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2022年に読んだ本の振り返り

この一年で読んだ本の冊数を数えてみました。29冊でした。
ひと月に3冊読むこともあれば全く読まない月もあるので、平均して月2冊以上読めているのは自分では及第点かな、と思います。

内訳はざっくり、小説が7割、エッセイ・ノンフィクションが3割、ですね。これもまあ例年どおりかな。
エッセイは、3冊は川上未映子さんの本なので、偏りがすごいけど……。でもこの方の文章、20代初めくらいに読んだときは好きになれなかったけど、今はとても心地よいんですよね。文章の好みも服や食べ物のように、年齢かさねると変わっていくものなんですかね。
実はnoteを始めたいと思ったきっかけも、恐れながら川上未映子さんみたいな文章が書きたくて、だったんですよ。ひええ恥ずかしい。全然似ても似つかないですが。いいんです、永遠の憧れだというだけで。

でもnoteは始めて良かったな。
まだひと月ちょっとしか経ってませんけど、世の中おもしろい文章を書く方というのは本当に多いですね。いつも元気や勇気をもらっています、ありがとうございます。


ではここらで、私的2022年に読んだ本ベストを3冊挙げようかな、と思います。
なお、私が読んだのが今年ってだけで、今年発売された本ではないことをご了承ください。


辻村深月『噛みあわない会話と、ある過去について』

薄めの文庫で(本編200ページくらいしかない)、短編4つが収録されているので、1話1話が短めで読みやすいです。が、内容はとんでもなく衝撃的。現代版ホラーだと私は思っています。

ホラーといっても幽霊とかが出てくるわけじゃないんです。同じ過去のことを話しているはずなのに、「私」と「あなた」で記憶や認識が全然違う。これって現実、意外とよくある話。
でも、細部がちょっと思い違っているだけで、お互いきれいな思い出として覚えていればいいけど、片方にとってはきれいでも、もう一方にとっては真逆の思い出だったとしたら……?
個人的にいちばん怖かったのは『パッとしない子』です。


小川洋子・樋上公美子『おとぎ話の忘れ物』

樋上さんのイラストに着想を得て、小川さんが物語を紡ぐという形式の本。
小川さんの筆力がすごいのは言わずもがなですけど、樋上さんの描く女の子がまた、なんといったらいいのか……単純にかわいいのではないんですよ。ちょっと影がありそうな。あるいは世の中には似つかわしくないほど純真すぎるような。そんな感じを受ける(どんな感じ?)。

短編が4つ収録されていて、赤ずきんや人魚姫など、おとぎ話がモチーフにはなっているけれど物語はあくまでオリジナリティにあふれております。大人でダーク、ホラーというのかブラックユーモアというのか、たとえば『人魚宝石職人の一生』の、ラスト1ページでそれまでの空気が不穏なものに反転する鮮やかさはお見事。どれもオチにぞくぞくします。


井上真偽『探偵が早すぎる』(上・下)

最後はボリューミーに上下巻もののミステリ。とはいえ、おもしろすぎて長編なのを忘れるほど夢中になれます。
登場するのはなんと、犯罪が起きる前に防ぐ探偵。
ミステリはあまり書くとネタバレになるので、説明はこのへんで。

私の好きな広瀬アリスさんと滝藤賢一さん出演でドラマにもなっていたらしいんだよなぁ~。観られなかったのは無念。


気になった方はお手に取ってみてくださいませ。
なお、以前にも小説紹介したことあるので、ご興味ありましたらこちらもどうぞ。題名があれですけど、ソーシャルワーカーでなくてもぜひぜひ、と思っています。

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