あつ森が我が家にもたらした教育的効果についての考察
あつ森こと「あつまれどうぶつの森」が我が家にやってきたのは発売間もない3月中ば。Nintendo Switch本体と同時であった。新型コロナウイルスに対する危機感が高まり、フライングで春休みが始まっていた。
従来の人気に加えて、中国工場の閉鎖などでSwitchは入手困難が続いていた。いまもか。ゲームショップを覗いては空振りを繰り返す中、偶然夫の目の前で入荷するという僥倖が訪れる。
欲しいけど高いね、そもそも買えないしね、転売を買うのは嫌だしね、と言っていたが、迷うヒマはなかった。正直、年甲斐もなくその場で跳ねた。
子どもたちも大喜びで興味津々。
必然、一緒にやる流れに。
「プレステで」「ウイイレしか」やらない夫と、「任天堂製品で」「(ほぼ)どうぶつの森しか」やらない妻という偏った夫婦が営む家庭は、ゲームに特別肯定的でも否定的でもない。
要は、そればっかりにならなければいい。
どうぶつの森の発売という機会がなければ買っていなかったので、親都合が大きいわけだが、ともかくそういうことになった。
我が家のゲームは平日15分・休日30分ルール。短いのは承知しているが、テレビも観たい人たちと協議の結果、ここに落ち着いている。
指先の細かい動きの鍛錬
Switchが来るまでの子どもたちのゲーム歴といえば、たまの週末、古いWiiで通称「バンバン」ことリンクのボウガントレーニングか太鼓の達人をやるくらい。
これらはあまり細かい指の動きを必要としない。ゆえに、2人とも最初はキャラを動かすのもままならなかった。それが今やスイスイである。
魚の前に浮きを落とすのも慣れたもの。長女は、距離や角度を上手く調整している。食いつきの短いレアな魚は釣り上げるに至らない時も多いが、食いつかせるのは楽勝のようだ。
次女は失敗を妙に嫌う性質で、逃げられると傷つくらしく、難しい釣りは苦手。大きい魚を見つけると姉に泣きついている。普段は無駄に強気なのに。
また、まだところ構わずBダッシュするので、虫逃しがち&花散らしがちではある。緩急はまだ要練習。
数字、金勘定を覚える
次女5歳も千、万の位を覚えた。高額商品を買えるか、ローンを返せるか、所持金とにらめっこしている。
ついでに、父や母の所持金もしっかり把握していて「ほしいなーほしいなー(チラッ」とされる。ちゃっかり加減がいかにも末っ子である。
時間の把握
長女には、持ち時間開始時に+15分後、+30分後は何時何分か計算して報告させている。次女の終了時間の計算も長女の担当。暗算なのでミスもあるけど、だいぶ減ってきた。
時間配分はやはりまだ難しく、毎回あれやり忘れたこれやれなかったとブツブツ文句を言っている。
実際と異なる通貨の存在を知る
ずっと「円」と言い間違えていたけど、ようやく「ベル」という通貨を覚えた。実在はしないが、別の通貨があることを覚えたのは良いと思う。
虫・魚・化石の知識向上
個人的にこれが一番大きかった。
釣った時のちょっとしたコメント、博物館に寄付した時の簡単な解説、成育環境に合わせた展示、ゲーム内のスマホでいつでも確認できる詳細な姿。そして、辞書のように読み込んでいる分厚い攻略本の情報。
これらを知識として詰め込んだ子どもたちを国立科学博物館に連れて行ってみると、大興奮だった。
特に、普段プリンセスになりきって過ごす時間の多いザ・女児な次女が、目をキラッキラに輝かせて
「おかーさん!!見て!!
ゴライアスオオツノハナムグリ!!」
「ああっ、こっちにはヨナグニサンもいる!!」
「モルフォ!モルフォ!!」(モルフォ蝶のこと🦋
とデカい声で早口でのたまう。萌えるよね。
ダイオウイカの大きさに慄き、化石の前では無言で集中。一緒に写真撮る?と聞くと、しばし悩んでトリケラトプスの前で角のポーズ。なにそれ可愛い。
幼稚園でも学校でも図鑑をよく読むようになったらしく、たまに親も知らない知識を披露してくれる。絵も描くが、驚くほど細かい。
気になる→調べる→見る→描く&話す、のループが自然とできていて感心する。
最近は深海魚が気になるらしく、沼津の深海水族館と、図鑑でよく紹介されている鳥羽水族館に行きたい!!としきりに言われている。GoToか。GoToなのか。
美術の知識向上
うちのメンバーはあまりツネキチと遭遇しないので美術品はすごく少ないんだが、サイゼリアで「あれ知ってる…」と指を指したのは『ヴィーナスの誕生』。うん、合ってる。
バーチャル博物館としての楽しみ方
お友達と通信をしていて気づいたことだが、子どもたちはあつ森の博物館を純粋に博物館として楽しんでいるようだ。
決められた短い時間の大半を割いて、お友達とただただ博物館の魚や虫を見てキャッキャしているのだ。これには本当に驚いた。
確かに見応えのある展示になっている。でも、親はせいぜいちょっと足を止めて、また進んで、という程度だ。たまにじっくり見ることはあるけど、言ってしまえば実家のトロフィーのような、手に入れて満足、飾られていればとりあえず満足、といった扱い。
せっかくの精巧な描写を余すところなく楽しんでいる子どもたちであった。
インテリアを意識する
娘たちの好み、性格が如実に表れていて新鮮だった。
次女は家具を必ず壁に沿って置く。まだ部屋が狭い頃はめちゃくちゃに置いていたが、「思うように置けないならどうでもいい」という発想らしかった。0か100かか。次女は万事その傾向があり、かーさんはちょっと心配している。
あらかじめ理想がはっきりしているのはいいし、それが自分にとってやや頑張らはないと達成できないレベルに設定されているのも良いが、届かないと泣くし、頑張ってなくても泣く。頑張ろう。
他方、長女はなんでも持ち歩く。収納がいっぱいになったからと言ってポケットをぱんぱんにしたまま動く。常に数個しか空きがないので、採っては売りに走り、また採りに行く。待ち時間の大半を移動で費やしていて、見ていてちょっとモヤモヤする。
大切なものがたくさんあるのはいいが、全部抱えたままでは動きが鈍るよ。どこかにしまっておくか、捨てような。ついでにお道具箱に丸まったティッシュを詰めるのもやめてほしい。(便乗
家が広くなるとともに、島で唐突に貝がらや家具を見かけることは減った。よしよし、少し成長したじゃないか。
なお実生活の片付けに活かされる気配は今のところ全くない。
視力に気付く
これはメリットかはわからないが、どうも長女の視力が落ちている、というのがわかったのはあつ森のおかげでだった。家族でハマって同じ画面を観ていたことで、長女だけ見えてないことが多いことに気づけた。
ちなみに、ハナカマこと花カマキリを見つけるのはいつも次女である。白い花にしか湧かない白い虫。
メガネデビュー長女&老眼デビュー間近両親では、全く太刀打ちできない。
とりあえず毎日楽しい
今日は誰の誕生日か言われる。いまは少し落ち着いたが、一時期は毎日言われてた。そんなキャラ知らんがな。
メッセージボトルの差出人も、毎回解説される。すごいなおい。合ってるかは知らんが。
次の季節が待ち遠しい
変わる木々の色に季節アイテムの登場、度重なる無料アップデート。
「はやく9月にならないかな」
「海に早く潜りたい!!」
いつも先を楽しみにしている姿が眩しい。
あつ森はいいぞ!
こんな感じで、我が家には良いことづくしだった。
たかがゲーム、されどゲーム。
あつ森はいいぞ。
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