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電話相談で、失敗したなぁと思ったこと
某市の障害者相談支援センターで働いております。
障害のある方、障害者の家族の方を中心に、いろいろなご相談をお受けしています。
先日、ある方の電話相談をとりました。
内容は、障害福祉サービスでなんとかできる範囲のものではありませんでした。
そういう場合はお話をひととおり聞いた後、適切な相談窓口をご紹介しています。
ただ。
その人は、何もアドバイスが欲しかったわけじゃなかったんですよね。
ただ、話を誰かに聞いてほしかった。愚痴や気持ちを受け止めてほしかったんです(ご自身でそう言ってくださいました)。
今回は、相手が正直に「ただ聞いてほしかっただけです。別に解決は求めてないんです」と言ってくれたから良かったものの。
それに気づかず、私のほうがなんだか変に役立とうとして、専門職だからとか相談支援機関だからとかある意味かっこつけちゃって、いらぬ情報提供をしていたケースって、実はこれまでにもけっこうあったんじゃないか?
そう思って、なんだかすごく反省しました。
研修や日々の何気ない会話の中でも、先輩がぽつりとおっしゃることがあります。曰く、
「なんとかしなきゃ、支援しなきゃ、とこちらが思うほど、うまくいかない」
「解決策はたいてい、既に相手の中にある。聴いていると、それがだんだんと出てくる」
前にもちらと書いたことあるけど。
そもそも、何年あるいは何十年もその人を苦しめてきた課題を、電話一本あるいはたった数回の面談で解決できたら、それはもはやスーパーマンで。
私ごときがその場で思いつく対処法なんて、相手はすでに考えついていて。
(行政の制度についてはこの限りではないです。知らなかった! という方は多い)
相談員は、隣に立ち一緒に考えることはできても、その人と四六時中ともに生活するわけではなくて。
つかのまいっとき、相手の気持ちを受け止める。
そうすることで、相手が本来持っている力を、また発揮できるようにする。
そのためには。
こちらの価値観を押し付けない。
学校でも習ったことです。
もちろん福祉の専門職として、助言や指導が必要なときもあります。そういうときはきちんと、やらないといけません。
でも、肌感覚としてそれができるケースって割合、少ないように思います。
これが病院や就労支援の事業所、グループホームで働いていたら、また違う感覚を持つのかもしれません。
基本相談を受ける一相談員としての所感です。
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