時は経つ

▶︎朝起きると、"あぁ、また目覚めてしまった" と落胆する。毎日10時ぐらいに起き、お昼はテレビドラマを見ていた。夕方くらい、2階の窓から外を覗いていると同じクラスの人が、家の前を通りすがるのを見かけた。たまたまなのか。寄り道をして様子を伺いにきたのだろうか。いろいろと気になった。

▶︎不登校が続く。担任が家庭訪問に来た。母から「先生が来たら会ってね」と言われていたが、いざ訪問されると会うのが怖くて家の隅に隠れた。当時、日記を書いてたので、それを母に託した。正直、担任のことは信頼していない。近くにくると、侵襲的に感じた。

▶︎ある日、母から「カウンセリングに行こう、一緒に行くから」と言われた。カウンセラーという人にあって、いろいろ話をする、ということらしい。何度か誘いを受けたが、ぜんぶ断った。現在の問題、辛さ、全てを伝えたら学校に行けるのか。いや、行けない。他人に話したからといって現状が変わるわけではない。むしろ、気持ちの悪い同情、励ましを受けて、より一層不快になるだろうと考えた。

▶︎夏休みは明けた。学校に行っていない。毎日毎日、目が覚めると気持ちが落ちる。死にたいと考えるようになった。担任、もしくはクラスの子から、母を通じてクラスの話を聞くことがあった。どうやら、自分が学級委員長に選ばれたらしい。本人不在のもと、誰もなりたくないポジションに、誰よりも不適任な、不登校の自分が置かれた。詰んだ。

▶︎転校することになった。父の単身赴任先、以前の小学校に戻ることになった。よって、二人暮らしが始まる。

◼️あとがき

多少、ぞんざいに扱われたことも、大人になってみれば、大したことない、と思うこともある。不登校になり、転校する必要があったのか。ふじだらな生活をしたり、忍耐力のない自分が悪かったともいえる。ただ、当時は"耐えられなかった"