分岐路

▶︎大人達の視線は気になりつつも、登校を続けた。日々が過ぎ、卒業が迫まってきた頃、母が訪ねてきた。この先の進路について話があった。自分はこのまま残り、みんなと同じ中学に行きたかった。しかし、父の仕事の都合上、あと3年残れる保証はない。

▶︎2つの選択肢が言い渡される。1つは母の所へ戻り、学区内の中学校に通う。つまり、自分の不登校を知っている人達のとこに飛び込むということ。2つ目は母の所へ戻り、学区外の中学校へ通う。不登校を知っている人達のとこに戻るというのは考えられなかった。学区外であっても同じ市内なので、気が進まない。

▶︎母の所に戻ること、中学校に通うこと、これらを拒否したかった。受け入れがたい選択肢。しかし、この先、"小卒の人生" も想像できなかった。"学区外“ に通うことを決めた。

▶︎新しい中学校へ挨拶に行く。学年主任の先生と会う。この人は自分が元不登校だということを知っているのだろう。笑顔で迎え入れられたのは覚えてる。自分は話せなかった。

▶︎入学。近所の2つの小学校から8:2くらいの割合で進学してきている。8割の人は顔馴染みで親しくなるのも早い。2割の人は様子を伺っているような感じだった。自分は8割のうちのひとりに話しかけられて、その後行動を共にするようになる。

◼️あとがき

ひとまず、行動を共にする人はすんなりと作れた。自分から声を掛けたのではなく、向こうから掛けられたのだが。トイレに行くのも一緒だった。自分はトイレの前までついて行き、ドアの前でよく立っていた。すこしめんどくさいなと思いつつ、待つ。今思えばおかしな休み時間の過ごし方。