映画「MAMA」について書く

たまにアマプラで映画を見る。
ついさっきホラー映画「MAMA」を視聴した。

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アマプラで無料視聴できる。あとこのnoteは視聴済みorネタバレ気にしない人向けです。

■ホラーというホラーではない

ホラー映画を視聴したつもりが、気付いたら救済系ファンタジー映画を見て普通にめちゃくちゃ泣いていた。一度ラストを見てしまうと冒頭と最後に出てくる子どもの手書き文字みたいな「MAMA」も涙腺に来る。

最後まで見るとあまりホラーって印象は抱かない。抱かなくないですか? どうですか? 私は完全にMAMAの救いの物語と解釈してしまい、リリーの無条件で純真な愛とそれによってMAMAに与えられた無上の許しにアホほど泣いてしまったんですが……。

視聴後の印象としてはホラー邦画「仄暗い水の底から」に近いかな。余韻が似てる。仄暗い水の底からを視聴したときも、怖さではなく喪失感とかさびしさみたいなもので泣いたな。こっちも親子ものだね。

MAMAは洋画だけど、なんとなく和風ホラーっぽい作りだった気がする。
緩急とか。ラストは洋画感強くてワー! バーン! バタバタバター!! だったけど、そのぶん、変にモヤッとしないで物語としてキチンと完結してくれたのでスッキリ見終えられてよかった!🌸

スッキリというか

そうですね……リリーはね…………

本当に…ママのことが好きだったんだよね…;;;;

これはリリーだけじゃないよ!!!! ヴィクトリアも本当に心からママのこと好きだったと思うよ;;;
でも心の開き方というか~~ヴィクトリアとリリーはさ……年齢だけじゃなくていろいろ違ったから……起こるすべての出来事の受け止め方もそりゃ違ったと思うし、それがあのラストにつながったんだと思うし……;;;

リリーは全然、迷いもしなかったからなラスト……。
ヴィクトリアは途中でアナベルとMAMAの間で揺れてシクシク…泣いちゃうシーンとかあったけど、リリーはもう……ほとんどずっっとMAMA一択。

ラストもヴィクトリアが自分と来るかどうかだけで、自分が思いとどまる、MAMAよりもヴィクトリアやアナベルを選ぶなんて選択肢は存在しなかったんだろうな。

人を選ぶラストではあると思うけど、
MAMAのヤバい愛と執着に対して、子どものほうも無条件にMAMAを愛していて……それが救いになった、というのはMAMA視点でめちゃめちゃ幸せな結末だったと思う。

書いてて思ったけど、ラストはMAMA視点で見るのがいいんでしょうね。
作中でアナベルがMAMAの生前の鮮明な夢を見たり、事情を知って同情して泣いちゃったりしているのを見ると、監督にもそういう意図があったんじゃないかなと思えてくる。
MAMAを思え。メメント・ママしろ。

■リリー最初から死んでる?死にかけてる?

視聴後にアマプラのレビューを見てたら、リリーは最初から死んでいて、だからMAMAはヴィクトリアのことは諦めてリリーだけ連れて行った、という解釈があった。

根拠としては以下のシーンがあげられるようだ。
・壁に描かれた絵でリリーが動物に襲われて血を流している
・博士が提出した暗視映像で不自然な動きをしている
・まともな睡眠、食事シーンがない。蛾(MAMAの象徴)は食べている

わかる!!! リリーがもう人間ではなかった説めっちゃわかるよ!!!!

私も壁の絵見たとき「え死んだ…?」と思った。そのあと普通に二人セットで出てきたからアッ生きてたわってなったけど、視聴者に謎の動揺を与えるためだけにそんなカット入れるわけないので、何かしらは意味がある描写だと思う。

リリー死亡以外の意図では、下記3つの可能性があるかなと考える。

「リリーの命は本当ならここで失われていたものなので、最後にMAMAがリリーを連れていくのはトータルで見ればプラマイゼロですよ」という、ラストに違和感や不満を抱きそうな人向けの描写

・リリーは獣に襲われた経験からより一層臆病になり、そのとき自分を助け守ってくれたMAMAに全幅の信頼を置くことになった、という、「リリーがヴィクトリアよりも強くMAMAに懐いている理由の1つ」としての描写

・リリーが襲われた絵の次に獣たちの死骸を見るリリーとヴィクトリアの絵が出てくるので、MAMAが「獣を殺す力がある得体のしれない生き物だが、二人を守る存在」ということを視聴者にわかりやすく伝えるための描写

あとはもしかしたら、「MAMAが手を出してなければ二人とも獣にやられて死んでいたので、MAMAもまったくの悪者というわけではなく、二人の命を救っているんですよ」という描写かもしれないな……。

ただ上の3つだとリリー死亡説の他の根拠に説明がつかないので、やっぱり死んでいるのかな~~……。まあ死亡説のほうが後味は若干すっきりするかもしれませんね。あと1番目の最初に助けたから最後連れてくのはプラマイゼロ描写説だったら考え方サイコパスすぎるもんね。

そうなるとラストでリリーが「ヴィクトリア、来て!!;;;」って言ってたのも見え方が違ってくる。
MAMAとわたしとヴィクトリア、一緒にいようよ! って意味で聞こえていたものが、死者側と生者側のやりとりに聞こえてきてしまう。

あ~~~~~~!!!!!!;;;;;;;;

そうだ…蛾……。蛾を食べていた件なんですけど……。
あれ、もう死んでる、あるいは死にかけだからMAMAの力を食べて(=わけてもらって)いる、という解釈ができるようですね。

テーブルについて人間と同じものを食べるヴィクトリアとの対比がキツイ。

■ここすきシーン

リリーがアナベルに心を開きかけるシーンあるじゃん、リリーが外で寝ててそれを見つけたアナベルが慌てて抱きかかえて家に入れ、冷えた手をハーッて吐息であっためるシーン。

それまでヤダ! ヤダーッ! てじたばたしてたリリーが、おててにあったかい息かけてもらったら「……!」って感じで静かになったり、自分のもう片手を口元に持っていって「……?」ってするの可愛かったね……。

完全に心開いたと思った。わかりあえた、アナベルの愛が通じたんだ! と思った。慢心だった……。子どもの心はそう簡単じゃない。そうだよね……。自惚れだった……。

悲しくなってきた。また元気が出たら追記しようかな。
もうとくに書きたいことないけど。博士がかわいそうだったことくらいしか。


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