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Rambling Noise Vol.42 「メルマガナイトへGo ahead! その28」
どうして大人はそうなのだ。アサノさんはもううんざり。
あれがしたいと言えばダメと返され、これが欲しいと言えば、まだ早いという答えが待っている。
例えば、『マジンガーZ』を愛していた七歳当時のアサノさんは、
「ジャンボマシンダー(ポピー製だよ)を買ってくれ」
と、お母ちゃんにせがんだものだった。
「通信簿で5を取ったら買ってやる」
勿論アサノさんの実力を承知済み。無理と判ってそんなことを言い渡したお母ちゃんだったが、虚仮の一念なのかなんなのか、次の期末には国語で何故か5を貰えたアサノさんは、ほれどうだとばかりにお母ちゃんに見せつけて迫ってやった。
しかし、返ってきた言葉はこの通り。
「オール5だよ!」
そりゃないよ、セニョリータ。
騙された! と、大いに腹を立てたリトル・アサノさんは、仕方がないからそれから銭ゲバと化し、せっせとお金を貯めて貯めて貯めて貯めて、近所のカスミストアの二階(誰も判んない情報だよ)にて自腹で買ってみせた。
そのジャンボマシンダー(ポピー製だよ)はこれなのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1674625163740-h3z4v4ekHV.jpg)
そして当然、次に寄越された通信簿から5の数字は消えていた。
また十代の或る時には、『装甲騎兵ボトムズ』を予約録画したかったのと、ちょっとマニアックな収集癖とかその他諸々により、「ビデオデッキ買って」と、アサノさんはお母ちゃんに申し込んだ。
「ちょっと待ってれば、もっとどんどん良いのが出てくるんだから」
「なんだそりゃ。それじゃ一生買えないじゃねーか」
と言うことで、アサノさんはせっせとバイトに励み、多少悪いこともして資金をこさえ、友人宅の家業であった質屋さんでナショナル製(パナソニックじゃないよ)の廉価なビデオデッキをこれまた自腹で買い求めた。
はたまた、漫画『バリバリ伝説』の影響もあって、高校生時分に、
「バイクが欲しい」
と、今度はお父ちゃんに言ってみれば、当然の様なダメ出しを喰らう。
もう何も言う気になれない。
アサノさんは、時を待たず、とっとと無断でRZ250RR(ヤマハ製だよ)をローンで購入した。
しれっと自宅へとバイクで乗りつけたアサノさんに対して、お父ちゃんは暫し無言であったが、晩飯時にはこんなことをポツリと口にする。
「オレも昔はバイクに乗っていたんだ」
だからなんだ。どういう意味で言ってんだ。
呆れ返っちゃうよ。
今度はアサノさんが無言になる番なのだった。
(続く)
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