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Rambling Noise Vol.112 「SOMEDAY MY NEIGHBOR WILL COME その6」

すっかり富野由悠季作品に閉口してしまったアサノさんをオタスケしてくれたのが高橋良輔監督で、『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』『機甲界ガリアン』などを楽しく拝見したのであるが、所謂リアルロボットアニメ路線を時代を同じくして突き進めたお二方のその作風は大いに異なる。

SF大好きエキセントリック、敵味方がぐにゃぐにゃになって大暴走な富野作品に対して、高橋作品は、まぁ一応ロボットものなので土台にはSF的なものが存在するものの、それはSense of Wonderといった味付けとしてではなく、舞台設定に必要欠くべからざるものと思えるのである。そして文芸的なドラマ作り、それがアサノさんの琴線を捉えたのである。


でも、SFファンの岡田斗司夫氏にすれば、SFチックな富野作品は語るべき存在で、高橋作品はあまりその対象にはならない様だ。岡田氏のYouTubeチャンネルを覗いてみれば、動画のラインナップからしてそれは明らかだ。

尚、現代からすれば信じられないだろうが、当時のアニメファンには市民権というものが無かったのだ。今では誰がアニメの話をしようが、特撮の話をしようが変な目で見られることもない世の中になっているが、あの頃のそういった人々は差別的扱いを受け、迫害され、まるで妖怪人間ベムの如く、世間様に対して目立たぬ様にひっそりと生きなければならなかったのだ。
そういう彼らは人々から一般にこう呼称され、揶揄されてていた。

「オタク」。


ところで、とはいえアサノさんも当時アニメばかり観ていたワケではない。ガンダムをリアルタイムで視聴していた時期は、映画『蘇える金狼』が公開され、テレビでは『探偵物語』の放送と時を同じくしていたし、直後には映画『野獣死すべし』も控えていたという具合で、一方では松田優作フリークのキャリアもキッチリ積み上げていた。

あ〜あ、あ〜あ、もう相変わらず脱線だ。


ま、何が言いたかったんだったんだっけ? っちゅうと、理解力と想像力がうっすーい視聴者を前提としなければならないからして、

「マス向け、オールレンジ向けに動画作品を作ろーぜ」

という、如何にもテレビ的考えを念頭に持つことも必要なのだよと、アサノさんはドラシネスクール運営及び作品へのダメ出し担当である加藤智久さんから指摘されたのであーる。

うわ〜お、なんて非道い回り道。


いや、Rambling Noiseではむしろ既定路線だ。

(続く)

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