見出し画像

緊急事態宣言解除後の新しい日常に対する不安

きょう(5月25日)夜、緊急事態宣言が全面解除された。
一部業種の休業要請や移動に対する自粛要請はまだ残るものの、感染者が減少し日常生活に対する制限が徐々に緩和されることは喜ばしいことだ。
もっとも以前の記事で述べたように、対人接触の必要性が小さい生活は私にとってかえってストレスの少ないものだったことも間違いない。
そんな中で私は極端な感じ方かもしれないが、緊急事態宣言解除後の新しい日常に対して2つの点で不安を抱いている。

1. コロナ以前のルーティーンが通用しなくなる

ASD者はもともと決まったルーティーンを壊されるのに弱い。
中には非常事態宣言下で自由な行動ができなくなり、日常のルーティーンを壊されてつらい思いをした人もいるだろう。
私も、緊急事態宣言が解除されれば以前のルーティーンが取り戻せるという期待を持たずにはいられない。

しかし、再び以前の生活に戻ろうとすると、感染再拡大防止のため以前は普通にできていたことができなくなっている可能性がある。
例えば、以前は何も気にすることなく決まって利用していた店舗や施設において、対人距離の確保を理由に入場制限がかかることはありうるだろう。

今後起こりうるこうした以前の生活との変化は、私にとってパニックを起こさせるほどではないし、感染再拡大防止のための措置が必要であるのも理解している。

しかし、以前無意識のうちに維持していたルーティーンを取り戻そうとしてもできないことや、ルーティーンに従おうとすると予期せぬ不都合に突き当たることは、それらがどんなに些細なことであれ、私に無視できないストレスを与えるであろうと不安視している。

2. ルールが確立されていない状況で周囲の反応を読まなければならなくなる

コロナウイルス禍は人と人のコミュニケーションの様態に強制的に変化をもたらした。その変化の最たるものがオンライン化である。
オンライン環境で人と話す機会は私自身増えているが、そこで求められる適切な振舞い方をめぐっては世間でも多少の混乱が見られる。
これは冗談だと信じたいが、オンライン会議で若手が先に退出するのは失礼などといったマナーが出回っているほどだ。

上記の例は極端だとしても、新しいコミュニケーションの様態に伴う規範は今まさに形成される途中であるほか、人によって許容ラインが大きく違う問題でもあり、しばらくの間はASD者に限らず全ての人を戸惑わせるだろう。

しかしASDの私は特に、ルールが確立されていない状況において周囲の反応を読み取って臨機応変に行動することが苦手であり、オンライン環境をはじめとして新しい形のコミュニケーションが求められる場で問題を起こすのではないかと恐れている。

おわりに

以上2つが私の現在抱いている不安である。
書いただけでどうにかなる問題でもないが、緊急事態宣言後の日常に対して漠とした不安を抱えている人がその不安を言語化する一助となればという思いもあり、あえて記事にした次第である。
とりあえず、新しい日常のなかで起こる出来事が私の乏しい想像力の範疇を超えないことを願うばかりである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?