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ASDの人のコミュニケーションは欧米人的?

今年は長い方は10連休というGWですが、いかがお過ごしでしょうか?
本日のお話は時事的なお話になります。内容は予めご了承ください。
GWが終わる5月8日から、日本での新型コロナウイルスの感染症分類が、2020年から3年間続いた現在の2類相当から、従来の季節性インフルエンザ並みの5類に引き下げられます。

日本の総マスク社会化

コロナ禍のこの3年間でさまざまな景色が一変しました。中でも一変したのが、マスクを着用する人々の数です。

2019年以前は、日本の社会では、マスク(不織布マスク)を着用する現場は、食品工場やクリーンルームなどの特殊な施設を除けば、まずありませんでした(※ただし、2017年~2019年まで筆者が働いていた就労継続支援A型事業所では、食品・非食品にかかかわらず作業中にはマスク着用が強制されていました)。
また、花粉症を抱える方や風邪を引いた方が自主的に着用するということが一般的でした。また、2009年の新型インフルエンザの一時的な流行後に「だてマスク」として、一部の若者たちが着けていたという事例もあったものの、非常に少数でした。

それが、2020年の新型コロナウイルス流行で一変しました。日本では、法律で着用義務とはならなかったもののの、マスクの着用が広く呼び掛けられるようになり、日本の社会全体でマスク着用をする人が圧倒的多数になりました。日本はいわば「1億総マスク社会」に入ったのです。

その後、2023年に入り、政府は「2023年3月13日からマスクの着用は屋内外を問わず『個人の判断』」と宣言し、5月8日の5類移行を迎えようとしています。

このマスク着用については、新型コロナウイルスがまん延し始めた当初の2020年春時点では、WHO(世界保健機関)はマスク着用には健康な人は着用不要と述べました。

マスクを着けるべきなのか? WHOが最新研究を検討 - BBCニュース

BBCニュース

一方、そのころ、風邪・インフルエンザの症状が出ているときや花粉症シーズンにマスクをするという人もいた日本ではマスクの買い占めが起こるほど、需要が殺到しました。そして、医療機関のみならず、政府・自治体・企業・学校・さまざまな団体が、マスクを着用するよう呼び掛け、瞬く間に「マスク文化」が社会に日本中に浸透しました。

マスクをする習慣がほぼ見られなかった欧米では、その後、2020年6月にWHOが一転して「健康な人のマスクも推奨」と宣言すると、各国で着用が義務付けられました。

WHO、マスク着用の指針を変更 | 公益社団法人 日本WHO協会 (japan-who.or.jp)

公益社団法人日本WHO協会

コミュニケーションが目元の日本、口元の欧米

目元の表情でコミュニケーションを取ることが多いという日本人は、マスク文化が瞬く間に受け入れられたのに対し、口元の動きでコミュニケーションを取ることが多いという欧米では、マスクを着用する・着用しないを巡って社会を二分するほどの論争が巻き起こりました。

星野リゾートの従業員マスク廃止炎上から考える、働く人とマスク問題
https://newspicks.com/news/8403372/

NEWS PICKS

それは顔文字の違いにも表れています。

<例>

  • 日本語:(^^)、(・V・)

  • 英語圏:(:〉)、(:<)

日本語は目を中心とした表現で、横向きなのに対し、英語圏は横倒しになっています。

ASDの筆者は幼い時から相手の口元を見ていることが多かった

しかし、日本人は「一般的に目元を見てコミュニケーションを取る」という行為にASDの筆者は何か違和感を持ちました。少数派が持つ違和感です。
それは筆者が幼い時から、両親が喜んだ時や怒った時、口元ばかりを見ていた気がするのです。

ASDの人はあまり目を見て話そうとしないと言われることがあります。うつむき加減で相手とコミュニケーションを取ろうとするのです。
実際、筆者も大人になってからは意識するようになったので言われなくなりましたが、子どもの頃は、母親に「目を見て!」、「話、ちゃんと聞いてるの?」と何度も言われた覚えがあります。また、父親からも「うわの空」に思われていたことが数えきれないほどあります。

そうすると、自然と相手の口元の方に目線が行くことが定型発達の人と比べて多いのです。
あくまで推測ですが、ある意味でASDの人のコミュニケーションは口元中心で欧米的なのかもしれません。

口元でのコミュニケーション(一例)
口元でのコミュニケーション(一例)

発達障害の方と、マスク着用については、2020年初期に、感覚過敏がある人は「マスクを着けられない」という問題がありました。筆者は感覚過敏はなく短時間の着用なら問題ないのですが、4時間以上着けっぱなしでいると、しんどくなってきます。

筆者は比較的早いうちから屋外でのマスク着用をやめました。また、屋内についても、政府発表よりも3週間ほど前の2023年1月1日から着用をやめました。

現在でも、ASDの人でもマスクは着用し続ける方は多数いらっしゃいます。ただ、マスクの感染予防効果の有無の議論は抜きにして、特にASDの子どもにとって、マスクは着用しない方が親や先生の感情が伝わりやすいというのは個人的に思うところです。