『日本のいちばん長い日』
ただ単に戦勝国、敗戦国などと言う言葉で済ませてはならない。
そんな想いにさせてくれた映画。
その結果に至るまでにどれだけの経過、プロセスがあったのか。
我々人間は結果だけを重要視するきらいがある。
確かにresultは大事だ。しかし時として『process』の方が大事なこともある。
坂の上の雲が舞台の日露戦争。
国民には勝った戦争に写っただろう。
しかし、あれがあと半年つづいていたら。
戦時中の国民も貧困を我慢して国のために頑張ったからこそ、鬱憤が出た。
二〇三高地奪取。連合艦隊のバルチック艦隊壊滅。
国民はメディア(当時は新聞だろうか)によって景気の良い事ばかりを伝えられたことだろう。
しかし、政府や軍の一部ではわかっていた。このまま続けば負ける、と。
物資の乏しい国だ。だからこそ、ルーズベルトに良いところで仲裁に入ってもらうように根回ししていた。
戦争に勝つには勝ったが、戦争賠償金などは取れなかった。
ロシアは戦争継続も辞さない構えだったから、妥協点が必要だったのだろう。
当時の日本全権である小村寿太郎はさぞ厳しかっただろう。
物資の無い国、日本。それを顕著にしたのが太平洋戦争だった。
やめ時を考える者。本土決戦を望む者。
松ヤニで飛行機を飛ばす日本が勝てるわけがない。
器用で賢い(本来は)国民である日本。然し乍ら、物資が無ければ勝てないのだ。
どういった形で終戦にするか?苦悩する者たちがいたことを学ぶ映画である。
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