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『経営の失敗学』 作者: 菅野寛

成功は十社十色。
一つひとつの成功はユニーク(独自)でパターン化できない。つまり、「こうすれば必ず成功する」と言った必勝法なるものは無い。

しかし、「これをやってしまえばほぼ間違いなく失敗する」と言う「地雷」は驚くほど共通で、しかも驚くほど当たり前に存在する。
であるならば、どこにどの様な地雷があるかを明確に意識して、丁寧に地雷を避けて行えば、少なくとも「失敗しないビジネス」、あるいは「成功確率を上げるビジネス」はできるのではないか。

本書は、その様な視点から様々な企業の失敗例と、何故その様な局面を迎えてしまうのかを具体的に取り上げている。

また、アップル、ファーストリテイリングなどの成功企業であっても実は一勝九敗であると言う。
はたまた、ソニー、パナソニック、ダイエー、ヤオハンなどを例に挙げ、ビジネスは本質的に失敗するものであるし、成功しても長続きはしない運命にあると諭す。

一方では、トヨタ、セブンイレブンジャパンなどを捉え、簡単には真似のできないアプローチを検証しつつ、成功例の表面的なモノマネでは決して成功することはないと、警鐘を鳴らすのだ。

さらに第二部では、陥りがちな失敗のパターンを八つのセンテンスに分けて解説もしている。

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けはなし。
共通した失敗のパターンを学ぶのは無駄にはなるまい。


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