アメリカ珍旅行記 英語を全く話せない男が一人旅でアメリカに行った話(3)
日本人のお兄さんと一緒に荷物を受け取りようやく一通りの流れが完了のようだ。
お兄さんは近くで一泊するとの事でここでお別れをいい、僕はホテルのあるサンタモニカへ向かう。
やたらテンションの高いアフロの兄さんに地図と簡単な英語ジェスチャーで道を尋ね、サンタモニカ行きのバスに乗った。
数人乗っている車内に一人の日本人を発見した。
早速僕はその日本人青年に話しかけた。
自己紹介から始まり、少しお互いの話をしていると青年の顔色が変わっていった。
「もしかして君、サンタモニカに行こうとしてる?」
僕はサンタモニカのホテルに向かっているんだと答えると、彼は言った。
「このバスは全く別の場所に行くバスだよ、今すぐ降りた方がいい」
あのアフロにまんまと騙された。
僕はお兄さんに言われた通りに空港へ戻り、サンタモニカ行きのバス停まで行くバスに乗った。
異国の地で言葉もまともに通じない不安はあるが、やはり日本人はどこでも優しいと再実感した。
何はともあれ無事にサンタモニカへ到着した。
ホテルまでの道は2キロほどあるようで通常であればバスを利用するらしいがどのバス停なのか分からない。
そしてバス停に書いてある内容がよく分からない。
ガラガラとキャリーを転がしながらホテルへと歩いて向かった。
日本ではあまり目にしないようなファーストフード店やチカチカして店内ではスポーツ中継が流されているバー、この旅で何度も救われることになるセブンイレブンなど歩いていても新鮮な感じがして2キロなどあっという間だった。
ホテルに無事チェックインし、途中で見つけたチカチカしたバーへ足を運んでみた。
少しだけ日本語の話せるインド人のおじさんと仲良くなり、バスの乗り方や地下鉄の乗り方、オススメの観光地などの情報をもらった。
バーにいた人達はみんな陽気でとてもやさしくしてくれた。
帰り際に気付いたことだが、優しくしてくれていたのは僕が大量に持って行った寿司キーホルダーが目当てだったようだ。
翌朝、部屋の異常なまでの寒さで目覚めた。
日本の摂氏表示とは異なりアメリカでは華氏という事などその時の僕は全く知らず、エアコンの表示が78となっていたことから一番低い設定にして寝たことが原因だ。
アメリカって部屋でサウナとかできるじゃん。
などとあまりにもふざけた考えだった自分を恨みながら持ってきていたパブロンを飲んだ。
続く
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