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Rambling Noise Vol.32 「メルマガナイトへGo ahead! その20」

ところで、昔っから素直なひねくれ屋だったアサノさんは、ガキの頃にお父ちゃんから放たれた、

「芸能界なんてのは、どうせ裏ではヤーさんと繋がっているんだから、こんなもんに関心を持っちゃダメだ(注:茨城弁なので、語尾上がる)」

という偏向率っぷりが半端ないお言葉をまともに真に受け、音楽というものにも興味を持つことはなかった。

だから、思春期にありがちな、「バンドやろうぜ」なんてことは、さらっとスルーしたので、当然楽器もぜーん然あかんのでーす。
だってのに、一方では幼稚園の頃はどういうワケだか、ピアニカが得意だった覚えがあったりなんかして、う〜ん、あれって一体全体どういうことだったんだろう。

そいでもって、歳月は吹っ飛んで、歳の寄ったアサノさんの趣味は、酒、散歩、吉川晃司だ。

三十代に差しかかった頃、吉川みてえにエレキギターを弾いてみたいじゃな〜い? と、急に関心が盛り上がってしまったアサノさんは、お茶の水の楽器街で衝動的に安ぅいギターをゲットしてみたのだった。

別にTHE ALFEEのファンということでもないのに、たまたま手にした坂崎幸之助監修の初心者入門ギター本(しかも間抜けなことに、何故かアコギのだ)を頼りに、ちこっと練習を始めるものの、特に目標があるワケでもなんでもなく、ましてや楽器お仲間がいるのでもなし、どうにもやってて面白くない。それに、猿の如くひたすら弾きまくる、高校生のような熱量も湧かない。

つまり、テキトーにベンベンやるだけで、ちょこっとも上達するものではなかったし、そのうち放りっぱなしとなる体たらくと相成るのでありました。


そんなヘッポコ振りにも拘らず、バンドのメンバーに穴が空いたと泣きつかれ、ライブ本番まで残りほんの数日間というのに、「どうしても他に見つからないんじゃ、入ったるよ」と言い放つアサノさんは、やはり人が善いのか。いや、単に恐れ知らずのスカタン野郎なだけなのか。

そのライブというのが殆ど素人ばかりの音楽イベントだったりして、そして結局コロナによって開催延期となったので、事なきを得たとは言え、だ。やれやれ。

んで、実はその後のアサノさんは、ギターをチマチマと触り続けているんだぜ、Baby
それは何故かと尋ねたら。

(続く)

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