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アメリカ珍旅行記 英語を全く話せない男が一人旅でアメリカに行った話(4)

エアコン設定のミスによる体調不良が多少あったものの、1週間しかない旅行の時間を無駄にすることはできない。

やたらと日差しの強い外に足を踏み出した。

サンタモニカといえばやはり早朝の海沿い散歩は外せない。
2キロという道もビッグなアメリカであればちっぽけな距離だ。
リュックサックを背負い海へ向かって歩き始めた。

街並みはもちろん、行き交う人や走る車、湿度の少ないカラッとした暑さ。
日本と違う風景を楽しみながらようやくたどり着いた海には早朝とは思えないほどの人の量。
砂浜でよくわからない縄遊びに興じるパーリーピーポー、程よい高さの波でサーフィンを楽しむイケメンガイ、おそらくダイエットだろうと思われるふくよかウォーキングおじさん。
毎朝このような光景なのだろう。
朝からビール片手に僕は砂浜に腰を下ろした。

サーファーのお兄さんがこちらに向かって手を振っている。
僕も手を振り返した。
お兄さんは英語で呼びかけながらまだ手を振り続けている。
何と言っているのか分からないがとりあえずイエーと返した。
すると僕の後ろから別のサーファーが手を振りながらお兄さんの元へ走っていった。
どうやら僕ではなかったようだ。

少し寂しい気持ちになりながらその場を離れようとした時、おばあさんが裸で海へとダイブした。
背泳ぎで沖に向かって泳ぎ始めたが波に返されその場から進むことができない。
それでも諦めずに泳ぎ続けるおばあさんに僕は叫んだ。

「Fantastic!」

続く



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