[モンゴメリ生誕150周年]アヴォンリーへの道ー序②
アンとの再会
さて、せっかく買い揃えた村岡花子訳のアンシリーズ全10巻、白状すると実は最後まで読めないまま長らく本棚の飾りになってしまっていました。。。
第4巻「アンの友だち」ではサイドストーリーの要素が増え、登場人物名が多くなり中だるみしてしまうのと、その後の「アンの幸福」「アンの夢の家」「炉辺荘のアン」はアンが結婚し、子育てをしていくのが、ティーンエイジャーだった私にはまだ身近には感じられにくかったからかもしれません。また、どうしても戦前戦後の翻訳という古風さもありました。
そして、「虹の谷のアン」「アンの娘リラ」に至ってはついぞ読まずじまいのまま、、、気づけば30年(!)が過ぎました。
実家に置いていたアンシリーズも、いつの間にか処分されていましたね。
ある時、ひょんなことから松本侑子さんの新訳が出ているのを知り、もう知っているはずの話なのに、また読んでみようかと何気なく手に取ったのが数年前。
こ、これは!!
読みだしてすぐ、文庫の五分の一は占めるかという量の詳細な解説とともに、英文学やキリスト教を知的バックボーンとするなんと素晴らしい文学作品かと改めて衝撃を受けたのです。
そこからまた一冊づつ読み進め、まだ文春文庫版でシリーズ全部が刊行される前だったので、次作が出るのを待っては買っていきました。
10代で読んだ時は10代のアンに共感して読んでいましたが、40代で読むと今度はアンを引き取ったマリラやマシューの気持ち、なんならアンを子守りとしてこき使っていたハモンド家の貧しさとやるせなさまで思いをはせられるようになっていました。さらに、結婚して母になってからのアンの子育てや暮らしの中で大事にしていることに自分を重ねたり、村の人々との時には面倒くさいほどの関わりも、その土地で生き続ける中でどう人の性質を見極めてよい関係を築くかという社会勉強になったり、と新たな発見がありました。
で、これだけの訳注を付ける松本侑子さんの調査の幅と深さ、すごすぎでしょう、とTwitterをフォローしていたら、松本侑子さんが同行するプリンスエドワード島ツアーがあることを知ったのが2023年初めごろでしょうか。
おーーー、これは行きたい!!
コロナ自粛の反動もあり、円安もじりじり進むし、世界情勢は不透明だし、行けるうちに行きたいところに行くべきだー!と熱が盛り上がったのもつかの間、やはりTwitterで、もうあっという間にツアーは埋まったと知り、しゅん、、となりました。そして、
来年のツアーは絶対申し込む!!
と決意したのでした。
(続く)
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