリカのネバダ州にて毎年行われている。参考:University Space Engineering Consortium UNISEC. "ARLISS". UNISEC JAPAN.  http://unisec.jp/activities/arliss (参照:2022年7月9日)

注5:「秋田県能代市で毎年8月中旬に行われる日本最大規模の学生/社会人によるロケット打上及び自律ロボット制御のアマチュア大会」
引用:一般社団法人あきた宇宙コンソーシアム. "能代宇宙イベントについて". 能代宇宙イベント.  http://www.noshiro-space-event.org/about.html
(参照:2022年7月9日)

舟坂:でも本当にそうですよね。書類だけでも凄い時間がかかるのに。特にARLISSとか能代宇宙イベントに出られる方って、準備期間が期末試験とかの時期と被っていて、私からしたらどういう時間の使い方をすればって思ってしまいます。

瀬戸:僕もテスト前はテストのことで一杯一杯なので、その中でできるのは凄いなと思っています。


6. 今後団体内で行っていきたいこと


舟坂:今後団体内で、行ってみたいなと思っていることはありますか?

瀬戸:後期もゼミを開けたら良いなと思っていて、内容はまだ検討中ですが、宇宙機の熱設計のゼミとか出来たらいいなとは思っています。
あとはASE-Lab.内かどうかはわからないんですけど、阿部君達がやっていたように、実機を作りたいなと僕自身思っていて、その活動もやっていけると良いかなと思っています。


7. 瀬戸君の目標


舟坂:ありがとうございます。では最後に、今のお話は団体内でやっていきたいことについてでしたが、瀬戸君自身が将来何に向けて勉強していきたいか、どういったことを頑張っていきたいか、教えてください。

瀬戸:僕自身の目標としては、宇宙機で宇宙の探査や開発、主に火星や月面上での探査を行っていきたいです。ロボットを作って打ち上げるところまでを自分でやりたいというのが、僕の目標です。そのためにどうするかは考え中なんですけど、大学院ではどういう研究をしたいかというのを見つけなければいけないので、これから色んな大会や活動をしていったり、研究室の訪問をさせてもらう中で、どういうことが自分にできて、どういう研究をしていきたいのかを探りつつ過ごして自分にあった研究を見つけていきたいなと思っています。

舟坂:良いですね。やりたいことはあって、でもそこまで具体的にはせず、色々なことに視野を広げることも忘れずに研究室訪問などに色々と時間をかけてみていって、何が自分に向いているのか考えられたらという感じですよね。

瀬戸:やはり時代によってどういう分野が必要とされるかも変わっていくので、そこに柔軟に対応し、必要とされていることを研究できるような感じになれれば良いかなとも思ってます。

舟坂:確かに自分の興味を追うだけでなく、時の流れと共に刻々と変化していく社会の需要をリアルタイムで見極めながら、それに合わせて自分自身も成長しなければならないですよね。どれだけ自分の好きなことや興味あることを続けられるかということもしっかりと考えないといけませんよね。

瀬戸:そうだと思っています!

舟坂:インタビューを受けていただきありがとうございました!!

学部の勉強だけでは学べない工学に関する知識や技術力を、ASE-Lab.やサークル、趣味の時間を使って日々懸命に身につけていく瀬戸君の姿が取材を通して見えてきましたね!これからも楽しみながら勉強や活動、頑張ってください!!

この記事を読んで私達の活動に興味を持ってくださった学生さん!是非弊団体のウェブを覗いてみてください↓こちらから参加登録も出来ます。
団体ホームページ
https://ase-lab.space/


取材・文:早稲田大学 先進理工学部 物理学科2年 舟坂柚香 
(広報部メンバー)

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