Rambling Noise Vol.108 「SOMEDAY MY NEIGHBOR WILL COME その2」
なにより、本当はアサノさんは、淡々とストーリーが進んでいく中で、じわーっと恐さが滲んでくる様な作風を考えていたのだが、実際やろうとしたらかなりムズかった。
ビミョ〜な作風というのは、そのまんまビミョ〜な演技、画作りになってしまう危険性を孕んでいらっしゃるのねー。
アサノさんは、なるべく棒読みでも成立する様にした方が、或いは却ってオーバー気味な科白廻しにした方が、演技者には判り易いのかもしれん、ということを学んだ。今後はちゃんと意識しましょーと考えた。
アサノさんのHPが100個くらい上がった。
さて、編集作業を進めていく中で、うーん、このビミョ〜さ加減の素材をどうやって観れる代物にしたろーかと思案すること暫し。
結果、当初考えていなかった様な組み立て方で、つまり色やら音やら混ぜ混ぜしてちょいとでもパニック感が出ますよーにという方向に振り替えて、どうにか一応完成したのであった。しかしながら、その所為でシナリオを執筆していた際にイメージしていたものとは、どうにも乖離がある映像になってしまったのは、まっ、しょーがねーか。
そもそも実写ではなく、アニメや漫画向きの話だったのかもしれん。
なんてことも思ったりもしたが、演出家として迷いを抱えたまんま撮影をしてしまったのがやはり一番悪い。
反省ー。
そしてこれまた長い。編集してみたその動画は、ざっと11分22秒。
シナリオ執筆時点ではこんな尺になるとは想定出来ていなかった。これも経験不足が招いたことですわねぇ。
ダメ出し担当の加藤智久さん曰く、
「駆け出しの作家というものは、ついつい全てを説明したくなりがちなんですよ」
なるほど、アサノさんがなんだかんだでお知り合いになっている、デビューこそ『クレクレタコラ』だったが、『傷だらけの天使』や『太陽にほえろ!』、『探偵物語』やら『西部警察』に『あぶない刑事』といったアクションドラマの大家、っと思いきや、『ルパン三世』から『名探偵コナン』といったアニメ作品迄も手掛けている脚本家(たまに監督)である柏原寛司さんもどこかでこんなことを語っておった。
「最近の若い監督は、脚本から編集まで全部自分でやるから尺が長い映画になっちゃう。バサっと切れねえんだよ。だから2時間半や3時間なんてものになっちゃって。観てくださいって言うからそりゃあ観るけど、そんな長いもん観せられてこっちはたまんねーよ。映画なんてものはどうバッサリ切れるかっていうもので、1時間40分とかでパーっと終わるのが良いんだよ」
ホントーにこんな乱暴な言いっぷりだったかはあまり定かではない。でもこんな感じだった筈だ。確か。
(続く)
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