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緑色の光に操られし者。
ここのところ、毎日緑色の光に操られている。
一見すると逆なのだ。
私の手先の、さらにその先に緑色の光が輝く。
まるで私が光を操っているかのよう。
しかし実際には私の心が、その光に操られているのである。
半月ほど前、私はスティック掃除機を購入した。
それまでは、従来型の掃除機を使っていたのだ。
本体がとても軽いやつで、持ち上げて高いところを掃除するときなどはとても便利だった。
しかし掃除機を使う際には97%の確率で、掃除機は床置きのままである。
軽い掃除機を床置きして使うとどうなるか。
ひっくり返るのである。
あまりの軽さのため遠心力で遠くに飛ぶ。
そして家具や柱にぶつかってはひっくり返る。
いくら軽くても、自力で元に戻ってはくれない。
道路に落ちたセミだって、木の枝でも差し出してやれば自力でつかまって飛び立つというのに。
ひっくり返るたびに戻してやらないといけないのだ。
スーパーの床にひっくり返ってお菓子を欲しがる子ども並みの頑固さよ…。
さてそんな面倒な掃除機とおさらばする決意を固めた私は、スティック掃除機を購入し、あっという間にその魅力に取りつかれた。
それでも最初の週の使用状況は、二日に一度くらいのペースだった。
ところがこの一週間ときたら毎日である。
これがどのくらいの事件性をもっているか。
我が家の住人でない人には分かってもらえないのが残念だ。
なんと以前は掃除機を使う頻度が月に2~3回だったのだ。
すぐにひっくり返る掃除機にはホントに手を焼いていた。
コンセントも頻繁に差し直さないといけないし、面倒なことこの上ない。
よって掃除機はたまに使う程度。
それ以外の日は、クイックルワイパーだったり、ほうきだったりで誤魔化していた。
誤魔化すっていうのは、一般的には違うと思う。
でも我が家の場合はあきらかに誤魔化していた。
なぜなら我が家の現状には向いていないからだ。
適切な道具を使ってこそ、意味のある掃除が出来るというもの。
向いていない道具でいくら頑張っても、その成果はたかが知れている。
スティック掃除機は、我が家の救世主となった。
ひっくり返らないし、コンセントの差し直しもない。
連続使用時間も我が家の場合は問題なかった。
万歳!
あとは便利な道具を使う人間サマの問題だけである。
つまり、やる気があるかどうか。
こればっかりはねぇ・・・。
いくら高価な掃除機、高性能な最新機種でもねぇ…と思ったのだが。
今どきの掃除機は、私の心の奥底に沈み込んでいた「やる気」までも引き出してくれたのだった。
実にあっさりと、いい仕事をしてくれる。
降参するしかない。
私のやる気を引き出す仕掛けとは、掃除機の行く先を照らす緑色の光である。
この緑色のLEDライトは、ほこりやゴミをくっきり浮かび上がらせる効果がある。
見たくなくても、掃除機が進む先のほこりやゴミを見せつけてくれるのである。
しかも掃除機で吸い取った後は、床がきれいになったのが目に見えて分かるという効果をもたらす。
これに慣れると、掃除機を使っていないタイミングでも、床の上のほこりやゴミが目につくようになる。
目が慣れてくるようなのだ。
そして見えてしまった以上、キレイにしたくなる。
ほこりやゴミを吸い取った直後に見たきれいな床の記憶が、よごれた床を許さないのだ。
かくして、私は緑の光の思惑どおり(?)に、毎日掃除機をかける生活に誘導されたのである。
ちなみに現在の疑問は、毎日かけてもたくさん溜まるほこりの出どころがどこか、ということである。
カーテン、布団、そして私たちの全身を覆う洋服…。
毎日、こんなに繊維くずを排出するのだろうか。
こんなにたくさん繊維くずが出てしまっては、あっという間に薄くぺらぺらになってしまうではないか。
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