あさね

1993年生まれ。精神保健福祉士。1200字程度のエッセイを書きます。

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    映画、本の感想まとめです。自分用備忘録。

最近の記事

女性の身体の問題を男性が語る違和感

政治家からまたすげー発言が飛び出して呆れてものも言えません。日本保守党・百田尚樹が「女性は18歳から大学に行かせない」「25歳を超えて独身の場合は生涯結婚できなくする」「30超えたら子宮摘出するとか」などと発言したらしい。え、少子化は女性のせいだとでも? この手の差別発言が取り沙汰されると、表現の自由や信条の自由を盾に「そこまで怒らなくても」という人々がいます。 最近読んだ本で、それらの意見に対抗できそうな文章を見つけたので、少し長くなりますが引用させてください。 もう私

    • 日雇い派遣、年収500万と未婚の壁

      別に自分だけの金銭感覚と価値観で生きていく分には困らない程度の収入はあるのですが、他者との感覚差があると時にしんどくなることがあります。 たとえば、私がGUのパジャマ(2,000〜3,000円)を買おうか真剣に悩んだ挙句「今のやつもうちょい着れるか……」と断念する傍ら、相手はジェラートピケのパジャマ(7,000〜10,000円)を「これいいよね〜」と言いながら買ってゆく、みたいなことがあると、別に私はGUのパジャマでも何の不足もないけどそもそもそれってジェラートピケを買うのに

      • 音楽に救われる朝

        流すだけで気持ちが救われる音楽ってあるよなぁ。最近の私の場合はこちら。 Official髭男dismの最新アルバム、Rejoiceでございます。 先日もツアーのライブ行ってきました。控えめにいっても最高でした。泣きました。 音楽っていいですね。 自分語りになりますけども先週が仕事の山場で、無事終えられた達成感で初めて打ち上げ飲みなるものをやって、そのまま連休入ったせいかやや燃え尽き気味のようです。今週も今週で、週末期限の仕事を複数抱えてはいますが、先週のものより勝手知っ

        • ここ2年弱で読んだ本の振り返り

          2022年には振り返りをしていたのに2023年はやってなかったみたいなので、2023年1月から2024年10月までに読んだ本の振り返りをしたいと思います。 どうしてこのタイミングかっていうと、最近そろそろまたいろいろと人生の転機が来そうで、何かと区切りがいいので。別に12月にならなければ振り返ってはいけないということもなかろう。 まず、2023年1月から2024年10月で読んだ本の総数は76冊でした。ちなみに2022年の1年間で読んだ数が29冊、まあ微増。ここ3カ月くらいは

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        記事

          知らない話のほうが「共感」できる?

          ふだん、精神保健福祉士の資格をつかって、障害をお持ちの方の相談に乗る仕事をしています。 そちら週5日の仕事とは別に、もう少し対象者の幅が広い電話相談の相談員もやっております。 そんなこんなで、電話で人の話を聴く機会が多いです。 相談内容は多岐にわたります。人によって、どこに悩んでいるのかどんな考え方をしているのかは当たり前ですけど千差万別で、語弊を恐れずにいえばおもしろい仕事です。自分とは違う価値観、考え方、信念、大事にしているものを、否定せず「そういうこともあるんだなぁ」

          知らない話のほうが「共感」できる?

          プライベートを酒の肴にしなくたって

          久々に集まる同窓会。 数年ぶり(中には卒業以来)の再会は、緊張と気疲れでぎくしゃく。仕事中のコミュ力はどこへやらって感じですよ。 何がそんなにやりづらいって、何を話せばいいのか全然わからん。 近況ったってどこからどのくらい話せばいいかわからんし。一対一のサシ飲みならともかく、大人数いて一人一人の話す時間も限られてくる中で、みんな他の人の話だって聞きたいだろうしそもそも私の話なんてどれだけ需要あるかわからん、てか無いやろ、とか思うと「今は〜〜に住んでて、○○あたりで△△系の仕

          プライベートを酒の肴にしなくたって

          記憶の曖昧さと語る怖さ

          この前読んでいた本で、「花火大会で『今のはマグネシウムが多いな』とか言ったら化学系とばれる」みたいな話があって、それで私は高校生のとき友達と行った花火大会、ちょうど夏の定期テストの前だったから、みんな「リアカーなきK村……」って金属の炎色反応を暗記していて、男子たちが花火が上がるたび「ナトリウム!」「カリウム!」とか叫んでいたっけなぁ、というのを不意に思い出しました。 高校のときのことは、今の私を形作るのに特に大きな影響を与えていて、たとえば今就いている福祉の仕事だって、高

          記憶の曖昧さと語る怖さ

          今日知り合った方、もっとお話聞きたかった。ふだん、初対面で連絡先は交換しないことにしているけど、この方は悔やまれる……またご縁がありますように。

          今日知り合った方、もっとお話聞きたかった。ふだん、初対面で連絡先は交換しないことにしているけど、この方は悔やまれる……またご縁がありますように。

          政府よ、まだ女性のせいにする気かい

          8月末、東京に住む独身女性が結婚のため地方移住する場合、自治体を通じて60万円の支援金を出すという施策が発表され、世論から批判が噴出、施策は発表からわずか3日後に撤回されました。 「結婚のために移住する未婚女性に支援金」っていうのは、まずなぜか女性のみを動かそうとしている点で不快。東京一極集中を緩和する意図なら、女性だけに限定するのは差別以外の何ものでもないです。 背景に少子化対策も含まれるなら、子どもを産み育てるために結婚を前提にしている点で疑問だし、支援金はせいぜい転居

          政府よ、まだ女性のせいにする気かい

          歯列矯正と脱毛

          春先の電車内では、「まだ間に合う!」的な文句とともに、これ経営どうなってんだ大丈夫かと心配になるような価格で、女性向け美容脱毛の広告をよく見ます。夏前だけかと思えば「冬のうちに」なんて謳い文句とともに真冬の車内で見かけたりもする。 幸か不幸かほとんどの女性が脱毛をすると、今度は男性にもその魔手が伸びてきて、ヒゲ脱毛の広告が。いやまあ実際ヒゲ脱毛はやると楽らしい。毎朝髭剃りするのって大変ですものね。無精髭って言葉のある社会では、清潔感を演出するにも努力が必要なのだ。 それも

          歯列矯正と脱毛

          反省文:愛想のすべてを職場に置いてくる日

          健康診断の問診票を書いていて、あなたの職種を答えてくださいという欄があって、選択肢式だったんですけど。転職サイト等々でもそうなんですが、だいたい選択肢の中に「福祉」っていうのを見つけられたことがなくて。いつも悩んで答えが変わります。 今回は「サービス業」にチェック入れたんですけどね。 私は福祉職もサービス業に近しいところがあると思っています。どんな訴えが出てこようと基本的には相手の話をまず聞き、気持ちを受け止めることから始まりますから。 私の好きな漫画のひとつに茅原クレセ『

          反省文:愛想のすべてを職場に置いてくる日

          とある相談支援センターPSWの1日のスケジュール

          精神保健福祉士(PSW)を目指す方や、福祉職って何してるんですか、みたいな方のために、ほんの一例として1日の仕事スケジュールなんぞを書きしたためてみます。 なお、これは実際にある予定をなるべくバラエティに富むよう組み合わせた架空の1日です。ご了承ください。 【職場】 東京都某市区の障害者相談支援センターです。 同じ役割を持つセンターは、地域により微妙に名称が違います。地域生活支援センター、基幹相談支援センター、地域相談支援センターなどなど。すみません、わかりづらくて。自分の

          とある相談支援センターPSWの1日のスケジュール

          戦争について考える〜バイコットとデ・キリコ展

          今もガザで起きていることを思えば、私たちは日々戦争について考え行動しなければならないはずなのですが実際は、少なくとも私は、つい先日まで戦争のことを考えずに生活していました。 それがふと、戦争を考える機会がふたつも巡ってきたのでこれを書いています。 ひとつはタバブックスが出版している『仕事文脈vol.24』(2024年5月号)の特集記事。バイコット(買って支持すること。不買運動の逆)という言葉を恥ずかしながらこの雑誌で知りまして。異国にいても日々の購買(あるいは不買)活動で意

          戦争について考える〜バイコットとデ・キリコ展

          社会に意見表明する私へ

          先日読んだ本のこの言葉がとても印象に残っています。残りすぎて、大事なことだからいいんだけどあまりに印象的すぎて、下書きに入れてある記事をアップする気になれずにいます。 それは、これまでの私が「いろんな人」に無自覚すぎたからかもしれない。 引用した文の「男性」部分はさまざまな単語に置き換えられます。 「目が見える人」だったり「自分の足で歩くのに不自由のない人」だったり、「働いている人」だったり「家族と良い繋がりがある人」だったり。 こういうこと書くと、「そんなこと言われた

          社会に意見表明する私へ

          死について、身構えすぎずに読める本

          今はもう私の手元にないのだけれど、寄藤文平さんの『死にカタログ』という本が好きでした。 寄藤さんは本来イラストレーターなので、本書もイラストたっぷりでとても読みやすいです。内容は、様々なデータから「死」について考えてみるというもの。世界各地では死後どこへ行くと考えられているのか、最も多い死因は何で、最も多い死に場所はどこか、偉人たちはどのように死んだのか……。テーマは重いのですが、ノイローゼにはならずに読めます。あとがきに、こんな言葉がありますが、まさにその通りの本になって

          死について、身構えすぎずに読める本

          障害者の定義と支援、思うことあれこれ

          私は普段からメガネをかけているので生活に支障がありませんが、メガネという技術がこの世になければ、あるいはこんなに普及していなくて差別の対象だったらば、私も「障害者」だったかもしれない。 というのは、障害者基本法には「障害者」は下記のように定義されているから。 現代では「障害者」が障害を治療とか克服とかしなきゃならないのではなくて、生活環境の側が変わって「生活に相当な制限を受ける状態」が解消されることをも目指す、つまり障害と障壁は別物であるという考え方が主流です。 そう考え

          障害者の定義と支援、思うことあれこれ