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公立進学校への合格確率を上げる仮説

どうも、アサノジュクのアサノです。

僕は沖縄県で進学塾の塾長をやらせていただいております。東京などとは異なり、沖縄県では中学受験に対してまだまだ特別な存在です。その背景として、私立中学校や要受験の県立中学校がいずれも少なく、現実的に通学可能なエリアも限られているからでしょう。加えて、経済的な理由もあると推測します。

そのためか「高校受験では進学校へ」と考えるご家庭は多く存在しますが、現実的には進学校の枠は上位20% 弱の学生分しか準備されてはいません。その限られた枠への合格をより確かなものにするための仮説を述べてみます。
*注意*
いま、より現状に沿ったデータを集めています。現時点(2021/11)ではメモ程度だと思ってください。今後、精度をあげますので。

上位20%への道のり

まず1つ、ここで読者の皆様へ内申点の存在を理解いただく必要があります。比喩的ではありますが、沖縄県の県立高校への合否は先手として内申点で判断し、後手に当日試験での得点力で判断するというプロセスがあります。

"内申点で判断"について。内申点とは中学校1年生から3年生までの年度末の総合評価として与えられる通知表を値を元に算出する点数です。沖縄県を含む多くの地域では中学校1年から3年生までのすべての成績(通知表・内申点)が合否の判断材料として県立高校に通知されます。この値も過去の合否データが中学校や塾に蓄積されており、それの有無によって出願前に合否の目安を判断します。

そのため上位20%の学生として進学校への受験および合格を実現するためには、中学1年生時点からの規則的な活躍が求められています。批判を恐れず、乱暴な言葉で表現するならば中学3年生からの大逆転はないということです。中学1年生からの活躍に対する具体的な指標は、通知表で3以下を獲得しないことです。4または5を9科目並べることが、中3の冬に進学校へ挑戦するための切符となるわけです。

通知表で5を獲得するために

では、4や5は簡単に獲得できるのでしょうか?もちろんそうではありません。相応な準備の上でこそ獲得できるものです。以下に、4以上を獲得すための主な必要事項を書き出してみます。

①健全で能動的な授業態度
②課題への適切な取り組み
③試験における高得点(85点以上)の獲得

これらをコンスタントに実行し、大きなミスなく学年を終えることで5または4を獲得することが可能です。難しそうですよね。では、これらを獲得する可能性を増すための考え方を次の見出しから描き始めます。


2000時間の学習

皆様はパレートの法則という言葉をご存知ですか?実社会や働きアリの社会において8:2という割合が各所で出現する法則のことです。
ご存知ない方は以下のURLを参照ください。

上記の内容に加えて1万時間の法則という言葉も存在します。これはある分野で一流と呼ばれるには10000時間の行動が必要だという考えです。しかし、一流を目指すといえども、中学生らはに10000時間はあまりに過酷です。ですから、パレートの法則一万時間の法則の掛け合わせとして、2000時間の法則という仮説を持ってみます。これは"2000時間を要することで、一流の80%まで達することができる。また、その先の20%を体得するには8000時間が必要である。"という仮説です。まずは手っ取り早く勉学の素地を2000時間で手に入れようという作戦です。その素地は上記必要事項の③を強く下支えすると同時に、①や②へも効率的に取り組む前提条件となります。

それでもなお、2000時間は長すぎると考えるかもしれません。しかし、中学進学前にすでにその下積みとも呼べる2000時間を消化した学生もいるのです。そう、中学受験を経験した学生です。

一般的に、中学受験では小4・小5の間で1500時間、小6の間で2000時間程度、3年間合計で3000時間以上の学習量を確保するそうです(*個人差・環境差あり)。もしこの仮説がある程度現実的に機能しているならば、上位20%の幾らかは中学受験経験者が実質優先的に獲得しているとも言えるはずです。実際に、これまで中学受験を経験しながらも様々な事情で地域の公立中学校に進学した学生を見聞きしてきましたが、確かに顕著な優秀さを持った学生が多くおりました。上位20%のうち、いくらかの部分を彼らが占めていると考えても違和感はありません。実際にそのような現状があると仮定すると、中学受験への取り組みは中学進学のワンチャンスだけでなく、その後へも強く影響を与えると言えますね。一方で、非中学受験者らにとっては20%の枠が実際にはそれ以下(10%や15%)となっている厳しい現状が考えられます。

3つの考え

すでに中学受験せずに中学進学を果たした学生らなどからすると上記の意見は夢も希望もない内容になってしまいます。そんな場合に"今から何とかする"方法について考えてみます。ただし、決して"楽して成績アップ"の類ではございませんので、悪しからず。

①早急に2000時間の消化を目指す
過去の判断はどうであれ、すでに千時間単位の学習差が生まれていることを受け入れましょう。それを埋め合わせるには、自分も行動し始めるしかありません。決して"彼らに勝つ"ことが目標ではありません。志望高校に向けて、進学校合格に向けて、(明日からではなく)今日から歩み始めてください。最初の2000時間は基礎を作る修行のつもりで。それだけの量をこなすことで、中学校や塾での学習内容の理解もスムーズになり、2001時間目からの学習の質が向上するはずです。

②情報収集と正確な行動
決してペーパーテストの得点だけで合否を決めるわけではない点が高校入試の面白いところです。他の合格方法として、平常点(上記必要事項のうち①と②に該当)を潤沢に獲得することも合格へ続くルートです。日々の授業では、健全で能動的で建設的で行動的で現実的で理想的で包括的で視野が広く、四座の高い授業態度を目指しましょう。え?難しすぎる?
では、理想的な授業態度とまとめておきます。ここで最も重要なワードは"能動的"でしょう。発言の機会があれば臆せず手を挙げ、行動を求められれば確かにその期待に応える。そのような生活もまた成長への一途です。

③志望高校を見直す
進学校(高校)へ進学するということは、当然その先も同様に学習が続き、高い確率で大学進学(国公立・難関私立など)の期待を受けることとなります。ここで「2000時間の消化は無理」と考えることも大切な1つの選択です。決して勉強や進学だけが重要な指標ではありません。自身を見つめ、社会を見つめ、これから先の未来を見つめ、適切な判断と行動を行うことが大切だと、僕は考えます。ある学生は勉学に費やす2000時間を、あなたは自分で決めた事柄に費やしてください。それも1つの素晴らしい判断です。

最後に

僕は職業柄、多くの学生の成長や進学について常に考え続けています。やはりその中で2000時間には満たなくとも、学習に時間や体力を費やすことは、その先の確かな成長を得る前提条件だと感じる状況は多々あります。成長の程度には個人差があり、目標とする事柄も千差万別です。その大前提を理解した上で、やはり学生らが目標を目指し、向上心を燃やす瞬間は尊いものだといつでも感心します。今後も、よりお互いの進む道が明瞭になることを目指しています。

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